月別アーカイブ: 2016年7月

偏差値と問題の難度

一般に中等部の偏差値は高いところに設定されていますが、その割に問題はやさしい、と言われます。

確かに御三家各校に比べれば難度はそれほどでもないかもしれない。

しかし、だからといって合格は難しい。特に女子はそうでしょう。人数が少ないから、かなり高いところに合格点があると言えます。

ということは求められているのは正確さ、ということになる。ちょとしたミスが不合格につながりかねません。

問題がそれほど難しくはない、と油断してはいけないのです。

とにかく気を抜かないで、ていねいに解く。

難しくない、と思う部分がミスにつながることは良くある話なので、気をつけてください。

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第229回 午前中が勝負
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受験で子どもと普通に幸せになる方法、本日の記事は

理解する力
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歴史上の人物に関する問題

2013年の慶應普通部の問題です。


慶太君たちは、「3つのヒントを聞いて、歴史上の人物を当てる」という形式のクイズで、近代の歴史を勉強しています。ヒントの(1)~(10)のそれぞれに当たる人物名を、下のあ~にから一つずつ選んで記号で答えなさい。なお、ヒントの都道府県名はすべて現在のものに直してあります。

ヒント

(1)岩倉使節団の副使として世界を巡りました。国会を開くことが決まると、それに備えて海外で憲法や政治のしくみを調べました。外国で亡くなりました。
(2)国会を開くことが決まると、それに備えて政党を作りました。私立の学校を作ったことでもよく知られています。九州地方の出身です。
(3)岩手県で生まれました。東京での生活は苦しかったそうです。とくに日常の世界を詩や歌で表現したことで知られています。
(4)京都府で生まれました。20年以上も陸軍と海軍の上に立つ高い地位にありました。一度も外国には行ったことがないそうです。
(5)日本で最初に銀行を作りました。会社もたくさん作ったそうです。外国との関係を大事にして、人形の交換事業などの交流にも努めました。
(6)高知県で生まれました。自由民権運動が盛んになるなかで政党を作りました。有名な政治家ですが、一度も首相にはなりませんでした。
(7)神奈川県で生まれました。連続で25回も当選した国会議員です。「憲政の神様」と呼ばれました。
(8)ドイツに留学しました。破傷風という病気の治療法を開発した人です。日本に本格的な伝染病の研究所を建てました。
(9)島根県で生まれました。ドイツで医学を学びました。「安寿と厨子王」の話を小説にしました。
(10)慶應義塾で勉強したそうです。岡山県出身者として最初の首相です。在職中、海軍の将校らに倒されました。

人物名
       
あ.高杉晋作  い.伊藤博文  う.大隈重信  え.大正天皇 お.尾崎行雄

か.宮沢賢治  き.志賀潔 く.福澤諭吉 け.北里柴三郎 こ.田中正造

さ.木戸孝允  し.渋沢栄一 す.明治天皇 せ.森鴎外 そ.夏目漱石

た.樋口一葉  ち.坂本龍馬 つ.犬養毅 て.石川啄木 と.東郷平八郎

な.板垣退助  に.新渡戸稲造


(1)は大日本帝国憲法の草案から伊藤博文。彼はハルビンで暗殺されました。
(2)立憲改進党の結成した大隈重信。彼が作ったのだが早稲田大学です。
(3)岩手県出身の詩人ですから、石川啄木。
(4)海軍と陸軍の上に立つのは天皇だけでした。明治天皇になります。
(5)日本の最初の銀行は第一国立銀行。作ったのは渋沢栄一。
(6)高知県出身の自由民権運動の指導者ですから、板垣退助。
(7)憲政の神様は尾崎行雄。
(8)破傷風の研究ですから、北里柴三郎。
(9)安寿と厨子王から森鴎外。
(10)五・一五事件で暗殺された犬養毅。
ということで、
答えは
(1)い (2)う (3)て (4)す (5)し
(6)な (7)お (8)け (9)せ (10)つ

それほど難しい問題ではないので、満点だった受験生が多かったと思います。これはまだ記号で選ぶので簡単ですが、氏名も漢字で書けるように練習しておきましょう。

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本を読もう
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分数と小数の計算
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過去問でテストをしない

過去問は研究をしなければなりません。

どんな問題が出ているのか、どのくらい難しいのか。

どんなことができればいいのか。

そういうことを知って、対策を立てていくべきなのです。だから例えば力試しのために過去問をやらずにとっておく、みたいなことを考えない方が良いでしょう。

力試しは模擬試験でやればよいのです。多少なりとも入試と同じ試験を受けないと、力試しにはなりません。

だから家でやるときは、徹底的に研究する。この研究にはお父さん、お母さんの助言も必要かもしれません。

もし可能なら、いっしょに過去問を解いてみると良いでしょう。

これから何をやればいいか、具体的なアイデアが浮かぶかもしれません。

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計算はどこにやるのか?
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体力が続かない
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流水算

