月別アーカイブ: 2023年2月

慶應義塾湘南藤沢中等部 2023入試結果

2月27日に最終結果が公表されました。

一般
募集人員 約70名
【志願者数】 男子 179名 女子 275名 合計454名
【一次試験受験者数】 405名
【一次試験合格者数】 191名
【二次試験受験者数】 174名
【二次試験合格者数】 86名
【繰り上げ合格者数】 2名
【入学許可数】 88名
【入学予定者数】 男子30名 女子41名 合計71名

帰国
募集人員 約30名
【志願者数】 男子 76名 女子 58名 合計134名
【一次試験受験者数】 106名
【一次試験合格者数】 71名
【二次試験受験者数】 70名
【二次試験合格者数】 40名
【繰り上げ合格者数】 4名
【入学許可数】 44名
【入学予定者数】 男子19名 女子20名 合計39名

今年は最初から一般が16名、帰国が10名多く合格していましたので、繰り上げは合計で6名と少ない結果になりました。

入学予定者は男子49名、女子61名ですが、これは例年通りで、横浜初等部の入学者が男子の方が多くなるためです。入学後男女比がほぼ1:1になるように構成されています。

普通部で野球部に入って甲子園に行けますか?

今年の春の選抜高校野球に、5年ぶりに慶應義塾高校が出場します。

神奈川県大会というのは、強豪校が目白押しで、かつ参加校数が一番多い。東京は夏の甲子園は東と西に分かれて2校出場できますが、神奈川は1校だけ。

だから大変なのに、よく頑張ったと思います。

で、普通部出身でベンチ入りする選手もいるでしょう。

慶應義塾高校には推薦入試制度があり、例えばリトルリーグで実績を上げた選手を推薦で採ることができます。

ただ、それも成績が伴わないとだめなので、野球ができれば大丈夫、というわけにはいかない。

その分、普通部や中等部出身者にもちゃんとチャンスがあるので、野球でそれなりの素養や実績があれば、もちろん甲子園に行けるチャンスはあります。

これは他の強豪校とは大きく違う点。

他の強豪校の場合、一般枠で入学した生徒が硬式野球部に入れるところはあまりありません。それこそリトルリーグの出身者ばかり。ちゃんとスカウトがいて、全国を飛び回って高校に採る選手を決めていきます。その意味で、慶應義塾高校は他の強豪とは異質なところがあるので、大いに活躍を期待しています。

今年の湘南の作文をCHATGPTに聞いてみた。


「甘いモノって、誘惑は強い割にだいたい体に悪いじやないですか。肥満とか生活習慣病にも繋がるし。だから、国なり県なりで税金をかけて、値段を上げていけば自然と国民・県民の健康が増進されるって
思うんですよ。子供の身体の生育に必要な部分もあるでしょうから、料理に使う砂糖とかは例外として、生活習慣病の人の食生活をある程度追い駆けてみて、どう見てもいけないなあと思うような品目だけでいいんですよ。課税しましょう。」

 問 あなたはこの人と対話をしています。この人の意見に百六十字以内で反論しなさい。

CHATGPT
解答1
私は同意できますが、課税だけで健康増進にはならないかもしれません。また、一部の人々には負担がかかることもあります。代わりに健康的な食生活を促進するための教育や選択肢の提供、適切な栄養の提供など、多角的なアプローチが必要だと考えます。(116字)

ちょっと短いのでもう一度やってみると
解答2
私はこの人の意見には賛同しますが、値段の上げ方については一部異論があります。甘いものが健康に悪影響を与えることは確かですが、税金をかけて値段を上げることで生活習慣病の改善に必ずしも貢献するとは限りません。例えば、手間や費用がかかっている健康的な食品を購入することができない低所得者や、甘いものが慰めとなるストレスフルな生活を送っている人々にとって、税金が高くなっても改善にはつながりません。代わりに、健康的な食生活の普及促進や、ストレスの軽減手段の提供など、多角的なアプローチが必要だと思います。(248字)

システム的にはもうここまでは来ている、ということなのでしょうが、子どもたちの解答はどうだったでしょうか。

栄光・聖光併願問題ーなぜオーバースペックになるのかー

ある大手塾の慶應普通部対策に通っていた子が、こんな話をしてくれました。

「僕は普通部のクラスで3番目です。なかなか上にはいけません。」
「え、最近力がついてきたんじゃないの?」
「普通部の問題は結構できるようになってきたんで、別にいいんですが、でも上2つは栄光・聖光狙ってますから。」
「つまり、できる問題が違うということね。」
「まあ、そうです。」

