中学受験」カテゴリーアーカイブ

式を書く目的

普通部は算数の式を解答用紙に書くように指示されますが、中等部と湘南は答えだけを書くことになります。

したがって中等部と湘南の場合、式を書かなくても良いように思えますが、やはり余白にしっかり式を書いていくように練習してもらいます。

慶應の算数は、標準的な問題を数多く並べる形式で、平均して小問が20問用意されます。
したがってそのひとつひとつは概ね2分程度で解いていかないといけない。

で、ミスがでればそれだけ差をつけられることになるので、合格するためにはミスを徹底的に防がなければなりません。

そのために式を書く必要がある。

自分が今何をやっているか、何を出しているのかを確認し、問題文も良く読んで極力ミスを減らしていく解き方をマスターしてください。


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湘南の理科

試験時間25分 満点50点ですが、例年大問4題程度。小問にすると20問ぐらいなので、1問1分程度で答えていかなければならず、やはり忙しいテストということがいえるでしょう。

頻出する範囲としては植物、水溶液、水の3態、天体など全体として生物、地学、化学、物理からそれぞれ1題というイメージで出題されています。

2020年は
1 川の流れに関する問題。小問6題。20字以内の記述が1題。(写真を撮るときの工夫)
2 ブランコとシーソーに関する問題。小問5題。記述なし。
3 食物連鎖に関する問題。小問6問。記述なし。
4 水溶液に関する小問4題。記述1題。
という出題になりました。

実験や観察の考察をする問題が多く、そこから読み取れることを知識を使いながら答える、という形式の問題になっています。特に基本的な原理を自分の文章で説明するなど、記述の問題も含まれていますので、相当テンポよく解いていかないと間に合いません。実験道具に対する知識は必要です。全体として問題内容は平易ですが、生物や地学はそれなりに細かい知識も必要ですから、しっかり整理しておく必要があります。ただ出てくる生物は、聞いたことがあるものばかりです。

実験問題では、説明の文章が比較的長く、また複雑な場合もあります。したがって落ち着いて条件などを読み落とさないよう、注意してください。

過去問をしっかり練習するほか、普通部、中等部の問題もやっておくと良いでしょう。似たような問題が出題されていることがあります。


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中等部の社会

試験時間は25分。満点50点。
大問5題~6題。小問60程度なので1問1分未満という忙しいテストになります。

出題は地理、歴史、公民、現代社会の4つのテーマが各1問ずつ。地理については、他校で減少しつつある、各地方の特質に関する問題が出題され、地図問題も多くなっています。

地理の知識については必ず地図上でその位置を確認しておくことが重要です。記号式の解答がかなりの割合を占めます。

受験者が多いテストであるため、採点の手間を簡略化しているからですが、最近は地図に位置を示す記号を書き込んだり、記述で答えを書いたりする形式の問題も増えています。

問題の形式は単問形式が多く、時事的な内容も含まれていて、案外細かくなっています。

また世界地理や時事問題の出題も目立ち、また「学問のすすめ」に関する出題など福沢諭吉に関する知識はしっかり整理しておきましょう。

似たような問題が続けて出題されることが考えられる学校なので、過去の出題についてしっかり勉強しておきましょう。

地理について、鉄道や道路などの知識も不可欠です。問題文を読みながら地図を思い浮かべられるように練習してください。


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中等部の理科

算国配点の半分、50点満点の出題。試験時間は25分。大問は5問ないし6問。小問は40問程度になるので、かなり忙しい問題といえます。

大問が5題程度なので、一応、物理、化学、生物、地学の4分野が万遍なく出題されています。2012年は1番が月、2番が温度、3番が電気、4番が水溶液、5番が生物となっていました。頻出する範囲としては植物、水溶液、力のつりあい、天体、電気などです。

すべてが記号選択式です。近年社会や国語では記号式だけでない問題を出題しようという流れになっているようですが、理科は記号選択ばかりになっています。

あまり細かな知識は必要ありませんが、理科全般の基本的な知識はきっちり覚えておく必要があります。

全体的に実験、観察、観測問題が多く、その結果を問う問題が出題されているので、実験問題に対する練習は必要です。

同様に生物や、気象や天体の動き、地学範囲も与えられたデータや観察、実験から特徴を読み取るなどの問題が出ているので、類題を練習しておきましょう。また化学などの実験装置については、しっかりとした基礎知識が必要です。

