普通部」カテゴリーアーカイブ

地図を描く

普通部ではフィールドノートといって、生物や植物を観察しながらスケッチを描き、気がついたことをまとめる作業が課題として課せられます。

ある日、日吉の町を歩いていたら、普通部生が何人かずつグループになって何か調べ物をしているようでした。どうも地図を作っているようで、調べて記録をしていたようです。

こういう作業を、普通部はよくさせます。だからというわけでもないのでしょうが、やはりそういう作業の素養を見るような問題が出題されることがあります。最近はデジタルで地図を加工できるようになったので、国土地理院の2万5千分の1の地図を使った出題がいろいろな学校で目立つようになりました。ただ、元となる地図を作る作業とういうのも案外大事なのです。

とはいっても、なかなかそんな練習をするタイミングはないでしょう。そこで、自宅から最寄の駅までの地図を描かせてみてください。そうすると、子どもの素養がわかるでしょう。

勉強しなければいけないことがたくさんあるので、なかなか時間がないとは思うのですが、やはり出そうなところはやっておいた方がよい。先日のコンパスの話ではないですが、ちょっとやっておくだけで安心できることがあるものです。

私はよく冬期講習で、いろいろなスケッチの練習をさせました。たとえば稲の花とか、カイコの頭とか。なんとなく見て知っているとはいっても、実はなかなか描けないことは多いのです。全部を描けるようにするのは困難です。でも、いくつかやっておくと、気持ちの準備はできるので、本番であわてずに取り組めるでしょう。

要は入試のときにどんな問題が出てもあわてなければよいのです。ちょっと、やっておきましょう。

=============================================================
今日の田中貴.com

オーストラリアから月を見ると
==============================================================
中学受験で子どもと普通に幸せになる方法、本日の記事は

学校に問い合わせて問題はなし
==============================================================
慶應進学オンライン
==============================================================

==============================================================

分度器とコンパスと定規

慶應3校の試験の道具を比べてみると、分度器とコンパスと定規の扱いが違います。

普通部 定規(20cm以内、三角定規可)、分度器、コンパス
中等部 下敷、定規、分度器、コンパスは不要です。
湘南  下敷、定規、分度器、コンパスを使用してはいけません。

つまり、普通部だけこれらの道具を使った作図の問題が出題される可能性がある、ということです。定規はグラフを書くときに使うかもしれないから、あって便利でしょうし、実際に地図を描かせてみたりしているので、これは多少使い方を練習しておいた方が良いでしょう。

中等部、湘南はいりません。つまり図やグラフの問題はあるかもしれないが、少なくとも、これらは使わない、ということです。だから練習もいらない。

そろそろ、冬期講習が近づいてきましたから、このころからは、もう試験に持っていく道具で勉強してください。

定規にしても、コンパスや分度器にしても、試験で使うものを用意する。そして、使い慣れることが大事です。コンパスなんて、持って行って初めて使う、なんてことにならないように、多少、練習をしておく。本当は円をフリーハンドで書いた方が早いのだろうが、一応練習しておきましょう。

私もたまに、算数で角の二等分線を書かせていたり、グラフを作らせてみたりしました。

結構、みんな下手ですよ。

正三角形ぐらいは、さらー、っと描けるようになってほしいと思います。

==============================================================
今日の田中貴.com

立体の問題
==============================================================
中学受験で子どもと普通に幸せになる方法、本日の記事は

計算練習と一行問題
==============================================================
慶應進学オンライン
==============================================================

==============================================================

家庭科?

平成10年、普通部にこんな問題が理科で出ました。


下の(1)~(3)は汚れを落とす方法を示したものです。汚れ落としの方法が同じ仕組みのものをA群から1つ選び、さらにその汚れ落としの方法を使うのがよいものをB群から1つ選んでそれぞれ記号で答えなさい。

(1) 洗剤をふくませたティッシュペーパーをあてておく。
(2) 金ダワシでゴシゴシこする。
(3) 太陽によくさらす。

A群(ア)ていねいに水洗いをする。 (イ)粉末洗剤を使う。 (ウ) 固形洗剤を使う。(エ)スプレーを使って泡状にふりかける。 (オ)スプレーを使って液状にふりかける。(カ)クレンザーを使う。  (キ)ラップをかけて電子レンジを使う。

B群(ア)黄ばんで臭いのする台布きん (イ)ソースのついたガラス皿 (ウ)汚れのこびりついた中華なべ (エ)日にやけて色あせたふすま (オ)油とごみでべトべトの換気扇


実はこの年、例えばトイレ用の洗剤は何性で、食器用の洗剤は何性か、というような問題も出ていたのです。家庭科? でもお手伝いも大事だし、日ごろからの観察力も問われているわけですが、こういう問題を見ると、やはり対策したくなりますねえ。

大掃除も近いでしょうから、手伝ってもらいながら、洗剤のことも調べてみましょうか。

(答え)
(1)エエ  (2)カウ  (3)キア

子どもを慶應義塾諸学校に入れる
==============================================================
今日の田中貴.com

セットと単科
==============================================================
中学受験で子どもと普通に幸せになる方法、本日の記事は

先生の異動
==============================================================
慶應進学オンライン
==============================================================

==============================================================

会って、話してから採りたい

普通部の1日の試験は、長いです。

集合時間は午前8時10分。

4教科の試験があって、昼食を持参して食べます。 それから体育実技の試験と面接。

(ちなみに運動靴を最初から履いてくるように指示が出ていますので、注意してください。)

で終わるのが、早い組でだいたい14時50分、遅いと15時40分。その間7時間半というタフな試験です。とはいえ、午後は結構待ち時間が長い。昨年度は学校発表で555名の受験生がいたわけですから、5人1組として111組の面接。

