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自らの傾向を知ることも大事

傾向というのは、別に入試傾向ばかりではありません。

むしろ子どもたちの傾向、というものを正確に把握しておく必要があるでしょう。

データを整理しましょう、というと時系列の偏差値や得点のデータをまとめられたりするのですが、これは実はあまり意味がない。

最も重要なのは何ができて、何ができないのか、を正確に把握することです。

例えば算数については主要9分野というのがあります。

平面図形
速さ
規則性
場合の数
比と割合
数の性質
立体図形
表とグラフ
文章題

やる問題をこの9分野に分けてデータをとる。初見でできる。2回目でできる。などと分類してもかまいませんが、そうやってデータを取ってみると、明らかにばらつきがあるのがわかるでしょう。
一般に子どもたちの不得意な分野は

速さ
場合の数
立体図形

の3つです。

でデータを取っていくと、その中でも例えば切断がだめ、回転体がわかっていない、などということがはっきりしてくる。それをある程度時間をとって勉強することによって理解させていく。これができなければいつまでたっても状況は変わりません。

たくさん問題をやらせるよりも、そうやって傾向を見つけて具体的な対策を実行していってください。

検算を解くプロセスに入れる

算数の計算ミスは、入試で最も気を付けなければいけないことのひとつでしょう。

慶應の場合は、必ず計算問題は出題されていますし、やさしい問題でも面倒な計算をさせることがあります。

計算は、ひっ算をきちんと書くこと。そしてもうひとつ大事なのは、その場での検算です。

検算といっても、かけ算は割算で確かめる、ということではありません。

自分のやったたての計算式をもう一度確認する、という作業のことです。

足し算でも引き算でも、同じこと。逆の計算をするのではなく、自分が今やった計算を見直す。

案外繰上りを間違えたり、小数点のつけ間違いをしたり。特に通分で計算していく場面ではミスがおきやすい。

すでに約分したはずなのに、消し忘れてまた約分してしまう、というようなことが良く起きます。

だから、確認する。

一度間違えて次の計算に移ってしまうと、自分の間違いに気が付かなくなって、最後、人数が分数になって、おかしいと見つけられてもどこにもどっていいか、わからなくなる。

そのために、その場で検算をする。

これを今から解くプロセスに入れてしまいましょう。

慣れてくると、それほど時間はかからなくなり、ミスが一段と減ります。

スーパーへ行こう

普通部の社会の問題では「絶対に塾では教えない問題」が出ることがあります。

慶太君は家の手伝いでスーパーマーケットによく買い物に行きます。果物売り場に行くと、さまざまな種類の果物がたくさん並べられています。そこで日本で売られている果物について調べてみました。これについて、あとの問いに答えなさい。ここでいう果物は,多年生の樹木になるものです。

1.次のア~エは一般的なスーパーマーケットにおける果物の販売の仕方について説明したものです。最も内容の正しいものを選んで記号で答えなさい。
 ア.会計をするレジの近くに配列されていることが多い。
 イ.野菜と一緒に、入口に近い場所に配列されていることが多い。
 ウ.野菜と同じように、ほぼ同じ種類の商品が一年中販売されている。
 エ.売り場の中で、価格の安い商品から順番に並べられていることが多い。

で解答は? と考えるまえにでかけてみてください。

スーパーマーケットによって違うでしょ?と思ったら、複数見てみるのも大事かもしれません。2つ見て、共通する項目は何か?というのも観察力を上げるのには役立ちます。

休みの日にこういう経験をするのも良いかもしれません。

2023 慶應湘南 理科

今年の湘南の理科は大問4題の出題でした。

大問4題。
1 昆虫に関する問題 小問5題 記述なし 
2 太陽に関する問題 小問5題 記述なし 
3 温暖化に関する問題 小問6題 記述1題(皮膚が黒いと体温を保つことができる理由) 
4 ペーパークロマトグラフィーに関する小問5題 記述1題。(ペンのインクのにおいがしばらくすると確認できなくなる理由)
小問数 全21題
25分 50点。

今年はそれほど難しいと思われる出題がありませんでした。

基本的な知識がしっかりしていればしっかり答えられた問題が多く、割といろいろな学校でも見られた出題が多かったのではないかと思います。したがってその分ミスが心配されたでしょう。

ペーパークロマトグラフィーは過去慶應義塾中等部で出題されたことがあり、それを解いていた受験生は比較的気が楽だったかもしれません。

ここのところ、湘南の理科はそれほど難しくない、という年が続いています。

ただ、そのままで大丈夫か、ということに関して言えば、そうでもない。まずはしっかり基礎を固めた上で、過去問の演習を続けていきましょう。

たまに時事問題などで、これは難しいと思う問題が出題されることはあるので、新聞、ニュースなどにも気をつけておきましょう。

着眼点を広げる工夫

普通部の問題には絶対に習わない、という範囲があります。

例えば塩の値段だったり、洗剤の種類だったり、排水口の形だったり、御中の書き方だったり・・・。

こういうことは生活の中で何を見ているか、ということにかかっている。例えばカレーライスの作り方だって、単に食べるだけではなく、どうやって作るんだろうという関心がないと答えられないでしょう。

動物や植物は、ある意味いろいろなところで見かけるのだけれど、それに対する関心がどれだけあるか、でその後の行動が違ってくる。

あの家の庭に咲いていたあの花は何だろう、とか。

あの鳥は何でああいう歩き方をするのだろう、とか。

そういう関心を持っていろいろ見ていると、スーパーマーケットの商品の配置まで関心が出てくるかもしれない。(以前にそういう問題が出たわけですが・・・)

勉強ばかりでなくそういう関心が持てるように、いろいろな話をしてあげると良いと思います。

「お母さんと一緒にスーパーマーケットに買い物に行ったことがある?」と聞くと、「ない!」と元気よく答えてくれる子どもたちが少なくありません。

塾に行って勉強してくれれば、と思いがちですが、やはりそこを狙ってこられている分、着眼点を広げる工夫が必要です。