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普通部繰り上げ減少の理由

2023年は慶應義塾普通部の補欠繰り上がりが15名前後であったようです。

例年20名から30名前後はあると思われていた数字が減っており、これはやはり普通部の合格発表に起因していると思われます。

男子の慶應志望者の場合、地域的に普通部と中等部を重複受験する生徒が多いのですが、例年普通部の発表が2月3日で、中等部の一次試験日になってしまうので、両校を受験する受験生がほとんどでした。

しかし2023年は、普通部の合格発表が2月2日になり、普通部第一志望者は中等部を受験しなかったことになります。

普通部が発表した合格者は定員180名に対して195名。さらに15名の補欠繰り上げとして210名ですから、30名辞退があったと考えられますが、この辞退者はいったいどこに行ったのかといえば、栄光・聖光に流れたと考えられます。(栄光・聖光の合格者の重複率は、14.2%になります。)

2022年のデータで見ると、合格発表は205名、繰り上げは発表がありませんが、およそ25名と推定されており、ここから定員180名に対して50名の辞退があったと考えられます。

2021年のデータでは、合格発表は195名で、繰り上げがおよそ35名と考えられており、同様に50名の辞退が考えられるとすれば、2022年とほぼ同じ数字になります。

ここから考えると例年20名程度が、実は中等部(もしくは湘南)との重複合格であったと考えられます。

この20名分が原因と考えると、概ね今年の数字に合致します。

今年は中等部が20名定員を減らしており、多分幼稚舎から中等部に進学する数が増えていると推察されていますが、普通部が例年通りとすると、この重複部が消えて、中等部の20名減員を吸収している、とも考えられ、そうすると中等部は今年そう難しくなったわけではない、とも言えるかもしれません。

また、今年は結局普通部の合格者は210名になったわけで、例年の230名から20名減少していることになるから、そうすると各塾の合格実績の合計もおよそ20名減少することになります。

なので、2023年の普通部は難しかった!!という結論になります。

2024年、普通部が合格発表をいつにするのかは、今年の9月に発表されますので、そこでまた来年の数字について大まかな予想ができるでしょう。

(なお数字はあくまで、弊館の推定です。普通部から公式の発表があったのは定員ならびに合格者数だけです。)

普通部の算数は全部記述

普通部の算数は全部記述式です。

計算に始まって、解答用紙はすべて記述式になっている。

ですから、当然式や説明を書かなければいけないが、その欄は実はそれほど大きいわけでもない。

だから上手に使わないといけないし、書き方にも工夫が要ります。

したがって普通部の答案練習の添削はやはりこれからの対策には絶対必要なメニューです。

土台40分の試験ですから、相当忙しい。それでも書かないといけないので、これはしっかり対策をしていきましょう。

スーパーへ行こう

普通部の社会の問題では「絶対に塾では教えない問題」が出ることがあります。

慶太君は家の手伝いでスーパーマーケットによく買い物に行きます。果物売り場に行くと、さまざまな種類の果物がたくさん並べられています。そこで日本で売られている果物について調べてみました。これについて、あとの問いに答えなさい。ここでいう果物は,多年生の樹木になるものです。

1.次のア~エは一般的なスーパーマーケットにおける果物の販売の仕方について説明したものです。最も内容の正しいものを選んで記号で答えなさい。
 ア.会計をするレジの近くに配列されていることが多い。
 イ.野菜と一緒に、入口に近い場所に配列されていることが多い。
 ウ.野菜と同じように、ほぼ同じ種類の商品が一年中販売されている。
 エ.売り場の中で、価格の安い商品から順番に並べられていることが多い。

で解答は? と考えるまえにでかけてみてください。

スーパーマーケットによって違うでしょ?と思ったら、複数見てみるのも大事かもしれません。2つ見て、共通する項目は何か?というのも観察力を上げるのには役立ちます。

休みの日にこういう経験をするのも良いかもしれません。

着眼点を広げる工夫

普通部の問題には絶対に習わない、という範囲があります。

例えば塩の値段だったり、洗剤の種類だったり、排水口の形だったり、御中の書き方だったり・・・。

こういうことは生活の中で何を見ているか、ということにかかっている。例えばカレーライスの作り方だって、単に食べるだけではなく、どうやって作るんだろうという関心がないと答えられないでしょう。

動物や植物は、ある意味いろいろなところで見かけるのだけれど、それに対する関心がどれだけあるか、でその後の行動が違ってくる。

あの家の庭に咲いていたあの花は何だろう、とか。

あの鳥は何でああいう歩き方をするのだろう、とか。

そういう関心を持っていろいろ見ていると、スーパーマーケットの商品の配置まで関心が出てくるかもしれない。(以前にそういう問題が出たわけですが・・・)

勉強ばかりでなくそういう関心が持てるように、いろいろな話をしてあげると良いと思います。

「お母さんと一緒にスーパーマーケットに買い物に行ったことがある?」と聞くと、「ない!」と元気よく答えてくれる子どもたちが少なくありません。

塾に行って勉強してくれれば、と思いがちですが、やはりそこを狙ってこられている分、着眼点を広げる工夫が必要です。

2023 普通部 社会

2023の普通部の社会は大問6題でした。

大問6題
1 歴史・地理混合問題(歴史・地理)
2 河川と都市に関する問題(地理)
3 為替に関する問題(歴史、一部時事)
4 鉄道に関する問題(歴史)
5 資源に関する問題(地理)
6 ホワイトハウスに関する問題(歴史、現代社会)

例年いろいろなテーマが取り上げられ、地理、歴史、公民ときれいに分かれるよりも、いろいろな要素を混ぜて出題することが多いので、今年もその典型的な出題と言えます。

普通部は学校で習うこと、塾で習うこと、のほかに「学校でも塾でも習わないこと」を出題することがあり、その流れに沿った出題といえます。
また各問題の一部に時事問題が出てきており、最後のホワイトハウスの問題で、同じ役割を果たすロシアの建物を何というか、など日ごろから時事ネタに接していることが必要でしょう。

普段からテレビのニュースや新聞などに目を通し、小学生なりに現代社会を理解していくことが求められています。年末の時事問題集だのみにならないように、日頃からしっかり準備を進めていきましょう。