逆転する子(2)

湘南の女子受験生、というのはやはり粒ぞろいのところがあるので、合格させるのはやはり容易ではありません。

その子がやってきたのは6年生の2学期。というのも、教室まではるか1時間半かかるからでした。地元の塾では湘南の情報はほとんどなし。もちろん受験生もほとんどいない地域からの受験。もし合格すれば引っ越すことが前提となっていたものの、塾に通えるのは土日だけ。

最初に面接をしたとき、しかし、彼女は妙に落ち着いていました。

成績は合格するには物足りないが、今までの周りの状況から考えると、それでも十分トップクラスだったであろうことは推察されました。しかし、それではまだまだ物足りない、ということをまず本人に伝えてみたところが、
「わかっています」
と静かに答えたのが印象的でした。

通塾は大変だが、本人はどうしても湘南に行きたい。というので土日だけ通うことにしてもらい、その分、地元に帰ってやるべき課題を指示してスタート。しかし、さすがに大人っぽい子だったから、やるべき学習の達成度は見事でした。ていねいに、しかも、じっくりものを考える。あまり量を出すわけではなかったですが、しっかりこなして週末に授業を受ける。授業中の集中力もさすがだったと思います。

考えるに、今までにそういう環境が与えられていれば、もっと違う状況になっていたかもしれませんが、まあ、小さいうちにそんなに遠くに通うことは不可能だから、これが最善な選択肢でした。(今は、オンラインがあるので、大分事情が違うとは思いますが…。)

で、11月を超えるころから、明らかにデータが上がり始めました。もっと早くから、と思われるかもしれませんが、やはりそれなりに学力が蓄積して初めて成績が上がるというところがあるので、その時期になったわけですが、試験までは十分に余裕があったので、最後、合格ラインを突破してくれました。

その年は女の子の合格者が割と出た年だったのですが、しかし、その中でもぬきん出て精神年齢が高かった。だからこそ、短期間に詰めるべきところを冷静に詰めることができたのだろうと思っています。

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