普通部」カテゴリーアーカイブ

普通部の校庭

普通部の校庭はグラウンドのまわりに木がずっと並んでいます。

道をはさむと、竹藪がつながっており、グラウンドの方から見ると、山の中に学校があるようなイメージです。

したがって理科の問題で普通部のグラウンドにまつわる問題がたまに出題されます。今年の問題にもケヤキの問題が出ていましたが、平成19年にもそのような問題が出題されました。

以下はちょっと前ですが平成10年の理科の出題。

下の図1のように、東西方向に長い校庭があります。1月の朝早くまだ暗いうちに、この校庭の中央に出てみると、土の表面に白い粉をまいたようなものが見えました。周囲を見まわすと、Dの方向から月が昇ってくるのが見えました。そのうち空の一角が赤く色づいて見えるようになりました。急に明るさがまし、校庭にあるケヤキの木の影が長く伸びるようになりました。校庭の砂場のまわりには何種類かの動物の足跡が見られたので、下の図2のようにスケッチをしました。学校で飼っている動物が逃げだし砂場にフンをするというので、砂場を調べると、1cm大の丸い形をしたものが多数落ちていました。気がつくと風もないのに朝早く見られた土の上の白いものは消えていました。

1.このとき見られた月はどのような形ですか。およその形を下の図3の中に書きなさい。

2.赤く色づいたのはA~Dのどの方向の空ですか。 A~Dの記号で答えなさい。

3.日の出直後にケヤキの木の影はどの方向へ伸びますか。影の伸びる方向に線を引きなさい。(図4)

4.校庭の周囲はへいで囲まれていますが、冬になるとへいの下に土がたまってしまいます。どの方向のへいの下にもっとも土がたまりますか。A-Dの記号で答えなさい。また、その理由は何ですか。

5.朝早く校庭に見られた白いものは何ですか。

6.①、②は異なる鳥の足跡です。①、②の鳥の歩き方について説明しなさい。

7.校庭に来るカラスより小さな鳥で、①、②のように歩く鳥をそれぞれ1つ答えなさい。

8.③、④は同じ動物の足跡ですが、足の運び方が異なります。③、④の足の運び方になるのはどのようなときですか。

9.④~⑥の足跡を持つ動物を(ア)~(オ)の記号でそれぞれ答えなさい。

(ア) サル (イ)ネコ  (ウ)イヌ (エ) ヤギ (オ)ウサギ

10.砂場にフンをした動物名を答えなさい。


1  暗いうちから月がのぼるのですから二十七日月とわかります。まだでたばかりということになるので、上を向いています。

2 月がDの方向から出たのですから東がDです。したがって太陽の出る方向もDです。

3 1月ですから東南の方向から太陽が出ます。したがって、かげは北西の方向に出ます。

4 Aが南で、Cが北です。冬は北風が吹くのでAの塀の下に土がたまりやすくなります。

5 霜が降りていたと考えられます。

6 ①は足を交互に出しています。 ②は両足をそろえてはねるように飛んでいます。

7 ①のような歩き方は比較的身体の大きな鳥がします。カラスより小さいということで、ハトやカモなどが考えられます。足をそろえるのは身体の小さな鳥なのでスズメやモズなどがあります。
(答え) ①ハト ②スズメ

8 ③が間が飛んでいるので、走っていることがわかります。④は歩いています。

9 ④と⑤ではつめが出ているか、出ていないかという違いがあります。ネコはつめを隠すことができますが、犬は隠せないので④がイ ⑤がウ。 ⑥は両足をそろえてほぼ飛ぶようにしていることから、ウサギだとわかります。ヤギは足先が2つに割れます。サルは人間の足跡のように指先が比較的はっきりつきます。

10 1cm大の丸いフンですからウサギです。


こういう問題を見るにつけて、やはり単純にテキストや図鑑だけを見ていてもだめだなあ、と思います。この連休、模擬試験などで忙しいでしょうが、例えば紅葉を見に行き、少しでも植物や動物を見る機会があるといいですね。

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溶解度の問題
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動く歩道の問題

動く歩道は流水算に代わって出題されることが多くなりましたが、基本的には流水算と同じ考え方をすればよいのです。

2011年慶應普通部の問題


太郎君と次郎君の1歩あたりの歩幅の比は3:4で、太郎君が4歩歩く時間と次郎君が5歩歩く時間は同じです。

(1)太郎君と次郎君の速さの比を簡単な整数の比で表しなさい。

(2)太郎君と次郎君が、ある動く歩道の上を歩きました。太郎君は24歩で、次郎君は20歩でそれぞれ渡り切りました。

では、この動く歩道を太郎君が逆向きに歩くと何歩で渡り切りますか。


(1)の問題は、よく基本問題に出てくる問題ですが、少し表現が違う場合があるので、気を付けてください。
普通は
「太郎君が4歩歩く間に次郎君は5歩歩きます。」
というような表現が出てくるしょう。

