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2019年 慶應湘南、作文の解答 

先日テレビで「なぜ早生まれのプロ選手は少ないのか」という問題を解説していました。

この問題、なぜテレビで話題になったのかは、最初の方を見ていなかったのでわからないのですが、2019年慶應湘南の作文の問題になったのです。

問題は以下の通りです。

次の二つのグラフを見て、「なぜ日本のプロ野球選手は四月~七月生まれが多いのか」という問いに対する答え(仮説)を考えてカキなさい。またその答え(仮説)が正しいことをどうすれば証明されるか、説明しなさい。

*百六十字以内でかきなさい。
*原稿用紙の使い方に従って書くこと。ただし改段落をする場合は行を変えず、一マス空けることで示しなさい。

当時、プロ野球選手の方からも解答が寄せられたのですが、テレビ番組の解答は
「指導者の選択と生徒の勘違い」というまるでNHKの「チコちゃんに叱られる」的な解答になりました。

確かに早生まれの子も大きくなれば、それなりに成長し、プロ並みの体格になることは間違いありません。しかし、小学生の間は、やはり小さいことが多い、逆に同じ学年でも4月~7月生まれの子は体の成長が早い。身長が1cm高いと球速が1km速くなるのだそうで、そうなると、指導者としては当然、速い球を投げる選手を使うことになる。そうするとそういう選手は自己肯定感が強くなり、さらに練習をすることになるのです。一方早生まれの子は、その場面ではあまり使われない。そうなると、自己肯定感が少なくなり、認められてない、と感じてしまうから、先が続かなくなる、というような、話でなるほどなあ、と思いました。

統計的な処理をどうするか、という問題でもあるようなので、この仮説だけが正解というわけではないでしょうが、そういう問題も出るので、子どもたちがいろいろな番組を見るのも、決して悪くはないと思いました。


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慶應湘南、算数の入試傾向

45分、100点満点。 出題は6題。
例年1~4と5番、6番で難度に差が出ます。同じ問題を帰国生も受験するので、ある程度差がでるように前半4題はやさしめに、後半2題は難しめに、という構成になっています。5番、6番の2題は慶應3校の中で一番、問題の難易度が高いでしょう。
計算問題は例年2題。最初の2問は一行問題に近い出題。後半にしたがって難易度が増してきます。

頻出する範囲としては規則性、数の性質、グラフ、速さ、図形、比と割合。

図形と規則性についてはほぼ毎年の出題されますが、難易度にばらつきがでます。前半4題の中で出題される場合は若干、やさしめ。後半2題で出題される場合はなかなか難しくなります。

中等部や普通部に比べて問題数が少ないので、1問に対する配点が高くなっていますので、ミスが出ると失点の幅が大きくなります。したがって前半4題はきっちり得点して、5番、6番で半分は得点するようなイメージをもって解いていきましょう。

後半の5番、6番は問題文も長く複雑になっていますが、しかし小問に分かれている問題の中にはすぐ答えが出る問題も少なくありません。ですからしっかり考えて、自分の得点できるところを確実にとるというていねいさが合格のポイントになるでしょう。


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慶應中等部、社会の入試傾向

試験時間は25分。満点50点。
大問5題~6題。小問60程度なので1問1分未満という忙しいテストになります。

出題は地理、歴史、公民、現代社会の4つのテーマが各1問ずつ。地理については、他校で減少しつつある、各地方の特質に関する問題が出題され、地図問題も多くなっています。

地理の知識については必ず地図上でその位置を確認しておくことが重要です。記号式の解答がかなりの割合を占めますが、最近は記述式や用語解答の問題も出てきました。

記号式が多いのは、受験者が多いテストであるため、採点の手間を簡略化しているからですが、最近は地図に位置を示す記号を書き込んだり、記述で答えを書いたりする形式の問題も増えています。

