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半島に関する問題

2022年慶應普通部の出題です。

日本のいくつかの半島とその周辺地域について説明した次のA~Eを読んで,あとの問いに答えなさい。

A.この半島の西側の海域に造られた人工島には、「セントレア」という愛称の国際空港がある。政令指定都市である( あ )市の中心部から、電車を利用した場合、最短28分で到着できる。
B.この半島の南西側に広がる平野では、果物の栽培が盛んで,①その果物は海外にも輸出されている。
平野の南部に位置する市は、江戸時代に造られた天守が現存する城下町としで知られている。
C.この半島の北部に位置する( い )市は、伝統工芸品に指定されている漆器の産地として有名である。この市は、江戸時代から明治時代にかけて、(   )の寄港地として発達した。
D.この半島の南側に位置する市は、源泉数と湧出量がともに国内最多である温泉観光地として知られている。「コロナ禍」以前には,国内だけでなく、②海外から訪れる観光客も多かった。

E.この半島の北部に位置する( う )市は、古くから信仰を集める神社の門前町として繁栄してきた。特徴的な海岸が続く半島の南側にある島では、2016年に③重要な国際会議が開催された。

1.下のア~オは、A~Eのいずれかの半島を描いた地図です。地図中の・は、各半島がある府県の府県庁所在地を示しています。地図の縮尺はすべて同じですが向き(方位)は上が北ではありません。A~Eに当たる地図をア~オからそれぞれ選んで記号で答えなさい。また、各半島の名前をそれぞれ書きなさい。

2.( あ )~( う )に当てはまる地名をそれぞれ漢字で書きなさい。
3.(   )に当てはまることばを漢字で書きなさい。
4.下線部①について、全体の7割以上は台湾に輸出されています。台湾はこの果物をおもに日本、アメリカ、チリ、ニュージーランドから輸入しています。下の表は、この4か国からの輸入の状況についてまとめたものです。ア~エから日本を選んで記号で答えなさい。

5.下線部②について,2019年にDの半島がある県を訪れた観光客が最も多かった国を、次のア~エから選んで記号で答えなさい.
ア. タイ イ. シンガポール ウ. 中国 エ. 韓国
6.下線部③として正しいものを,次のア~エから選んで記号で答えなさい。
ア.COP22   イ.G7サミット   ウ.APEC首脳会議   エ.IOC総会

【解説と解答】
1.
Aはセントレアから知多半島とわかるでしょう。地図は
Bは津軽半島。江戸時代から天守が現存するのは弘前城。
Cは能登半島。漆器の町は輪島。
Dは国東半島。温泉地は別府市。
Eは志摩半島。古くから信仰を集める神社とは伊勢神宮。
・のあるところが陸ですから、そこに注意して判断していきましょう。
(答え)A オ 知多半島 B ウ 津軽半島 C エ 能登半島 D イ 国東半島 E ア 志摩半島
2.
( あ )は名古屋市。( い )は輪島市。 ( う )は伊勢市。
(答え)あ 名古屋 い 輪島 う 伊勢
3.北前船の寄港地です。
(答え)北前船
4.平均の輸入価格が高いこと。収穫期が秋冬であることに注目します。イがチリ、ウがニュージーランド、エがアメリカ。
(答え)ア
5.別府市ですから、九州なので、韓国からの旅行者が多くなっています。
(答え)エ
6.2016年に開催されたのは伊勢サミットでした。
(答え)イ

中等部の理科

中等部の理科は選択型でした。

ここ数年、国語や社会では選択型の問題以外の問題を出そうという試みが続いていますが、理科は一貫して選択型一本だったものの、ここにきて、一応何問か、用語解答をするようになりました。

中等部の答案は左と右に分かれます。

理科はこれまでは左だけで済んでいましたが、ここ数年右側も必要になってきました。

とはいえ、やはり選択型がほとんどを占めます。

形式はそうなのですが、内容は毎年工夫が凝らされています。

実験の問題を出すこともあれば、植物の割と細かい問題を出すこともあります。ただ、これは慶應全体に言えることですが、あまり難しい計算問題を出すよりはやはり生物や地学のような実際に観察をして考える問題を出題することが多いようです。

中等部の問題は25分で50点満点ですが、問題数が案外多く、スピーディーに解いて行かなければいけないところがあります。実験の問題のときなどは説明の文章が長くなってくるので、当然25分間でやるのはなかなか大変です。

で、50点満点で多くの受験生が7割は最低とってくるような感じなので、このラインは絶対に崩さないようにしておく必要があります。特に生物、地学の問題については知識をしっかり覚えてください。

生物といえば普通部、と思われますが、しかし中等部も割と生物の出題は凝っていると思います。

中等部の国語

中等部の国語は普通部や湘南に比べ、明確な特徴があります。

語彙やことば、漢字、文学史などいわゆる知識問題が多いことです。これはある意味、これからの対策で結構得点を伸ばせる部分でもあります。

特に漢字に関してはここのところコンスタントに20題出てきているので、結構大きな配点になります。したがって点数を取る工夫をしていかなければなりません。

ただ、中等部の知識や漢字はいわゆる暗記テキストにはあまり載っていません。

実際に過去問をやってみると、結構難しい書き取りがあるし、これらの書き取りはまず塾の暗記テキストには載っていないでしょう。

では何を見ればいいのか?

