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決める方法

2010年普通部社会の問題


ある35人のクラスでは、来週、校庭で球技をする予定なので、学級会で種目を一つに決めることにしました。提案された種目は、ドッジボール、ソフトボール、バレーボールでした。クラス全員の希望種目を投票用紙で採決してみると、それぞれ13票と12票と10票でした。採用する種目は(    )に達することを条件にしていました。しかし、どれもそれを満たしていなかったので、明日もう一度決め直すことにしました。

実は慶太君はバレーボールを強く希望していました。義男君はドッジボールかソフトボール希望でしたが、どちらかというとドッジボールがよかったのでドッジボールに投票しました。また、慶子さんはどれもよかったのですが、仲のよい友人がソフトボールにしたことがわかったので、やっとソフトボールに決めることができました。このように、各自の希望の強さはいろいろな状況にあったのです。

(1)(     )に当てはまることばを漢字で書きなさい。
(2)下線部のような状況で、各自の希望の強さを反映できる採決の方法として、最も適当と思う方法を一つ書きなさい。ただし、(    )の条件を満たす必要はありません。


入試問題は各校の教科でいろいろ議論がある中で決まっていきます。この問題は、単に社会の知識を知っているということではなく、それをどう活かすかというところに視点を持っているのだろうと思いますが、答えに関してもまたいろいろ議論があるだろうと思います。

(1)は過半数で、これは問題がないでしょう。

(2)は一番考えなければならないのは、それぞれが持つ希望の強さです。それを投票でどうやって表現すればいいかという工夫になるわけです。

ひとつの考え方として優先順位をつける、という方法があるでしょう。種目は3つですから、1位が何、2位が何、3位が何、という投票の仕方をします。そして、1位の点は3点、2位は2点、3位は1点というように点数化することで、それを合計して希望の強さを表現する方法が考えられるでしょう。

採点のポイントとしては、希望の強弱を表す方法、ということにどういうアイデアがあるかということなので、その強弱の表し方が加わっていれば得点になったのではないかと思います。

ただ、この入試問題を最初に読んだ時に、子どもたちが驚かなければいいなあ、と思いました。こういう問題は当然、前例がないわけで、だからこそ、そこから考える着想力が試されるわけですから、「これはおもしろい」と思って解ける心構えを持っていてほしいと思います。

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第63回 小学校の先生との関係
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地図を描く

普通部ではフィールドノートといって、生物や植物を観察しながらスケッチを描き、気がついたことをまとめる作業が課題として課せられます。

ある日、日吉の町を歩いていたら、普通部生が何人かずつグループになって何か調べ物をしているようでした。どうも地図を作っているようで、調べて記録をしていたようです。

こういう作業を、普通部はよくさせます。だからというわけでもないのでしょうが、やはりそういう作業の素養を見るような問題が出題されることがあります。最近はデジタルで地図を加工できるようになったので、国土地理院の2万5千分の1の地図を使った出題がいろいろな学校で目立つようになりました。ただ、元となる地図を作る作業とういうのも案外大事なのです。

とはいっても、なかなかそんな練習をするタイミングはないでしょう。そこで、自宅から最寄の駅までの地図を描かせてみてください。そうすると、子どもの素養がわかるでしょう。

勉強しなければいけないことがたくさんあるので、なかなか時間がないとは思うのですが、やはり出そうなところはやっておいた方がよい。先日のコンパスの話ではないですが、ちょっとやっておくだけで安心できることがあるものです。

私はよく冬期講習で、いろいろなスケッチの練習をさせました。たとえば稲の花とか、カイコの頭とか。なんとなく見て知っているとはいっても、実はなかなか描けないことは多いのです。全部を描けるようにするのは困難です。でも、いくつかやっておくと、気持ちの準備はできるので、本番であわてずに取り組めるでしょう。

要は入試のときにどんな問題が出てもあわてなければよいのです。ちょっと、やっておきましょう。

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オーストラリアから月を見ると
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学校に問い合わせて問題はなし
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分度器とコンパスと定規

慶應3校の試験の道具を比べてみると、分度器とコンパスと定規の扱いが違います。

普通部 定規(20cm以内、三角定規可)、分度器、コンパス
中等部 下敷、定規、分度器、コンパスは不要です。
湘南  下敷、定規、分度器、コンパスを使用してはいけません。

