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気になるところは手を尽くす

残りの時間が少なくなってきましたが、やはり最後だからこそしっかり準備を締めくくりましょう。

慶應ならでは、という試験はあるので、その準備をもう一度確認して、やり残していないか、準備をしましょう。

時事問題、動植物のスケッチ、ことわざ・四字熟語、俳句・短歌、100字作文。

これまでも準備を進めてきているわけですが、最後にもう一度ここはやっておこう、というのを整理して、やれるものはやっておきましょう。

ただし・・・、

あれも、これもというわけにもいかない。ある程度は思い切り、最後の時間を有意義に過ごす工夫をしてください。

今年も1年間ありがとうございました。

良いお年をお迎えください。

まずは一次、というのはその通りだが

中等部や湘南の場合、一次試験に合格した後、二次試験を受験してそこで合格しないと最終的な合格にはなりません。

受験生の中には一次試験で合格し、二次試験は棄権する場合もあるでしょうし、実際に一次試験も結構な倍率ではあるので、まずは一次試験の突破を考えていかないといけない、というのはその通りなのですが、しかし一次のことばかりをやっていて、一次合格した後あわててもいけないところはあります。

「まさか、入るとは思わなかったから」みたいな話をたまに聞くこともあるのですが、やはり一次、二次両方の対策や準備をしておかないといけない。

あわててお父さんに中等部の二次の面接の日に仕事を休んでもらう、みたいなことはやはりまずいでしょう。

一次も、二次も確かにそれなりの倍率がある両校ですが、やはりそれなりにしっかり準備をしておかないといけない。たとえば体操服や靴はどうするのか、面接のときの服装はどうするのか。そういうことを早めに決めておかれると良いでしょう。

一次合格の後にあわててやる、ということのないようにしておかれると良いと思います。

二十四節気

今年は12月22日が冬至でした。

冬至は1年で一番日が短くなる日のことですが、しかし、二十四節気の中にも出てきます。

二十四節気というのは太陰暦ではなかなか季節感が出なかったので、太陽の黄道位置から1年を24等分してそれぞれの季節に合うことばを付けていったものです。月の前半を節(せつ)といい、月の後半を中(ちゅう)といいます。

ただ、ことばの由来として中国から出ているので、日本と多少季節感がずれることもあるわけですが、一覧にすると以下のようになります。

各季節は立春、立夏、立秋、立冬で始まり、春分、夏至、秋分、冬至がそれぞれの真ん中になります。

季節感という意味では、こういうことばの由来も知っておいて良いでしょう。

早い番号がやさしいとは限らない

例年、3校とも前半がやさしい、後半がややむずかしい、というような構成になることが多いのですが、それでも前半に難しい問題が出ないとは限らない。

普通部は概ね8問から9問と比較的、問題数が多いのですが、ある年、3番にやや歯ごたえのある問題があった。

しかし3番だから、これはやさしいだろうと思った子がいて、それにこだわってしまった。

だいたいこういう子は算数に自信がある。自分は算数ができると思っているから、3番ぐらいは飛ばせない、と大きな勘違いをしている。

その結果として、時間を使ってしまい、後が間に合わなくなり、結果は不合格となりました。

自信があっても、解けないときはあるのだから、あまり一問にこだわらない、というのが正しい。

出題順はやさしい順ではありません。したがって、どういう配置になっているか、はあまりこだわらず、自分の解きやすい問題、できそうだと思う問題から先にやる。

そして、多少ひっかかったならば、いったんおいてほかにできる問題に手を付けていく、というのが良いでしょう。

こういうことは、ずいぶん注意しているわけだけれど、それでも本番にそういう状況に陥ってしまうことはあるわけですから、よく話してあげると良いと思います。

出題傾向は変わらないが

慶應義塾各校とも、そう出題傾向が変わるわけではありません。

ただ、今まで過去問に出ていなかったところが出たりすると、つい傾向が変わった、ととらえやすい。

しかし、これまでの過去問にないから、出ない、とは決められないのです。

例えば詩の出題や、世界地理の出題、あるいは国文法など、今まで見たことがない、という問題も出てくる可能性はあるでしょう。

で、出題者の意図は、それでも冷静に問題文を読んで自分で答えられるところをしっかり答えられる対応力があるのか、を試す、というところにあります。

だから傾向が変わったわけではなく、目先が変わっただけ。

なので、過去問にない問題が出ても、慌てずに対応するように心がけてください。

そんなの知らない!