1組5分やったとして、のべ555分。ということは2時間から2時間30分で考えると4つか5つの試験室で行われるということになるわけで、したがって当然長い時間待つわけです。だから持ち物に本を持ってきて良い、と書かれています。

以前は普通部も中等部や湘南と同じように二次試験があったわけですが、今は1日の試験だけで決める。だから、全員に面接をすることになるわけです。なぜ、面接にこだわるのか。これは慶應諸学校全体に言えることですが、入学させる生徒には「会って話してから採りたい」という考えがあります。

だから、二次試験を止めても面接や体育実技をやめることはしなかったし、これからもきっと続くでしょう。

たまたま、外で待っていたら、二次試験の声が聞こえてきたことがあって、「ありがとうございました!」と大きな声であいさつする子もいれば、黙って退席していく子もいました。

まあ、何がどういう判断になっているか、ということは別にして、コミュニケーションに事欠く、と感じられてはいけないので、一応練習はしておきましょう。

==============================================================
今日の田中貴.com

中学進学後、なぜ凧の糸は切れるのか?
==============================================================
中学受験で子どもと普通に幸せになる方法、本日の記事は

中学受験は親の受験か?
==============================================================

==============================================================

新刊「子どもを慶應義塾諸学校に入れる」(田中貴)
==============================================================

==============================================================

普通部の校庭

普通部の校庭はグラウンドのまわりに木がずっと並んでいます。

道をはさむと、竹藪がつながっており、グラウンドの方から見ると、山の中に学校があるようなイメージです。

したがって理科の問題で普通部のグラウンドにまつわる問題がたまに出題されます。今年の問題にもケヤキの問題が出ていましたが、平成19年にもそのような問題が出題されました。

以下はちょっと前ですが平成10年の理科の出題。

下の図1のように、東西方向に長い校庭があります。1月の朝早くまだ暗いうちに、この校庭の中央に出てみると、土の表面に白い粉をまいたようなものが見えました。周囲を見まわすと、Dの方向から月が昇ってくるのが見えました。そのうち空の一角が赤く色づいて見えるようになりました。急に明るさがまし、校庭にあるケヤキの木の影が長く伸びるようになりました。校庭の砂場のまわりには何種類かの動物の足跡が見られたので、下の図2のようにスケッチをしました。学校で飼っている動物が逃げだし砂場にフンをするというので、砂場を調べると、1cm大の丸い形をしたものが多数落ちていました。気がつくと風もないのに朝早く見られた土の上の白いものは消えていました。

1.このとき見られた月はどのような形ですか。およその形を下の図3の中に書きなさい。

2.赤く色づいたのはA~Dのどの方向の空ですか。 A~Dの記号で答えなさい。

3.日の出直後にケヤキの木の影はどの方向へ伸びますか。影の伸びる方向に線を引きなさい。(図4)

4.校庭の周囲はへいで囲まれていますが、冬になるとへいの下に土がたまってしまいます。どの方向のへいの下にもっとも土がたまりますか。A-Dの記号で答えなさい。また、その理由は何ですか。

5.朝早く校庭に見られた白いものは何ですか。

6.①、②は異なる鳥の足跡です。①、②の鳥の歩き方について説明しなさい。

7.校庭に来るカラスより小さな鳥で、①、②のように歩く鳥をそれぞれ1つ答えなさい。

8.③、④は同じ動物の足跡ですが、足の運び方が異なります。③、④の足の運び方になるのはどのようなときですか。

9.④~⑥の足跡を持つ動物を(ア)~(オ)の記号でそれぞれ答えなさい。

(ア) サル (イ)ネコ  (ウ)イヌ (エ) ヤギ (オ)ウサギ

10.砂場にフンをした動物名を答えなさい。


1  暗いうちから月がのぼるのですから二十七日月とわかります。まだでたばかりということになるので、上を向いています。

2 月がDの方向から出たのですから東がDです。したがって太陽の出る方向もDです。

3 1月ですから東南の方向から太陽が出ます。したがって、かげは北西の方向に出ます。

4 Aが南で、Cが北です。冬は北風が吹くのでAの塀の下に土がたまりやすくなります。

5 霜が降りていたと考えられます。

6 ①は足を交互に出しています。 ②は両足をそろえてはねるように飛んでいます。

7 ①のような歩き方は比較的身体の大きな鳥がします。カラスより小さいということで、ハトやカモなどが考えられます。足をそろえるのは身体の小さな鳥なのでスズメやモズなどがあります。
(答え) ①ハト ②スズメ

8 ③が間が飛んでいるので、走っていることがわかります。④は歩いています。

9 ④と⑤ではつめが出ているか、出ていないかという違いがあります。ネコはつめを隠すことができますが、犬は隠せないので④がイ ⑤がウ。 ⑥は両足をそろえてほぼ飛ぶようにしていることから、ウサギだとわかります。ヤギは足先が2つに割れます。サルは人間の足跡のように指先が比較的はっきりつきます。

10 1cm大の丸いフンですからウサギです。


こういう問題を見るにつけて、やはり単純にテキストや図鑑だけを見ていてもだめだなあ、と思います。この連休、模擬試験などで忙しいでしょうが、例えば紅葉を見に行き、少しでも植物や動物を見る機会があるといいですね。

==============================================================
今日の田中貴.com

溶解度の問題
==============================================================
中学受験で子どもと普通に幸せになる方法、本日の記事は

東京、神奈川の出願校数
==============================================================

==============================================================

新刊「子どもを慶應義塾諸学校に入れる」(田中貴)
==============================================================

==============================================================