湘南の5番、6番の問題は条件自体が複雑になるように作られるので、流水算も良く使われます。たくさんの情報から、必要なものを適宜取り出して、解法を進めていくので、考える力を見るのに適している部分はあるでしょう。
これは2015年慶應湘南の問題。


ある会社は、川の下流にある船着き場Pから25kmはなれた上流にある船着き場Qまで荷物を運んでいる。この川の流れの速さは毎時2kmである。
この会社は船Aと船Bの2そうを持っており、船Aと船Bの、静水時の速さはどちらも荷物を積んでいれば毎時12km、荷物を積んでいなければその1.5倍の速さになる。積むことのできる荷物の量も等しい。
船Aは毎日午前8時にPを出発し、その2時間後に船BがPを出発する。どちらの船もPで荷物を積んで、Qに着いたら荷物を降ろし、荷物を積まずにPまで戻る。これを船着き場が閉まる午後7時までくり返す。ただし、船着き場が閉まる前にPに戻れなくなるような船は、Pを出発しない。また、荷物の積み下ろしの時間は考えないものとする。
(1)船がPとQの間を往復するのにかかる時間は何時間何分ですか。
(2)船Aと船Bが1日の中で最後にすれちがう地点のPからの距離は何kmですか。
(3)運ばなければならない荷物の量が増えてしまい、この会社は次の2つの対策を考えた。この2つの対策を両方行うと、1日に運ぶことのできる荷物の量はいままでの何倍になりますか。
・船着き場を閉める時間を2時間おそくする。
・速さが同じで、積むことのできる荷物の量が1.5倍である船Cを追加する。船Cは午前9時にPを出発し、同様にPとQの間を往復する。


【解説と解答】
(1)静水時の時速は荷物があるときは12km、ないときは12×1.5=18km。Pが下流でQが上流です。したがって船AはPからQまでは10km、QからPまでは20kmの時速になるので、25÷10+25÷20=2.5+1.25=3.75時間=3時間45分
(答え)3時間45分

(2)船Bも同じく往復で3時間45分かかるが、Aよりも2時間出発が遅いことになります。これをグラフにすると

となり、2往復すると3時間45分×2=7時間30分なので、3回往復すると11時間15分となり、19時までに終わらない。
したがって最後にすれ違うのはPになるので、三角形PQRと三角形PSTの相似からQP:PT=105:120=7:8
Pからは25÷(7+8)×7=11$$\frac{2}{3}$$
(答え)11$$\frac{2}{3}$$km

(3)船着き場が21時までになると、Aはもう1回行けます。しかしBは17時30分+3時間45分=21時15分ですから、行けません。
Cは9時に出ると、Aより1時間遅いだけなので3回行けます。
したがってA、Bの量を【1】とすると、対策前は【4】であったのに対して、対策後は【3】+【1.5】×3+【2】=【9.5】になるので、
9.5÷4=2.375倍(=2$$\frac{3}{8}$$倍)
(答え)2$$\frac{3}{8}$$倍

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第228回 算数の問題にかける時間
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プリントはたまるものだ
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解答用紙のスペース

普通部の算数はすべて記述形式です。

式や計算を残しておけと指示されていますので、基本的には途中の過程を確認する、ということはやっていると思われます。ただ、もちろん正答であるかどうかが一番大事なことであって、それがちゃんと解かれているかも確認する、という感じでしょうか。
部分点が計算されているかどうか、は明確ではありませんが、多少あるかもしれません。

で、このスペースが案外狭いのです。

だから、あまりたくさん書こうとしても、無理がある。これは最初から練習していった方が良いでしょう。

普通部は解答用紙が公開されています。

したがって市販の過去問もその形式になっています。ただ縮小率が60%になっているので、大きくしないと難しい。

幅をA3縦にするのがだいたいの目安でしょう。

他の教科は答えだけであることが多いので、これはまあ、縮小のままでもできなくはない。しかし、算数は必ず拡大した解答用紙で練習してください。

自分の字の大きさと、スペースから、どのくらい書けるのかをある程度、体感していく必要がある。その経験を練習で積み重ねていくために、リアルなサイズの解答用紙が算数だけは必要になりますので、準備してください。

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狙うことが大事
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得点することに執着する
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