生物では普通部とは違い、身近な良く見る植物が出題されています。水溶液は出題頻度が多いので整理しておきましょう。


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中等部の国語

試験時間45分 満点100点。

これまで漢字の書き取り以外はすべて用語記入、選択記号式となっていましたが、最近、少し変化が表れてきました。
中等部は算数のときにもお話しましたが、受験生が多かったので、なるべく大人数で一気に採点できる出題形式になっていました。したがって採点官によって差がでないように、客観的な答え以外は書かせなかったのです。
全体の傾向としてそれは変わりません。これは解答用紙を見てみるとよくわかります。

左側に記号式、右側に漢字と一部記述の問題の解答欄となっています。

まず左側は一気に採点してしまい、右側は担当教官をしぼって採点する、というようなやり方になっていると思われます。

多少、受験人員が減少してきましたので、その余裕が出たのかなと想像しています。ですから、川柳を書かせてみたり、記述で答えを書かせてみたり、という問題が出てくるようになったのでしょう。ただ、解答用紙が飛んでいますので、答えを書く欄については注意が必要です。

さて内容ですが、文章読解については物語文と説明文2題というパターンが多いのですが、年度によっては一問のみで後はすべて知識問題になるときもあります。中等部は知識に関する出題が多く、語彙や漢字の読み、書き、あるいは同音、同訓異字などが出題されます。これは、読解問題を選択肢で作る場合、どうしても形が決まってくるし、子どもたちの力をある方向からしか見れないという欠点があるので、語彙や文芸・演劇に対する造詣などについても尋ねられるような問題をつくろうという工夫が見られます。他校では少ない文学史や俳句、短歌の問題も出題されるので対策が必要です。

選択肢については、やはり明確に根拠を文章中に求めていく練習をしましょう。非常に紛らわしい選択肢を配していますから、「本文には書いてない」などの論拠をしっかり見つけていく必要があります。

中等部の漢字の書き取りは他の2校に比べて難しく、現在の中学受験生に求めるレベルとしてはなかなか高いでしょう。例えば十干十二支などという問題が出ていますので、充分練習を積んでください。また、漢字の読み、書きはもちろんのこと、部首、ことわざ、慣用句などの幅広い知識が必要ですし、日本語化した外来語についても、過去に出題がありました。中等部の過去問については10年以上さかのぼっても参考になるでしょう。


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第425回 合理的に進めよう


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相対的な位置を気にするよりも


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中等部の算数

試験時間45分 満点は100点。 出題は7題~9題。小問数20問程度の出題です。

中等部は受験人員が多いため、機械的に採点できるように解答形式が独特になっています。例えば3分の1という分数も分母ア 分子イとしてア イの数字で答えることになっているので、答えが出た後、その形式に合わせて解答用紙に記入することが求められます。これがミスを起こしやすい部分があるので、練習しておいた方が良いでしょう。

途中経過は一切関係ありません。したがって部分点採点は一切ありませんので、ていねいに解答する必要があります。

計算問題は例年2題。小問20問程度で45分ですから1問あたり2分から3分。かなり忙しい試験と言えます。

問題は全体的に平易。基本的な出題が多くなっていますが、近年6番前後から多少問題の難度を上げて、上位者の中でも差がつくように工夫しています。前半が平易な問題である分、ここでミスをするとなかなか厳しい。やさしい問題だからといって油断せず、確実に正答を出すことが求められています。

頻出する範囲としては比と割合、規則性、数の性質、グラフ、速さ、図形、場合の数。出題範囲に偏りはなく、幅広く出題されています。短時間で確実に得点を積み重ねる力が必要でしょう。

男子御三家の出題と対局にあり、問題数を多くして差が開くように工夫しています。したがって問題は平易であるが、計算は比較的面倒で、それなりに計算力は必要です。

過去問を練習するとともに、スピーディーに正確に解くという練習をしていきましょう。ただ、いたずらにあわててしまうとミスが多くなります。中等部は小さなミスが大きな差につながりやすいので、とにかくていねいに解き上げる練習を地道に続けてください。


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じっくり考える


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距離感


6年生の教室から
全部書くのも悪い方法ではない





普通部の国語

試験時間40分で、大問3問が例年の形でしょう。読解大問2題。知識1題。知識はほぼ漢字の書き取りに限られるといっても良いかもしれません。文章の長さによっては3題目の問題を用意する場合があります。

2016年の問題は、詩が出題されたために、読解問題が3題になりましたが、一般には読解は物語文1題。説明文1題、という形になります。多くの学校で物語的要素の文章と論説文的要素の文章が2題出題される傾向にあり、普通部もそのパターンになります。

