入試問題解説」カテゴリーアーカイブ

計算をがんばろう

2022年慶應中等部の問題です。

計算練習、面倒ですがやはりコツコツと続けましょう。

太郎君、次郎君、花子さんの3人の家は、学校までのまっすぐな一本道に面しています。太郎君、次郎君、花子さんがこの順にそれぞれの家を出発して、学校までの道をそれぞれ一定の速さで歩き、学校に行きました。右のグラフは、太郎君が家を出発してからの時間と、太郎君と次郎君の間の距離の関係を表したものです。次のア~オに適当な数を入れなさい。

(1)次郎君が歩く速さは分速ア$\frac{イ}{ウ}$mで、次郎君の家から学校までの距離はエmです。

(2)太郎君が家を出発してから7分後に花子さんは家を出発し、その5分後に花子さんは次郎君に追い越されました。それからさらに10分後に、花子さんは太郎君に追い越されました。花子さんの歩く速さはア$\frac{イ}{ウ}$mで、花子さんの家から学校までの距離はエ.オmです。

【式と考え方】
(1)
最初の5分間で565-150=415m距離が短くなっているので、太郎君の速さは
415÷5=83mです。そこから29-5=24分で650-150=500m増えているので、500÷24=20$\frac{5}{6}$mが太郎君と次郎君の分速の差になるので、次郎君の分速は
83+20$\frac{5}{6}$=103$\frac{5}{6}$mです。次郎君は24分で学校につくので次郎君の家から学校までの距離は103$\frac{5}{6}$×24=2492m
(答え)ア 103 イ 5 ウ 6 エ 2492

(2)花子さんが次郎君に追い抜かれたのは、太郎君が出発して12分後ですから、次郎君が出発してから7分後です。花子さんが太郎君に追い抜かれたのは太郎君が出発して22分後です。太郎君の家から次郎君の家までは565mで、次郎君が花子さんを抜いたのは次郎君の家から103$\frac{5}{6}$×7=726$\frac{5}{6}$m、太郎君の家から565+726$\frac{5}{6}$=1291$\frac{5}{6}$mです。一方太郎君が花子さんを抜いたところは83×22=1826mですから、花子さんは10分間で1826-1291$\frac{5}{6}$=534$\frac{1}{6}$m移動するので、花子さんの分速は$\frac{3205}{6}$÷10=53$\frac{5}{12}$m。

次郎君が花子さんを追い抜いたのは学校から2492-103$\frac{5}{6}$×7=1765$\frac{1}{6}$

それまでに花子さんは53$\frac{5}{12}$×5=267$\frac{1}{12}$m移動しているので、花子さんの家から学校までは1765$\frac{1}{6}$+267$\frac{1}{12}$=2032.25mになります。

(答え)ア 53 イ 5 ウ 12 エ 2032 オ 25

生物に関する問題

慶應普通部の問題です。

ヘビはワニと同じ仲間の動物です0普通部周辺に見られるヘビにアオダイショウがいます。アオダイショウは本州において最大級の大きさのヘビです。子どものアオダイショウの模様や頭の形はマムシに似ています。このように、姿が他の生き物や物に似ていることを擬態といいます。

1.アオダイショウの仲間を次の(ア)~(オ)から1つ選び、記号で答えなさい。

 (ア)イモリ   (イ)ウナギ  (ウ)コウモリ  (エ)ミミズ   (オ)ヤモリ

2.アオダイショウは、緑の多い公園や農地など人里周辺でよく見られます。アオダイショウが人里近くで 見られる理由を答えなさい。

3.子どものアオダイショウはマムシに擬態することで身を守っています。なぜ身を守れるのか答えなさい。

4.次の①~③の動物は、何に擬態しているのか答えなさい。
① ナナフシ  ②2回脱皮したアゲハチョウの幼虫 ③ トラカミキリ

5.次の文章中の(A)と(B)には骨の名前を、(C)には内臓の名前を書きなさい。また、(D)にあてはまる場所を下の(カ)~(コ)から1つ選び、記号で答えなさい。

 ヘビの骨格はヒトとちがい、頭の骨以外には(A)と(B)しかなく、手足の骨はありません。
 また内臓も、2つある(C)の1つが退化して小さくなっています。ヘビがこのような体のつくりになったのは(D)にすんでいたからだと考えられています。
 (カ)空気抵抗が少ない高地   (キ)やわらかい落ち葉や士の中 (ク)つるつるした木の幹の穴の中 (ケ)砂ぱくの砂の上 (コ)氷河のすき間

6.アオダイショウは脱皮して大きくなります0次の(サ)~(ソ)の動物のうち、脱皮するものをすべて選び、記号で答えなさい。
(サ)アメリカザリガニ (シ)イシダイ (ス)ウシガエル (セ)エンマコオロギ (ソ)オカダンゴムシ

