憲法に関する問題

改憲議論が出てきていますが、入試でも今後憲法に関する問題は増えるだろうと思っています。やはり自国の憲法はしっかり理解しておいてほしいと思う学校は多いでしょう。

以下は2013年 慶應湘南の問題


次の日本国憲法条文とA~Cのできごとを読み、問いに答えなさい。
日本国憲法条文
【第14条】すべて国民は、(ア)に平等であって、人種、信条、性別…(中略)…により、政治的、経済的及び社会的関係において、差別されない。
【第21条】集会、結社及び言論、出版その他一切の(イ)の自由は、これを保障する。
【第22条】何人も、(ウ)に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
【第25条】すべて国民は、健康で(エ)的な最低限度の生活を営む権利を有する。

できごと
A:ある会社では、女性が入社するときに、結婚するか35歳になったら退職することを約束させられていました。Aさんは退職に応じなかったため、会社から解雇されました。その後裁判が行われ、裁判所はAさんの解雇は無効であると判断しました。

B:生活保護を受けているBさんは、クーラーはぜいたく品であるとして市によって取り外され、その夏に脱水症状で病院に入院しました。その後、Bさんの住む市では、生活保護を受けている家庭でのクーラーの使用が条件つきで認められました。

C:薬局を開業したいと申請したCさんでしたが、Cさんの住む県はそれを認めませんでした。もともとある薬局から約100m以内に新しく薬局を作ることを、法律が禁止していたためです。最高裁判所は、その法律が憲法に違反していると判断しました。

問1 上の空らん(ア)から(エ)にあてはまる語句をそれぞれ語群から選び、番号で答えなさい。
1 知性   2 表現   3 報告  4 うまれながら 5 公共の福祉
6 法の下  7 神の下  8 文化  9 国民の世論 10 政府の命令

問2 A~Cのそれぞれのできごとと最も関わりのある日本国憲法条文を選び、解答らんにあてはまる数字を答えなさい。
問3 文中の下線部のような、裁判所が持つ権限を答えなさい。


問1 
第14条は、「法の下の平等」を保障しています。したがってアは6。
第21条は表現の自由を保障しています。イは2。
第22条は「公共の福祉」に反しない限り、移住、移転、職業選択の自由を保障しています。ウは5。
第25条は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障しています。生存権。エは8。

問2
A 性別による労働条件の差別ですから、平等権に違反します。したがって第14条。
B 最低限度の生活を保障する生存権に対する侵害ですから、第25条。
C 薬事法の規定は職業選択の自由に対する侵害ですから、第22条。

問3
薬事法の規定は憲法違反であると判断したわけですが、これは違憲立法審査権です。どの法律も憲法を違反することはできません。
(答え)違憲立法審査権

内容としては基本的なことですが、憲法の問題は頻出していますので、今のうちにしっかり覚えておきましょう。


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