入試問題解説」カテゴリーアーカイブ

生物に関する問題

2022年 慶應中等部の問題です。

次のAとBの会話文を読み、あとの問いに答えなさい。
  A:  はじめまして。
  B:  やあ、君はまだ生まれて間もないね。
  A:  そうなんだ。卵のときから水の中にいて、( ア )した卵からは10曰くらいして出てくることができたよ。
  B:  食事はどうしているんだい?
  A:  生まれてすぐはお腹のところにふくらみがあり、その中には( イ )が入っているので。
      2~3日は何も食べなくても大丈夫なんだ。でも、今はミジンコや藻とかを食べているよ。
  B:  ところで君は一人?
  A:  いや、群れで生活しているよ。
  B:  みんなと一緒だと、敵から身を守りやすいよね。ふと気になったけど、君の目はずいぷんと顔の高い位置にあるね。
  A:  よく気がついたね。それがAという名前の由来になっているんだよ。
  B:  知らなかったな。あれ! 君、ケガしてない?背びれが切れちゃってるよ。
  A:  これはケガじゃないよ。生まれつき切れているのと切れていないのがいるよ。
  B:  そうなんだ。安心したよ。
  A:  そういえば君はずっと水面の上に立っているんだね。すごいなあ。どうして立っていられるの?
  B:  それはね、からだが軽いのと( ウ )
  A:  すごいな!
  B:  それにしても、君たちの群れには久しぶりに会ったな。
  A:  実は、段々と仲間が減ってきていてね。
  B:  僕らもだよ。同じように日本にいる絶滅しそうな生き物は( エ )など、いろいろいるみたいだよ。お互いがんばろうな!
  A:  うん、またね。

(1)(ア)と(イ)に入る言葉を漢字2文字で書きなさい。

(2)Aの生物名は何ですか。カタカナで書きなさい。

(3)Aはオスかメスか、次の番号で答えなさい。
    1 オス     2 メス

(4)Bの生物名は何ですか。次の中から選び、番号で答えなさい。
    1 アメンボ    2 イモリ    3 カゲロウ
    4 カルガモ    5 ギンヤンマ  6 ゲンゴロウ

(5)(ウ)にあてはまるセリフを次の中から選び、番号で答えなさい。
  1 あしの先に空気を入れる浮き輪みたいなものがついているからさ。
  2 あしの先に油のついた細かい毛が生えているからさ。
  3 あしを素早く動かしているからさ。
  4 あしの先が広がっている形をしているからさ。

(6)(エ)にあてはまらない生き物を次の中から選び、番号で答えなさい。
  1 イリオモテヤマネコ    2 ニホンジカ    3 タガメ
  4 オオサンショウウオ    5 ライチョウ

【解説と解答】
(1)Aはメダカです。受精して10日ぐらいした後卵から出てきます。最初のうちは卵にある養分を使って生きています。
(答え)ア 受精 イ 養分
(2)背に切れ込みがある、目が高いなどから絞り込むことができるでしょう。
(答え)メダカ
(3)背びれに切り込みがあるのはオス、
(答え)1
(4)水面に立っているのでアメンボ。
(答え)1
(5)アメンボの足には油のついた細かい毛が生えています。
(答え)2
(6)二ホンジカは絶滅危惧種ではありません。
(答え)2

数の性質に関する問題

慶應中等部の問題です。

次の(   )にあてはまる数を答えなさい。

(1)5+6=11,5+6+6=17のように、5と6をいくつかずつ加えて整数をつくります。また、5+5=10,6+6=12のように、5または6のどちらか一方の数のみを加えてもよいこととします。このとき、つくることができない最大の整数は(   )です。

(2)11+13=24のように、11と13をいくつかずつ加えて整数をつくります。 11も13も必ず1つは加えるとき、つくることができない最大の整数は(   )です。

【解説と解答】

(1)
10以上でできない数を考えていきます。
13、14で15、16、17、18はできて、19ができません。その後
20、21、22、23、24と5つ連続してできたので、あとは5を加えればよいので、最大は19です。
(答え)19
(2)
11と13ですが、どちらも1つは使わなければなりません。
そうすると11×13=143は作れないことになりますが、
144=11×6+13×6
145=11×12+13×1
146=11×5+13×7
147=11×11+13×2
のように2つおきに11を1つ減らして13を1つふやせば作れるので、最大は143になります。
(答え)143

条件を整理する問題

慶應中等部の問題です。

右の図の9つのマスに数を1つずつ入れて、縦、横、斜めに並んだ3つの数の和がすべて等しくなるようにします。このとき、Aのマスにはいる数を求めなさい。

【解説と解答】

アは28+76-4=100
3つの和は104+Aですからイ=A―24
ウは104-4+24=124
エは76-24=52だから104-52=52
オ=A―48だから
A+A-24+A-48=A+104
A+A=176 A=88
(答え)88