7.アオダイショウの脱皮したぬけがらを見ると背中のうろこより腹のうろこが大きいことがわかります。この特徴は、アオダイショウが進むとき、どのように役立つか説明しなさい。

【解説と解答】
1. 爬虫類ですからヤモリ。
(答え)オ
2. 人里にいれば、天敵が少なく、エサが多くなります。
(答え)天敵が少なく、エサが多いから。
3.マムシには毒があるので、他の生物が逃げます。
(答え)毒ヘビだと思わせられるから。
4.ナナフシは木の枝に似せます。アゲハの幼虫は鳥のふん、トラカミキリはスズメバチに似せます。腹が黄色く、横に太い黒い縞をつけます。
(答え)① 木の枝 ② 鳥のふん ③ スズメバチ
5.ヘビは背骨とろっ骨があるだけです。肺が2つありますが、これはやわらかい落ち葉や土の中に生息するためです。
(答え)A 背骨 B ろっ骨 C 肺 D キ
6.しないのはイシダイだけです。
(答え)サスセソ
7.地面をとらえて前に進むためです。
(答え)腹のうろこが大きいと地面にひっかかりやすい。

平面図形の問題

2021年慶應中等部の問題です。

図1のような正三角形ABCにおいて、色をつけた3つの角の大きさは等しいとします。このとき、辺AQと辺BRの長さの比を最も簡単な整数比で答えなさい。

【解説と解答】
図で三角形AQPと三角形QBRと三角形PBCは相似。
三角形AQPと三角形PBCの比はAP:BC=6:9=2:3からAQ=3×2/3=2cmからBQ=7cmから三角形AQPと三角形QBRの相似比は6:7だからAQ:BR=6:7
(答え)6:7

範囲に関する問題

2021 慶應湘南の問題です。

1辺の長さが8mの正方形の形をした広場がある。広場には図のように1mごとに線がひかれており,いくつかの印が線の交わるところに置いてある。広場の中のある地点からそれぞれの印にまっすぐ行くとするとき,印Aが他の印よりも一番近い広場の部分の面積を○Aとする。
 たとえば右の図1のように2つの印A,Bを置いたとき,Aはかげのついた部分の面積で,24m2となる。このとき,かげのついた部分のある地点からAまでの距離は,そこからBまでの距離より短くなる。ただし,印の大きさは考えないものとする。
(1)図2のように,2つの印A,Bを置いたとき,面積○Aを求めなさい。
(2)図3のように,3つの印A,B,Cを置いたとき,面積○Aを求めなさい。
(3)図4のように,3つの印A,B,Cを置いたとき,面積○Aを求めなさい。

【解説と解答】
(1)

図のようになるから、
6×6÷2=18m2
(答え)18m2

(2)

図で黒い線がAとBの境界、赤い線がAとCの境界になるので、その共通部分が斜線部になります。
(4+7)×3÷2=16.5
(答え)16.5m2

(3)

同様に黒い線がAとBの境界、赤い線がAとCの境界になります。したがって斜線部は
4×4÷2+2×1÷2+2×4
=8+1+8=17
(答え)17m2

規則性に関する問題

2021年慶應湘南の問題です。

AさんとBさんは同じ数ずつ玉を持っていて,次のような作業をする。
① Aさんの持っている玉のうち半分をBさんにわたす。
② Bさんの持っている玉のうち半分をAさんにわたす。
  ①,②の順にくり返し作業を行い,持っている玉の個数が奇数になったら終わる。
 右の図は最初にAさんが8個,Bさんが8個玉を持っている場合の例であり,玉をわたす作業は3回行われたので,作業の回数は「3」と考えることにする。次の( ア )~( オ )にあてはまる数を答えなさい。

(1)Aさん,Bさんはそれぞれ最初に40個ずつ持っている。この作業が終わったときにAさんは( ア )個の玉を持っていて,作業の回数は( イ )です。
(2)Aさん,Bさんはそれぞれ最初に( ウ )個ずつ持っている。この作業が終わったときにAさんは63個,Bさんは129個の玉を持っていて,作業の回数は( エ )です。

【解説と解答】
(1)
最初 1 2 3
A 40 20 50 25
B 40 60 30 55
となるので、アは25 イ 3

(2)
最終 4 3 2 1 最初
A 63 126 60 120 48 96
B 129 66 132 72 144 96
図のように戻すと、お互いに96個持っていて、作業の回数は5回
ウ 96 エ 5

(3)
A 1 1/2 5/4 5/8 21/16 21/32 85/64 85/128 341/256 341/512 1365/1024
B 1 3/2 3/4 11/8 11/16 43/32 43/64 171/128 171/256 683/512 683/1024
割合でみると上の表のようになります。
ここで3072を素因数分解すると、3×1024ですから、分母が1024になるとき、奇数になるから10回目です。
(答え)10回目