この場合は歩幅の比が太郎君:次郎君=3:4
動きの比が太郎君:次郎君=4:5

したがって単純にかければよく速さの比=12:20=3:5

(答え)3:5

(2)太郎君は24歩、次郎君は20歩でわたりきっているのでかかった時間は
24÷4:20÷5=6:4=3:2です。

動く歩道の速さを【1】、太郎君の速さを(3)、次郎君の速さを(5)とすると
(【1】+(3))×3=(【1】+(5))×2

【3】+(9)=【2】+(10)より 【1】=(1)となります。

したがって動く歩道の距離は((1)+(3))×3=(12)

ですから、太郎君が逆にいくと

(12)÷((3)-(1))=6だけかかります。

つまり24歩かかる時間が3なのに対して6の時間がかかるのだから、24×2=48歩かかるということになります。

(答え)48歩

時間と歩数の関係を勘違いしないように気を付けてください。

「映像教材、これでわかる比と速さ」(田中貴)

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速さの問題
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調査書と調査書受領報告用はがき

慶應は3校とも、小学校からの調査書を出願に必要とします。

すでに、お手元に願書はあると思いますが、早めに小学校の先生と相談してください。慶應の出願はすべて郵送ですが、郵送締切が決まっていますので、そこまでに先生から受け取らなければいけません。しかし、先生も忙しいので段取りを取っておかないといけない。

できれば、早めに調査書と封筒を先生に渡して、受け取りの日にちも段取りをしておくと良いでしょう。

この調査書には校長公印が必要になりますから、正式な小学校から学校への報告書になります。したがって、小学校側で厳封して渡してもらうことになりますが、出願の間に家庭に戻るので、部数を偽って中をあけられても困る、ということで、慶應側から小学校側に受領報告用のはがきを送ります。

これも願書に入っていますが、したがってこのはがきのあて先は調査書を出した小学校ということになります。

調査書に何が書かれているか、心配する向きもあるかもしれませんが、厳封されたものは、そのまま出願校に出してください。お手元に残っているのは、少なくとも受領はがきがいかなければ小学校側にはわかります。

いったい調査書がどのくらいの比重を持つのかはわかりませんが、それで決められないから入学試験をやるわけです。

入試の準備に集中することの方が大事でしょう。

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衆院選は来春の入試に出るか?
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本を読む工夫
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フィールドノート

普通部ではレポートとフィールドノートが伝統的に課されています。

フィールドノートと言うのは、植物や動物などを観察してスケッチし、気が付いたことをまとめるというものですが、抜き打ち的に提出させられるので、ある意味多少の勘は必要になってくる。

「そろそろかなあ」

みたいな感じになってくると、それぞれまあ、そこそこのものは仕上げないといけなくなるわけで、したがって、スケッチという力はある程度身に付けておいた方が良いのです。

だからというわけでもないのでしょうが、たまに普通部の理科の問題にはスケッチが出題されます。

最近ではカイコの触覚というのがありました。一般的な入試問題で言えば、次のうちのどれですか?という問題が多いのですが、普通部の場合は「絵を描きなさい。」という出題になる。

だから、まあ、描きなれておくことは大事なことです。これは家でも工夫ができます。

例えばたまねぎ。縦に切ったらどういう断面になって、横に切ったらどういう断面になるか。

フィールドノートを書いてみると、単に見るよりはより観察力が加わってくるでしょう。知識の暗記も大事だが、こういう作業もぜひ対策として入れてみてください。

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「できた!」と思った時に点数が悪い理由
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寝る子
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次号は11月15日正午ごろ配信予定です。
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数の性質の問題

平成23年普通部の4番。


ある整数Nを2回かけてできた数をとします。たとえば
【2】=2×2=4です。

(1)B=【A】とするとき、【B】=81 でした。Aはいくつですか。

(2)B=【A】 とするとき、B+【B】=650 でした。Aはいくつですか。


よく問題を読まないとひっかかりそうですね。
(1)は9と思わず答えそうですが、それでは間違いになってしまいます。

【B】=81ですからB=9です。ところが9=B=【A】ですからA=3でないといけませんね。

(答え)3

(2)B+B×B=650 って二次方程式でしょう。

しかし、B×(1+B)だとわかれば、連続する整数の積、ということになります。

650=2×5×5×13=25×26

したがってB=25

A=5

ということになります。

整数を上手に扱うコツをつかんでおきましょう。だからといって、二次方程式を教えてしまわないように、注意してください。
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第55回 量を解いても、できるようにならない場合
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