平面図形の問題

慶應中等部の問題です。

図のように、2つの正方形を組み合わせました。辺EHの長さが8cmで、辺AHと辺AEの長さの差が2cmであるとき、三角形AEHの面積を求めなさい。

【解説と解答】

図のように切ります。

中央にできた正方形の1辺の長さはAEとAHの差になるので、2cmです。
したがって☆4つ+2×2=8×8=64
(64-4)÷4=15cm2
(答え)15cm2

交通の発展に関する問題

2022年 慶應中等部の問題です。

江戸時代から現在までの交通の発展について述べた次の文章を読み、各問に答えなさい。

 江戸時代にな’ると、徳川家康は、それまでに形作られていた街道網を生かして、五街道と、そこから遠方へと続く脇街道の整備に取りかかりました。街道沿いには( あ )を認定し、旅人達が泊まれるようにしました。また、旅人達の目印となるよう、距離を示す( い )が作られた他、道沿いには松や杉の並木が植えられました。当時の人々の移動手段で最も多かったのが徒歩で、他には馬や( う )が使われました(ア)江戸の防衛のために各所に関所を設けた他、東海道では、主要河川には橋を架けず、船または徒歩で渡るようにしていました。
 明治になると、近代化を推し進めるため、政府は民間の力も併せて、鉄道を整備していきました。関東地方ではヽ特に(イ)埼玉・群馬・栃木の北関東地方と、東京および横浜を結ぶ路線の建設に力を注ぎ、早期に開通させました。こうして、これまで船に頼っていた大量の物資の輸送が、陸の土でも行えるようになりました。また、都市内部での人々の移動手段として、多くの大都市で( え )が次々に普及しました。一方、日本には古代から明治に至るまで、( お )の文化がなかったことから、道路の整備は、鉄道に比べあまり進みませんでした。
 太平洋戦争の終結後、戦後の復興と発展のため、新たに大規模な交通政策がほどこされるようになりました。特に、1950年代以降、それまで少なかった( か )が急速に普及し始めたため、遅れがちだった道路の整備が進みました。国道を皮切りに道路の舗装が急ピッチで進められた他、1960年代には(ウ)高速道路の建設も始まりました。こうした流れの中で、これまで大都市内部の中心的な移動手段であった( え )は、交通渋滞を引き起こす原因になることなどから次第に姿を消し、代わって( き )が建設されることが多くなりました。
1964年には、東海道新幹線が完成し、その後昭和から平成にかけて、全国に新幹線のネットワークが広かっていきました。

問1 ( あ )~( き )に当てはまるものを選びなさい。
1 一里塚   2 かご   3 自動車    4 宿場     5 人力車
6 地下鉄   7 馬車   8 路面電車   9 路線バス

問2 下線(ア)について、江戸の防衛のために、武器を江戸に持ち込ませないことや、江戸に住まわせている大名の夫人たちを勝手に領国に帰らせないようにするための、関所の役割を表した言葉に、
「( A )に( B )」
というものがあります。( A )・( B )のそれぞれに当てはまる言葉を答えなさい。

問3 下線(イ)について、政府が北関東地方(特に群馬県)と東京・横浜を結ぶ鉄道を他の路線に優先して建設した理由を、20字以上50字以下で説明しなさい。

問4 下線(ウ)について、関東地方では、まず東京と地方を結ぶ高速道路が東京を中心に放射状に建設され、続いてこれらの高速道路どうしをその途中から環状に結ぶ高速道路が建設されました(下の図を参照)。このとき、環状高速道路が建設されたことによって東京の都心部の環境が得る利点を、20字以上50字以下で説明しなさい。

【解説と解答】
問1 街道の整備とともに宿場の整備が進みました。途中街道で距離を示したのは一里塚です。道中、馬やかごが使えるようにして、旅がしやすい工夫もなされました。明治に入り大きな都市では路面電車が使われるようになりましたが、馬車の文化がなかったので道路の整備が進みませんでした。太平洋戦争後、自動車の普及に伴い道路整備が必要となり、高速道路も普及しました。一方で路面電車は渋滞の原因とされ、地下鉄へと置き換わっていきます。
(答え) (あ) 4  (い) 1   (う) 2  (え) 8 (お) 7   (か) 3   (き) 6
問2 入り鉄砲は江戸に武器が入ることを、出女は参勤交代制度で人質となっている大名の妻などが江戸を離れることを指します。
(答え) (A) 入鉄砲  (B) 出女
問3 北関東は生糸の生産地です。消費・輸出の中心である東京・横浜を短時間で結ぼうとしました。
(答え)生糸の主要な生産地である北関東と,消費・輸出の中心である東京・横浜とを短時間で結ぼうとしたから。(48字)
問4 都心部に入らずにすむことで、騒音や排気ガス、交通渋滞などの問題を減らすことができます。
(答え)環状道路を利用することで都心部に入る自動車の数が減り,騒音や排気ガスや渋滞が減ること。(43字)