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速さに関する問題

2022年 慶應湘南藤沢中等部の問題です。

る。三田さんはA町を、藤沢さんはB町を同時に出発して、A町とB町の間を一往復した。
     三田さんの登る速さと下る速さの比は5:9
     藤沢さんの登る速さと下る速さの比は3:5
であり、登りも下りも藤沢さんの方が三田さんより毎分6m速いという。
(1)三田さんの下る速さは分速何mですか。
(2)2人が同時に出発して、最初に出会うのは何分後ですか。
(3)2人が最初に出会ってから、2回目に出会うまでに何分かかりますか。

【解説と解答】
(1)三田さんの下る速さを【9】とすると、藤沢さんの下る速さは【9】+6
一方三田さんの登る速さは【5】となるから、藤沢さんの登る速さは【5】+6
【9】+6:【5】+6=5:3から【25】+30=【27】+18
【2】=12 【1】=6mになるので、三田さんの下る速さは6×9=54
(答え)54m
(2)
藤沢さんが上り、三田さんが下るので、
3240÷(54+6×5+6)=3240÷90=36
(答え)36分後
(3)藤沢さんが上り終わるのは3240÷36=90分後
三田さんが下り終わるのは3240÷54=60分後
藤沢さんがおり始めるとき、三田さんは30分上っているので、
30×30=900m上っているから二人の間の距離は3240―900=2340m
2340÷(60+30)=26分後に2回目に出会うので、最初からは90+26=116分後になるので116-36=80分
(答え)80分

慶應湘南の算数

湘南は3校の中で算数の問題が一番少なくなります。

おおむね大問6題。最初の2題は一行問題や計算が小問に分かれている場合が多く、3番と4番は標準的な応用問題。5番、6番が発展した問題と位置づけることができます。

湘南の場合、帰国子女も同じ問題を解くので、あまりに難しい問題ばかりを並べると差がつかなくなる。一方でやさしい問題ばかりを並べると一般生の差がつかなくなる。

ということでこういう構成になってきたのではないかと思っています。

帰国の生徒の場合はだから4番までをまず正確に解くことを考えさせます。5番、6番は前半の1問、ないし2問が解ければよし、と考える。

一方、一般の場合は4番まではノーミスでいってほしい。5番、6番が半分はできて合格ラインかな、というイメージを持っています。

したがって帰国か一般かで対策は多少違います。

帰国生の場合は4番までがひとつの目標だから、あまり難しい問題はやらない。むしろ一行問題や基本問題を徹底的にやり、そこから中堅の男子受験校ぐらいの問題が解けるように練習します。

一方、一般の場合は4番まではとにかく正確にノーミスでこなければいけないから、その部分は帰国と同じですが、さらに発展して応用レベルの問題まで練習をする必要があります。

で、夏休みまでは特にこの難しい問題の対策を考える。逆の順番をイメージされるかもしれませんが、難しい問題を考えるためには時間が必要なのです。そして、難しい問題を解くためには当然、基本がわかっていないといけないわけで、難しい問題をじっくり考える、ということは基本も確認できる。ただ、時間がかかる分だけなるべく早めに練習をしたいのです。

そして後半はむしろミスなく、確実に解く練習をしていく。さらに言えば、自分ができる問題を見分けて、時間内になるべく多くの点数をとるというような練習をします。

だから夏休みまでは、難しい問題に挑戦してください。といっても、全部の問題ができるわけではないでしょう。1問15分考えてだめなら、そこで解説を読んで、解き方を理解することです。なぜ、こうなるのか?解説を読み解いてください。そしてできればもう一度自分で答えを出してみる。

「なるほど、こう解くのか。」とわかれば一問終了です。

一問をここまで終わるのに結構時間がかかりますが、これは絶対にかけてください。たくさんの問題を解いてもこの時間が少なければ力はつきません。本人がどのくらい納得いったかが、大事なのであって、解いた問題数が多ければ良いというものではありません。あわてずにじっくり取り組んでください。