小問は10題程度。20字~50字程度の記述問題が数問含まれますが、中心は選択問題、書き抜き。

記述は決して長くはないので、ポイントを押さえ、端的に答える工夫が必要です。

また選択問題は、選択肢について紛らわしいものがかなりあり、本文の内容と照らし合わせて根拠を見つけることが必要でしょう。

漢字の書き取りの難度はそれほど細かな出題ではありません。多くの塾の漢字テキストで「頻出範囲」の問題だと言ってもいいと思います。

全体として答えの形が決まっている問題、つまり適語選択や選択肢、書き抜きが多いため、取り組みやすい問題と言えるでしょう。


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ここからが腕の見せ所


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6年生の教室から
過去問を早くスタートすべき理由





配点と適性

普通部、中等部、湘南と3校とも4教科入試ですが、配点が違います。

普通部は算数、国語40分、理科、社会30分で各教科100点満点の400点満点。
中等部と湘南は算数、国語45分、理科、社会25分で算数と国語が100点、理科と社会が50点の300点満点。

ですから、中等部と湘南の理科社会は問題が多いわりにはひとつの点数の配点が低い。したがって算数と国語で差が出てしまうと、理科、社会では追いつけないところがあるわけですが、普通部は算数と国語でついた差を理科、社会で取り返すことができる可能性があります。

したがって4教科のバランスが良い子は普通部に適性があり、算数や国語がぬきんでてできている子は中等部、湘南に適性があるといえます。

なるべく教科のバランスはとれていた方が良いのですが、しかし、実際には子どもによって特徴が出てくる場合もあrます。その場合、やはりその傾向にしたがっていくのは悪い選択とは言えない。

男子は3校狙いが厳しい状況にあるので、科目適性を考えて学校を選ぶ、という手もあるでしょう。


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第423回 塾の管轄は経済産業省


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6年生の教室から
解説をじっくり読む





多くの問題を処理する力

慶應の算数は、同じレベルの偏差値の学校に比べると1問1問の難度はそれほど高くはないでしょう。

しかし、一方で問題数はなかなかの問題になる。普通部で40分で9題程度。中等部は45分で同じく8題から9題。小問の数で考えると、20~25問。1問について言えば、2分前後で答えないといけない、ということになるから、これは忙しい。

で、そうなると急ぐわけですが、急ぐから問題を読み飛ばす。

明らかに出題者はここでミスを起こすだろう、という想定で問題を出しているところがあります。

まあ、あまりにやさしいと本当に差がつかなくなるから、当たり前といえば当たり前ですが。

だから、やさしいからといって入試がやさしくはならない。確実に高得点をとらないといけないからです。

偏差値の高い学校の合格点レベルはおよそ6割弱ですが、中等部や普通部ではそれでは届かない。

だからそれなりの練習が必要になるのです。


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能力差はあるから戦略が必要になる


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親は焦ってはいけない


6年生の教室から
幼さとの戦い





中学と高校、どちらが入りやすい?

慶應は小学校、中学校、高校、大学と4回入るタイミングがあります。

で、そのうち中学校と高校、どちらが入りやすいでしょうか?

まず定員。女子は中等部が約50名。湘南が約35名。合計85名。慶應女子高校の定員は約100名であまり変わらない。そして偏差値的にもやはり両方ともトップランクでしょう。

男子の方は普通部が180名、中等部が140名、湘南が35名で合計355名。 高校は慶應義塾高校が約370名、慶應志木高校が約230名合計600名。そう、男子は高校の定員がかなり大きくなるのです。

ただし、湘南は一貫校になるので、東京、神奈川、千葉、埼玉からは受験できません。(全国枠ならびに帰国枠はあります。)さらに慶應ニューヨーク学院も募集はあるわけですが、まあ、これは特殊な試験なので別枠に考えておきましょう。

男子に関して言えば、やはり定員が多い分高校の方が入りやすいとは言えるでしょう。また、中学受験は4教科であるのに対して、高校受験は英数国の3教科になります。英語圏からの帰国はやはり有利だろうし、逆に中学受験生は数学でアドバンテージがあるでしょう。

だから、中学を受けて、だめなら高校、という層も確実にいます。

慶應に入れたい、と思うのであればやはり中学からまず挑戦する、というのが一般的な考え方でしょうが、中学受験で上手くいかなければ高校で再挑戦というのは男女ともに十分かんがえて良い選択だと思います。


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溶解度に関する問題


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