と思う問題がたまに出るでしょう。

例えば小説や演劇の主人公の名前だったり、スーパーマーケットの果物売り場の位置だったり、塩の値段だったり。

2022年の普通部の宛名の書き方も、まあ、そういう意味では知っていた子もいればそうでない子もいたでしょう。

説明会でも話が出ていたと思いますが、「学校で習うこと」「塾で習うこと」「塾でも学校でも習わないこと」というのを出すことにしているそうなので、まあ、知らないことが当然出題されることはあるでしょう。

で、知らないのだから、飛ばせばよいのですが、その前に、ちょっとだけ考えてみる。

これは知らないとできないのか?

できないと思えば、そのまま飛ばしましょう。

でも、案外考えるとできたりすることもある。その場合はそれでプラスになるでしょう。

そのちょっと考えたときのアイデアで差がつくこともあるので、最後まであきらめない、というのは大事な姿勢だと思います。

作文のテーマ

湘南の国語は、比較的選択問題が多いのですが、最後にドンと100字作文が出ます。

まずは、原稿用紙の使い方をもう一度復習しておきましょう。改行や、カギ括弧の書き方も案外忘れてしまっていたりしますから。

その上で、対策としては、自分で作文のテーマを考えてみると良いのです。

そして練習する。概ね100字を書くスピードとはどのくらいか、ということも本人の中でわかっている必要があるでしょう。入試では作文を最後にやる子が多いようですが、となると時間配分をやはり考えておかないと慌ただしくなる。

作文の配点がどのくらいあるかはわかりませんが、やはりすべての問題にしっかり答えられるようにした方が良いでしょう。

さらにテーマを考えることで、どんな問題が出ても冷静に対応できるようになります。

「そうきたか」

みたいな感覚は、結構、問題を楽しめるところもあるので、ぜひテーマを想像しながら練習してみてください。

やさしい問題だから難しい

中等部の女子の合格偏差値はなかなか高いところにあります。

合格する人数も少ないから難関ですが、しかし、問題はそれほど難しいというわけではない。他の受験校に比べて取り組みやすいと思うのです。

しかし、問題が簡単だからかえって難しいところがある。つまり、ミスが許されない。

正確な手順で、間違いなく解く。解答用紙のミスなど絶対にあってはならない、ということです。

さすがに4教科満点近く、というわけにはいかないところはあるかもしれませんが、確実に得点していく必要がある。

落とせる点が少ないので、とにかく丁寧に解く練習を続けてください。

やさしいから合格するのが難しい、という学校もあるのです。

完全オンライン化のメリット

完全オンライン化するというのは、やはりコロナ禍が理由と思われがちですが、しかし、慶應進学館はコロナ以前から完全オンライン化を目指していました。

以前教室を開いていた時は、その教室に通うためにまたとてつもないエネルギーを生徒がかけていたのです。

週1回の通塾にしても片道1時間かけてくる、というのは往復2時間のロスがある。

新幹線で通ってきた子どももいましたから、これは何とか方法を考えないと子どもたちの負担が減らない、と思っていました。

そこで最初に開発されたのが慶應進学オンラインで、慶應3校の入試問題の類題やテーマ別の学習ができるようにしていたのですが、まだすべてのカリキュラムを教え切れていない状態で、むしろ直前期の勉強に特化した内容でした。

しかし、フリーダムオンラインを開発することで、その問題は解決し、それまでの内容を慶應特別ゼミとしてシステム化できたので、完全オンライン化が実現したのです。

特にコロナ禍では、安心して勉強が進められましたし、特に直前期は感染のリスクを避けるという意味でオンラインはやはり効果があります。

慶應を目指す子どもたちは首都圏ばかりでなく、地方にも海外にもいます。

慶應志望の生徒のみなさんに、何とか効率よく学校別対策をしてもらう、ということが完全オンライン化の目標なので、これからもいろいろな授業を盛り込みながら指導を進めていきたいと思います。

慶應湘南の算数、前半と後半の狙いの違い

例年、湘南の算数は5番と6番が前半に比べると難しいとされています。

湘南の場合、帰国も一般と同じ問題を解くので、やさしい問題から難しい問題まである程度網羅するような問題づくりがされます。したがって後半5番、6番は難しい。

基本的なことはしっかりできていないといけないが、帰国生の場合それに加えて英語というアドバンテージがあるわけですが、一般生の場合はそれがない。

だから、むしろ算数でアドバンテージを見せてもらいたい、というところがこの問題構成の狙いだと思われるのです。

とはいえ、すべてが難しいわけではないので、(1)と(2)は確実の得点する、などの工夫は必要です。

来年もある程度難しい問題が出ることを想定しておいた方が良いが、特に注意しなければいけないのは、「やさしいな」と感じたとき。

これはちょっとしたミスが得点の差に大きくつながります。難しい問題のときは、実はあまり差が付かないが、やさしい問題のときは案外差がつきやすいものなのです。

なので、これから入試まで油断なく、ミスをなるべくなくして、取れるところは確実に得点する、というスタイルを貫いてください。