神奈川男子の上位層は2月1日麻布を受ける子が多くなります。
そして2月2日は栄光か聖光。そして2月3日が浅野、という流れになるわけですが、そうするとまあ、まったく安全というわけにはいかない。

浅野も最近は十分に難しい。で、栄光、聖光が第一志望の層にとって、わざわざ1日にリスクをとって麻布を受けに行かなくてもいい。

だったら受験校ならサレジオ、あるいは湘南地区なら逗子開成。そして慶應義塾普通部もその併願校に挙げられるのです。

普通部に合格したらそれはうれしいだろう、と思うのですが、残念ながら栄光・聖光がだめだとがっかりして入ってくる子も少なくないのだとか。

普通部合格者には栄光・聖光合格者がそれなりに含まれているのです。

で、普通部と栄光・聖光の出題内容はまったく違います。普通部に合格する、ということだけ考えれば別に栄光・聖光の問題ができなくてもかまわない。

しかし、塾で対策クラスが序列化されると、そこまでいかないといけないのではないか、とつい考えて、本来の慶應対策にまで時間が回らなくなる、のです。

これが普通部受験生がオーバースペックに陥りがちな原因です。

他の塾でも同じような序列化の問題があって、この子は最初良い位置にいたのですが、12月下旬の組み分け(まあ、こういう時期まで組み分けをやらなくてもいいではないかと思ってしまう部分もあるのですが、)で、2クラス落ち、というのを経験してそこからボロボロになりました。

頼まれて修復に挑んだのですが、やはり本人のショックは大きかったと見えて、なかなか立ち直れず、何とか2日の併願校の合格がとれた、という恰好。でも手を打たなければそこも危なかったかもしれません。

最近の塾の序列化はいろいろな弊害を生んでいるところはあるのです。

慶應進学館は個別ですから組み分けもなく、ベテランの先生方がしっかり最後仕上げてくれます。

余分なことをしてるかなあ、と思われたらぜひ一度ご相談ください。

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前半の学習内容の絞り方

新学年が始まると気ぜわしくなるでしょう。

塾に通っていればまず通塾日数が増える。拘束される時間が長くなる。家でやらなければいけない課題が増える。

なので、やることに追われてしまいがちです。しかし、慶應を狙うわけですから、これからの勉強はそのためのものでなければなりません。そこでまず1年間を大きくふたつの時期にわけ、夏休みまでとそれ以降にして毎年考えています。

前半の目標

1 算数と理科の計算問題を中心に、練習を進める。

2 国語の読解問題の練習を過去問を中心に行う。

前期は、まず算数と理科を中心に仕上げていくということですから、したがって勉強時間の半分を算数に、20%を国語に、20%を理科に、10%を社会に、というイメージが良いでしょう。

カリキュラムの復習にかかる時間をまずしっかり確保してください。カリキュラムを復習しないままにするのは非効率です。

その上で、国語の過去問を1週間に2題程度は必ず勉強するようにしましょう。

これは時間をかけてください。つまりたくさんの問題を解くよりも1問をていねいに解いていくという勉強の仕方が良いと思います。

続いて、算数ですが、これはテキストの復習をしっかり進めていけば良いと思います。

一番大事なのはやりきる量にしぼる、ということです。

あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ、といいながらひとつひとつがものになっていないと、やはり力は付いていきません。

理科は、計算問題を中心としたテーマを勉強してください。生物や地学などの知識系列はもう少しあとで勉強します。カリキュラムの学習を中心にすえて、なぜそうなるのか、をしっかり理解できるようにしましょう。あまり難しい計算問題は手を出さなくても良いです。実際にあまり難しい計算問題は慶應では出ません。その分、基礎力を身に付けておきましょう。

社会は、カリキュラムの復習をやりましょう。知識を覚えることにあまり時間をかけなくてかまいません。覚えるのは後半で良いですが、しっかりテキストは読み込んでください。

具体的に何をやるかを決める、ということはやらないことを決める、ということでもあります。

ですから前半の基本的なルールとしては

1 考える問題を中心にすえる

2 しっかりとした基礎力を創る

としてやる内容を絞り込んでください。