つまり、普通部だけこれらの道具を使った作図の問題が出題される可能性がある、ということです。定規はグラフを書くときに使うかもしれないから、あって便利でしょうし、実際に地図を描かせてみたりしているので、これは多少使い方を練習しておいた方が良いでしょう。

中等部、湘南はいりません。つまり図やグラフの問題はあるかもしれないが、少なくとも、これらは使わない、ということです。だから練習もいらない。

そろそろ、冬期講習が近づいてきましたから、このころからは、もう試験に持っていく道具で勉強してください。

定規にしても、コンパスや分度器にしても、試験で使うものを用意する。そして、使い慣れることが大事です。コンパスなんて、持って行って初めて使う、なんてことにならないように、多少、練習をしておく。本当は円をフリーハンドで書いた方が早いのだろうが、一応練習しておきましょう。

私もたまに、算数で角の二等分線を書かせていたり、グラフを作らせてみたりしました。

結構、みんな下手ですよ。

正三角形ぐらいは、さらー、っと描けるようになってほしいと思います。

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立体の問題
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計算練習と一行問題
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家庭科?

平成10年、普通部にこんな問題が理科で出ました。


下の(1)~(3)は汚れを落とす方法を示したものです。汚れ落としの方法が同じ仕組みのものをA群から1つ選び、さらにその汚れ落としの方法を使うのがよいものをB群から1つ選んでそれぞれ記号で答えなさい。

(1) 洗剤をふくませたティッシュペーパーをあてておく。
(2) 金ダワシでゴシゴシこする。
(3) 太陽によくさらす。

A群(ア)ていねいに水洗いをする。 (イ)粉末洗剤を使う。 (ウ) 固形洗剤を使う。(エ)スプレーを使って泡状にふりかける。 (オ)スプレーを使って液状にふりかける。(カ)クレンザーを使う。  (キ)ラップをかけて電子レンジを使う。

B群(ア)黄ばんで臭いのする台布きん (イ)ソースのついたガラス皿 (ウ)汚れのこびりついた中華なべ (エ)日にやけて色あせたふすま (オ)油とごみでべトべトの換気扇


実はこの年、例えばトイレ用の洗剤は何性で、食器用の洗剤は何性か、というような問題も出ていたのです。家庭科? でもお手伝いも大事だし、日ごろからの観察力も問われているわけですが、こういう問題を見ると、やはり対策したくなりますねえ。

大掃除も近いでしょうから、手伝ってもらいながら、洗剤のことも調べてみましょうか。

(答え)
(1)エエ  (2)カウ  (3)キア

子どもを慶應義塾諸学校に入れる
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セットと単科
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先生の異動
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会って、話してから採りたい

普通部の1日の試験は、長いです。

集合時間は午前8時10分。

4教科の試験があって、昼食を持参して食べます。 それから体育実技の試験と面接。

(ちなみに運動靴を最初から履いてくるように指示が出ていますので、注意してください。)

で終わるのが、早い組でだいたい14時50分、遅いと15時40分。その間7時間半というタフな試験です。とはいえ、午後は結構待ち時間が長い。昨年度は学校発表で555名の受験生がいたわけですから、5人1組として111組の面接。

1組5分やったとして、のべ555分。ということは2時間から2時間30分で考えると4つか5つの試験室で行われるということになるわけで、したがって当然長い時間待つわけです。だから持ち物に本を持ってきて良い、と書かれています。

以前は普通部も中等部や湘南と同じように二次試験があったわけですが、今は1日の試験だけで決める。だから、全員に面接をすることになるわけです。なぜ、面接にこだわるのか。これは慶應諸学校全体に言えることですが、入学させる生徒には「会って話してから採りたい」という考えがあります。

だから、二次試験を止めても面接や体育実技をやめることはしなかったし、これからもきっと続くでしょう。

たまたま、外で待っていたら、二次試験の声が聞こえてきたことがあって、「ありがとうございました!」と大きな声であいさつする子もいれば、黙って退席していく子もいました。

まあ、何がどういう判断になっているか、ということは別にして、コミュニケーションに事欠く、と感じられてはいけないので、一応練習はしておきましょう。

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中学進学後、なぜ凧の糸は切れるのか?
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