入試問題解説」カテゴリーアーカイブ

平面図形に関する問題

2025年 慶應義塾湘南藤沢中等部 算数3です。

図のような一辺10mの正方形の柵がある。柵にはAを中心に内側にのみ開く戸が1つあり、Bの位置には一頭の羊がロープでつながれている。ロープの長さは1mから10mの間で固定することができる。戸や柵の厚さ、および羊の大きさは考えないものとし、羊の位置はロープの端と考える。円周率は3.14として、以下の問いに答えなさい。
(1)戸が閉まっている状態から、図のように内側に全開になるまでの、戸が開いた角度を求めなさい。

(2)戸が図のように内側に全開の状態で、ロープの長さを10mで固定したときの、羊の動ける範囲の面積を求めなさい。

(3)戸が閉まっている状態で、羊が動ける範囲の周囲の長さ(直線の部分も含む)を測ったところ、46.4mであった。このとき、ロープの長さを何mに固定しましたか。

【解説と解答】

(1)三角形ACDでAD=6m、AC=3mですから、三角形ACDは正三角形の半分の直角三角形になるので、角DAC=60°から、戸が開いた角度は180―60=120°
(答え)120°

(2)下図のように動くことができます。

Bが中心でBE=BF=10m
BJ=6m、EJ=IJ=4m
FC=GC=6m
AG=AH=3mで角GAHは120°ですから、
10×10×3.14×1/2
+(6×6+4×4)×3.14×1/4
+3×3×3.14×1/3
=(50+13+3)×3.14
=66×3.14=207.24

(答え)207.24m2

(3)ロープの長さを【1】とすると羊が動ける範囲の周りの長さは
【2】×3.14×1/2+(【1】-4)×2×3.14×1/4+(【1】-6)×2×3.14×1/4+10+【1】-4+【1】-6
=(【1】+【0.5】-2+【0.5】-3)×3.14+10+【1】-4+【1】-6
=(【2】-5)×3.14+【2】=
【8.28】-15.7=46.4
(46.4+15.7)÷8.28=7.5

(答え)7.5m

影に関する問題

2025年 慶應義塾普通部 算数8です。

1辺が20cmの立方体がいくつかあります。
(1)図1のように、平らな机の上にこの立方体を4つ並べて立体をつくります。1つの立方体の上の面に対角線を2本ひき、交わる点をPとします。点Pの真上40cmのところに電球をつるして照らします。机にできる立体の影の面積は何cm2ですか。図2は図1を真上から見た図です。
(2)図3のように、平らな机の上にこの立方体を5つ組み合わせて立体をつくります。上に積んだ立方体の上の面に対角線を2本ひき、交わる点をQとします。点Qの真上20cmのところに電球をつるして照らします。机にできる立体の影の面積は何cm2ですか。

【解説と解答】
(1)図4のように横から見ると
三角形ADEと三角形ABCの相似から、DE:BC=2:3になるので、影の面積は、立方体4個の底面積の
(3×1)/(2×2)―1=5/4倍になるので、
40×40×5/4=2000cm2

(答え)2000cm2

(2)図5のようになります。緑色の部分は立方体の表面積。黄色い部分は上段の1個の立方体による影ですが、1辺が40cmの正方形部分は下まで届きません.一方青い部分は下の段の4つの立方体の影ですが、これは1辺が45cmの正方形の分だけ黄色と緑色の部分に重なります。したがって影は
60×60-40×40+60×60-45×45
=7200-1600-2025
=7200-3625=3575
(答え)3575cm2

数の性質に関する問題

2025年 慶應義塾普通部 算数7です。

4桁の整数について、上2桁と下2桁の和を考えます。たとえば、1234を上2桁と下2桁に分けると12と34で、その和は46です。
(1)2024から、2024の上2桁と下2桁の和である44をひいた数を、2つの整数の積で表します。2つの整数の差が最も小さいのは、いくつといくつの積ですか。
(2)2025は、2025の上2桁と下2桁の和である45でわり切れます。 2100未満の整数で、このようにもとの4桁の整数が、その整数の上2桁と下2桁の和でわり切れる数のうち、2番目に大きい整数はいくつですか。

【解説と解答】
(1)
2024―44=1980で、これを素因数分解すると
2×2×3×3×5×11です。
36×55、44×45となるので、一番差が少ないのは44と45です。

(答え)44、45
(2)2099以下の数で、この数を2000+AとしてAは2桁の整数と考えます。これが20+Aで割り切れることになるので、
2000+A-(20+A)=1980も20+Aで割り切れることになります。
1980を素因数分解すると2×2×3×3×5×11で、20+AはAが2桁の整数ですから119が最大です。

したがって最大は2×5×10=110
2090÷(20+90)=19

1980=110×18=99×20ですから、次は11×9=99
2079÷(20+79)=2079÷99=21
(答え)2079

【解説動画】

(1)は(2)の伏線になっているところがあり、1980に気がつけるかがひとつのポイントでした。

速さに関する問題

2025年慶應義塾普通部 算数6です。

太郎君と次郎君がA地とB地を往復しました。下のグラフは、太郎君がA地とB地を往復したようすを表しています。次郎君は9時にB地を出発し、50分後にA地に着きました。A地で15分休んだ後、行きの2/3倍の速さでB地にもどりました。

(1) 次郎君がB地とA地を往復したようすを、解答用紙のグラフにかきいれなさい。
(2) 2人が1回目に出会った場所と2回目に出会った場所が1680 m 離れていたとき、A地とB地の間の道のりは何mですか。

【解説と解答】

(1)グラフは1目盛りが5分です。9時に出発して9時50分につき、15分休んだあと、2/3の速さで戻ると、1.5倍の時間がかかるので、50×1.5=75分後に到着するから、
10時5分に出発して、11時20分に到着します。したがってグラフは以下の通りです。

(2)グラフから太郎君は9時20分にA地を出発して10時20分にB地につき、30分休んで10時50分にB地を出発、A地に11時35分に到着しています。

PB=80分 AQ=30分からAM:MB=3:8
CS=30分 RD=90分からCN:ND=1:3
したがってMN間はAB間の3/4-3/11=(33-12)/44=21/44=1680m
AB間は1680÷21/44=3520m

(答え)3520m

【解説動画】

比と割合に関する問題

2025年 慶應義塾普通部 算数5です。

濃さが6%の食塩水200gと、濃さが12%の食塩水300gを同じ容器にいれました。ただし、食塩水の濃さとは、食塩水の重さをもとにした食塩の重さの割合のことをいいます。
(1)この容器に入っている食塩水の濃さは何%ですか。
(2)この容器から水を蒸発させました。ここに、濃さが15%の食塩水を、蒸発させた水の重さと同じ重さだけ加えました。さらに水を加えたところ、食塩水の濃さは水を蒸発させる前と同じになりました。この容器に加えた、濃さが15%の食塩水の重さと水の重さの比を最も簡単な整数の比で求めなさい。

【解説と解答】
(1)200×0.06=12g 300×0.12=36g
 (12+36)÷(200+300)×100=9.6

(答え)9.6%
(2) 500gの中に食塩が48g入っています。
蒸発させた水の重さを【100】とすると、15%の食塩水も【100】で、その中に【15】の食塩が入っています。
食塩:48+【15】
これが9.6%になるためには食塩水全体では500+【156.25】必要ですが、
15%の食塩水を入れた段階でまだ全体は500gですから、【156.25】不足しています。
したがって15%の水の量:新しく入れた水の量は
100:156.25=400:625=16:25

(答え)16:25