問題の形式は単問形式が多く、時事的な内容も含まれていて、案外細かくなっています。

また世界地理や時事問題の出題も目立ち、また「学問のすすめ」に関する出題など福沢諭吉に関する知識はしっかり整理しておきましょう。

似たような問題が続けて出題されることが考えられる学校なので、過去の出題についてしっかり勉強しておきましょう。

地理について、鉄道や道路などの知識も不可欠です。問題文を読みながら地図を思い浮かべられるように練習してください。


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慶應中等部、理科の入試傾向

算国配点の半分、50点満点の出題。試験時間は25分。大問は5問ないし6問。小問は40問程度になるので、かなり忙しい問題といえます。

大問が5題程度なので、一応、物理、化学、生物、地学の4分野が万遍なく出題されています。2012年は1番が月、2番が温度、3番が電気、4番が水溶液、5番が生物となっていました。頻出する範囲としては植物、水溶液、力のつりあい、天体、電気などです。

すべてが記号選択式です。近年社会や国語では記号式だけでない問題を出題しようという流れになっているようですが、理科は記号選択ばかりになっています。

あまり細かな知識は必要ありませんが、理科全般の基本的な知識はきっちり覚えておく必要があります。

全体的に実験、観察、観測問題が多く、その結果を問う問題が出題されているので、実験問題に対する練習は必要です。

同様に生物や、気象や天体の動き、地学範囲も与えられたデータや観察、実験から特徴を読み取るなどの問題が出ているので、類題を練習しておきましょう。また化学などの実験装置については、しっかりとした基礎知識が必要です。

生物では普通部とは違い、身近な良く見る植物が出題されています。水溶液は出題頻度が多いので整理しておきましょう。


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慶應中等部、国語の入試傾向

試験時間45分 満点100点。

これまで漢字の書き取り以外はすべて用語記入、選択記号式となっていましたが、最近、少し変化が表れてきました。
中等部は算数のときにもお話しましたが、受験生が多かったので、なるべく大人数で一気に採点できる出題形式になっていました。したがって採点官によって差がでないように、客観的な答え以外は書かせなかったのです。
全体の傾向としてそれは変わりません。これは解答用紙を見てみるとよくわかります。

左側に記号式、右側に漢字と一部記述の問題の解答欄となっています。

まず左側は一気に採点してしまい、右側は担当教官をしぼって採点する、というようなやり方になっていると思われます。

多少、受験人員が減少してきましたので、その余裕が出たのかなと想像しています。ですから、川柳を書かせてみたり、記述で答えを書かせてみたり、という問題が出てくるようになったのでしょう。ただ、解答用紙が飛んでいますので、答えを書く欄については注意が必要です。

さて内容ですが、文章読解については物語文と説明文2題というパターンが多いのですが、年度によっては一問のみで後はすべて知識問題になるときもあります。中等部は知識に関する出題が多く、語彙や漢字の読み、書き、あるいは同音、同訓異字などが出題されます。これは、読解問題を選択肢で作る場合、どうしても形が決まってくるし、子どもたちの力をある方向からしか見れないという欠点があるので、語彙や文芸・演劇に対する造詣などについても尋ねられるような問題をつくろうという工夫が見られます。他校では少ない文学史や俳句、短歌の問題も出題されるので対策が必要です。

選択肢については、やはり明確に根拠を文章中に求めていく練習をしましょう。非常に紛らわしい選択肢を配していますから、「本文には書いてない」などの論拠をしっかり見つけていく必要があります。

中等部の漢字の書き取りは他の2校に比べて難しく、現在の中学受験生に求めるレベルとしてはなかなか高いでしょう。例えば十干十二支などという問題が出ていますので、充分練習を積んでください。また、漢字の読み、書きはもちろんのこと、部首、ことわざ、慣用句などの幅広い知識が必要ですし、日本語化した外来語についても、過去に出題がありました。中等部の過去問については10年以上さかのぼっても参考になるでしょう。


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