傾向はここのところ大きく2つあります。

1つは新聞記事から問題を作っているようなイメージの問題。

大統領のソッキン

コンメイの度を深める

オウネンの名選手

などはその例でしょう。

もうひとつがことわざや故事成語

論語の「利を見て義を思う」

果報は寝て待て

悪銭身につかず

などはその例です。

したがってこの2つのことを想定しながら漢字の練習をしていけばいいのです。

故事成語は漢字だけではなく、単独のことばの問題としても出るので、少しまとめて勉強をした方が良いでしょう。

これらは言葉の問題として独立して出題されるだけでなく、長文の問題でも熟語や漢字の問題は良く出題され、これは普通部や湘南と明らかに違う出題傾向になります。

なかなか当てるというところまで行かない部分があるかもしれませんが、新聞をよく読む、故事成語を勉強するという2点で対応ができる部分があるので、これはぜひやっておきましょう。

中等部の算数

中等部の算数は答える形式が独特です。

例えば135が答えだとするとアイウと3つの解答欄があるのでアに1イに3ウに5と書きこむようになっています。つまりある程度答えの形式はわかる。自分の答えが4ケタなのに、解答欄が3つしかないとすれば、これは自分の答えがおかしい。

つまり、そういうチェックが自動にできるところがあるので、子どもたちのミスの発生率は他の形に比べれば少なくなります。したがって、結構得点は伸びやすい。

ここ数年、多少差がつかないというところがあったのか、今まですべての問題が比較的やさしい問題であったのが、多少難しい問題も顔を出すようになりました。6番あたりにそういう問題がある。

しかし、それ以上に他のやさしい問題を落とさないことが大事。難しい問題は正解率が高くないが、やさしい問題は正解率が高い。ということはミスを起こすと差をつけられてしまうことになります。

中等部の対策はまさにここです。

つまり、標準的な問題をミスなく解き上げる、ということ。これに尽きます。

この練習は過去問が良いと思います。過去10年分はもちろん、もう少し後ろの年度もやってもいいかもしれない。標準的な問題というのはパターンが変わらない。変わらないから多少問題が古くても充分勉強になります。

最初は時間を計らなくてもかまわないが、ミスは起こさないように解き上げることが大事。あわてて時間内におさめてもミスだらけになることが多い。まず確実に解き上げるようにすることが優先です。そしてそれが速くなっていけば、やがて制限時間内におさまっていく。それができるようになったら、次に6番以降のやや難しい問題も半分ぐらいはできて、全体として8割にもっていけるように練習することです。

中等部は300点満点で、理科社会の問題数も多い。したがって算数の1問5点というのは総点としてかなり影響が大きい。1問間違えると社会3問とか4問に匹敵するからやはりミスしないに越したことはない。

難しい問題よりも、ていねいさ、ここに力をいれていきましょう。

なお、出題分野は大問7題から8題あるので、ほぼ全分野にわたっています。したがって分野の中で不得意なものは作らないことも大事。速さが得意でないなら、速さを、平面図形が苦手なら先に平面図形を集中して勉強して、穴をなくすようにしていきましょう。

比と割合に関する問題

2022年 慶應普通部の問題です。

A、B、C、Dの4人がそれぞれお金を持っています。4人の所持金の合計は9000円で、Aの所持金はBより多く、Cの所持金はDより多いです。AとBの所持金の差とCとDの所持金の差の比は5:3で、AとDの所持金の和とBとCの所持金の和の比は8:7です。
(1)AとDの所持金の和は、BとCの所持金の和よりいくら多いですか。
(2)AとCの所持金の和を求めなさい。

【解説と解答】
(1)
A+D:B+C=8:7
A-B:C-D=5:3
A+B+C+D=9000円ですから、A+D=9000÷(8+7)×8=4800円
B+C=9000-4800=4200円 4800-4200=600円
(答え)600円
(2)
A-B=(5)C-D=(3)
D=【1】とすると、C=【1】+(3)
A=4800―【1】、B=4800-【1】-(5)
B+C=4800-【1】-(5)+ 【1】+(3)=4800-(2)=4200円
より600円=(2) (1)=300円
A+C=4800+300×3=5700円

(答え)5700円

普通部の3番。簡単そうでいて、ちょっとそうでもないところがある感じです。引っかかると焦りを生んでしまうかもしれません。