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受験校か、付属校か

先日、栄光・聖光受験層のお話をしたのですが、「栄光・聖光」受験層は受験校希望だから、普通部は受けないのではないかという質問がありました。

確かに併願校のおすすめで見ると、栄光・聖光受験の2月1日校に出てくるのは、麻布、駒東、サレジオ、逗子開成という感じで並んでくるのですが、しかし、普通部も結構います。

栄光・聖光が残念で、たとえば浅野に合格したという場合でも、普通部に進学する生徒はいます。

この辺、やはり付属といっても大学による、という部分が大きいのではないかと思うのです。

またお住いの地域が神奈川であることが多いので、だとすると普通部は通いやすい。今年、相鉄が東横線に乗り入れたので、さらに便利になりました。

だから、こと慶應に関して言えば、受験校志望でも合格すると変わる可能性がある、ということです。

迷いたくないから最初から受けない、という層もいらっしゃいますし、それは家庭の判断ですが、やはり栄光・聖光志望者で普通部を併願する生徒はいます。

特に塾の指導が2月1日に偏る部分もあるからだとも思いますが…。逆に栄光・聖光を受ける生徒には慶應は受けさせない、という塾もあります。

栄光・聖光受験層

慶應普通部の受験生の中には、2月2日に栄光・聖光を受験する子どもたちが含まれます。

2月2日は湘南があるので、地域もある程度重なるが、それでも栄光・聖光を受けるということだから、本来の慶應受験生とはちょっと違うかな、という印象がありますが、やはりこの子たちは栄光・聖光に行きたい。

しかし栄光・聖光の受験生は過去麻布を受けるという流れが多かったのですが、しかし、これも良く考えてみるとちょっと遠い。

だったら普通部でも、という流れになっているところはあるのでしょう。

一応ここ数年の数字から検討すると、30名前後が栄光・聖光の流れで辞退していると考えられますが、栄光・聖光に合格すればそちらに行くので最終的に枠は空くので、普通部第一志望者はそれをあまり気にしても仕方がない。

栄光・聖光の倍率を一般的な3倍という数値で考えると、普通部の受験生600名のうち100名ぐらいは栄光・聖光志望者がいるわけで、そうすると70名ぐらいは聖光・栄光が残念になるわけだから、この生徒たちはやはり普通部にかけるところは大きい。

だから普通部第一志望者はこの層との競争は頑張らないといけない。

ただ、栄光・聖光と普通部では出題傾向がまるで違うのです。だから、普通部に絞る方が効率は上がるし、少なくとも普通部の試験では有利になる。

そのためにはやはりちゃんと普通部のための勉強をしていくことが大事で、むしろそこでは絶対に勝てるようにしていけば良いのです。

なかなか、一般的な試験で太刀打ちできないときもあるかもしれませんが、普通部勝負に集中していきましょう。

普通部繰り上げ減少の理由

2023年は慶應義塾普通部の補欠繰り上がりが15名前後であったようです。

例年20名から30名前後はあると思われていた数字が減っており、これはやはり普通部の合格発表に起因していると思われます。

男子の慶應志望者の場合、地域的に普通部と中等部を重複受験する生徒が多いのですが、例年普通部の発表が2月3日で、中等部の一次試験日になってしまうので、両校を受験する受験生がほとんどでした。

しかし2023年は、普通部の合格発表が2月2日になり、普通部第一志望者は中等部を受験しなかったことになります。

普通部が発表した合格者は定員180名に対して195名。さらに15名の補欠繰り上げとして210名ですから、30名辞退があったと考えられますが、この辞退者はいったいどこに行ったのかといえば、栄光・聖光に流れたと考えられます。(栄光・聖光の合格者の重複率は、14.2%になります。)

2022年のデータで見ると、合格発表は205名、繰り上げは発表がありませんが、およそ25名と推定されており、ここから定員180名に対して50名の辞退があったと考えられます。

2021年のデータでは、合格発表は195名で、繰り上げがおよそ35名と考えられており、同様に50名の辞退が考えられるとすれば、2022年とほぼ同じ数字になります。

ここから考えると例年20名程度が、実は中等部(もしくは湘南)との重複合格であったと考えられます。

この20名分が原因と考えると、概ね今年の数字に合致します。

今年は中等部が20名定員を減らしており、多分幼稚舎から中等部に進学する数が増えていると推察されていますが、普通部が例年通りとすると、この重複部が消えて、中等部の20名減員を吸収している、とも考えられ、そうすると中等部は今年そう難しくなったわけではない、とも言えるかもしれません。

また、今年は結局普通部の合格者は210名になったわけで、例年の230名から20名減少していることになるから、そうすると各塾の合格実績の合計もおよそ20名減少することになります。

なので、2023年の普通部は難しかった!!という結論になります。

2024年、普通部が合格発表をいつにするのかは、今年の9月に発表されますので、そこでまた来年の数字について大まかな予想ができるでしょう。

(なお数字はあくまで、弊館の推定です。普通部から公式の発表があったのは定員ならびに合格者数だけです。)

成績は良かったのに、二次で落ちた子

後から話を聞くことが多いのですが、成績は良かったのに二次でダメでした、という話をされる方がいます。

現在、普通部は二次試験を全員に課しているので、二次で落ちたという印象にはなかなかならないが、中等部と湘南藤沢中等部は二次試験が厳然とあるので、これははっきりわかる。

ちなみに湘南はスタートの段階で中等部の先生方が協力した背景があるので、どうしても中等部に近いところが出てくるのは流れとしてはあります。

で、成績は良かったのに二次で落ちた、ということで考えられる理由はひとつしかありません。

それは「来ないな」と思われた。

合格を出しても来ないと思われれば、それは成績が良かったとしても、来る子に合格を出した方が良い、と学校は考えるでしょう。

つまり書類、面接の過程などで、「来ない」と思われた理由があったということです。

慶應はどこも総合的に合否を判断する、ということになっていますから、そこには充分注意しないといけない。

特に成績の良い子が陥りがちな点でしょう。

普通部の算数は全部記述

普通部の算数は全部記述式です。

計算に始まって、解答用紙はすべて記述式になっている。

ですから、当然式や説明を書かなければいけないが、その欄は実はそれほど大きいわけでもない。

だから上手に使わないといけないし、書き方にも工夫が要ります。

したがって普通部の答案練習の添削はやはりこれからの対策には絶対必要なメニューです。

土台40分の試験ですから、相当忙しい。それでも書かないといけないので、これはしっかり対策をしていきましょう。