入試問題解説」カテゴリーアーカイブ

規則性に関する問題

2024年慶應義塾中等部 算数4番です。

ある規則にしたがって、以下のように分数を並べました。

    \[ \frac{1}{2},  \frac{1}{4},  \frac{3}{4},  \frac{1}{8},  \frac{3}{8},  \frac{5}{8},  \frac{7}{8},  \frac{1}{16},  … \]

(1)\frac{31}{64}ははじめから数えて何番目の数ですか。

(2)はじめから数えて50番目から60番目までの分数をすべて加えるといくつになりますか。

【解説と解答】
(1)分母は2の倍数、分子は奇数で小さい順に並び、分母より大きくならずに次に進みます。
分母は2、4、8、16、32、64とすすみ、それぞれ
1、2、4、8、16と分子があるので分母が32まで31個。
31は(31-1)÷2+1=16番目ですから、31+16=47番目
(答え)47番目

(2)初めから50番目は(1)から

48番目が\frac{33}{64}、49番目が\frac{35}{64}、となり50番目は\frac{37}{64}です。
60番目は分子に2×10が加わるので\frac{57}{64}です。
11個あるので、(37+57)×11÷2=517だから
\frac{517}{64}=8\frac{5}{64}
(答え)8\frac{5}{64}

立体の問題

2024年 慶應義塾普通部 算数8です。

下の図のような、底面が直角三角形、側面が長方形である三角柱ABCーDEFを、点P、Q、Rを通る平面で切りました。この平面と辺CFの交わる点をSとするとき、CSの長さを求めなさい。

【解答と解説】

図のように、三角柱を2倍にした直方体を考えるとき、
CQ:QB=1:1からUC=PB=1cm
三角形TCUと三角形TAPの相似からAC=6cm、TC=1cm
三角形TCSと三角形SFRの相似から、
FR=2cm、
TC:FR=CS:SF=1:2よりCS=9÷(1+2)×1=3cm

(答え)3cm

キャンプに関する問題

毎年、1題ぐらいは話題になる慶應義塾普通部の「習ったことがない問題」。
今年はこれでしょうか。理科の3番でした。

問3 キャンプに行き、たき火でカレーを作りました。カレーを作る①なべに火が集中するように薪を組み合わせて、②マッチと新聞紙を使って火をつけました。③カレーの具は、豚肉、ニンジン、ジャガイモ、タマネギでした。調理を始めてしばらくすると④なべの外側が黒くなっていました。

カレーを作りながら、炭火の上に網を置いて、肉や野菜を焼きました。しばらくすると、⑤炭の表面が白くなっていました。食事が終わったあと、⑥たき火と炭火を消しました。

1 たき火をするときに火がつきやすい木はどれですか。次の(ア)~(オ)から1つ選び、記号で答えなさい。

(ア)サクラ (イ)ケヤキ (ウ)イチョウ (エ)スギ (オ)ナナカマド

 

2 下線部①について、どのように薪を組み合わせれば良いですか。次の(カ)~(コ)から1つ選び記号で答えなさい。

3 下線部②について、マッチの火が最も長持ちするのは、どのように持ったときですか。次の(サ)~(ス)から1つ選び、記号で答えなさい。

4 下線部③について、タマネギの切り方としてふさわしいものを次の(夕)~(テ)から2つ選び、記号で答えなさい。

(夕)いちょう切り (チ)くし切り (ツ)たんざく切り (テ)みじん切り

5 下線部③について、一般的には豚肉、タマネギ、ニンジン、ジャガイモの順にいためます。ジャガイモを最後に入れる理由を答えなさい。

6 下線部④について、これと同じ理由で黒くなるものを次の(ナ)~(ネ)から1つ選び、記号で答えなさい。
(ナ)米をなべで炊いたら、底の方の米が黒くなった。
(二)カレーを作りながら汗をぬぐうと手が黒くなった。
(ヌ)炭火の上に置いた網に切ったニンジンを置いたら、黒くなった。
(ネ)アルミホイルに包んで炭の中に入れたサツマイモが黒くなった。

7.下線部⑤について、この白いものは何か答えなさい。

8.下線部⑥について、火を消すのに効果がないものはどれですか。次の(ハ)~(ホ)からすべて選び、記号で答えなさい。
(ハ)たき火に水をかける。
(ヒ)たき火に土をかける。
(フ)うちわで風を強く送る。
(へ)たき火に新聞紙をかぶせる。
(ホ)薪をバラバラにして土の上に置く。

【解説と解答】

そういえば、息子が普通部の1年生のときに、遠足で日帰りキャンプに行き、カレーを作って帰ってきましたから、まさに今回の出題はそこからスタートしたのかもしれません。きっと1年生、何もやったことがない子が多かったのかも。

1 スギが一番、火がつきやすいでしょう。スギは針葉樹で、油分が多いので、たき火には良い材料です。

(答え)エ

2 火が点けば、下から上に空気が流れるので、下から空気が入りやすい構造にするのが良いから、ケが良いでしょう。

(答え)ケ

3 同じように火は下から上へ空気の流れをつくりますから、サは消えやすく,シは熱いでしょうが、一気に燃えてしまいます。答えはスです。

(答え)ス

4 たまねぎの切り方は、タマネギの形を残すのならくし切り。またみじん切りで、完全にカレーの中に溶かし込んでしまう、という方法もあります。

(答え)チ、テ

5 じゃがいもはくずれすいので、最後に入れます。

(答え)くずれやすいから。

6 たき火をして、ススがついているので黒いのです。ナ、ヌ、ネはこげているのでススではありません。汗をぬぐったとき、すでに顔にススがついていたので、黒くなったのでしょう。

(答え)二

7 白いものは灰です。木が燃えると、灰が残ります。

(答え)灰

8 効果がないものです。風を送れば、火は燃えさかるようになります。新聞紙をかぶせても燃えるだけですね。

(答え)フ、へ

今年の遠足に行くときは、こういう問題ができた子どもたちですから、少しは先生方の手間が減るでしょうか?

普通部は、学校でも塾でも習わないことを一部、出題の中に入れていきます。過去問をご覧になると、理科や社会で、エ?と思われる問題に遭遇するでしょう。じゃあ、この対策はどうするのか?

どんな問題が出ていたかを考えて、それに類する体験を増やすことが、まず第一ですね。例えば以前、スーパーマーケットの入口付近にはまず何が置いてあるかと言う問題が出たことがあります。

じゃあ、スーパーに行ってみよう、で良いのではないでしょうか?

平面図形の問題

2024年慶應義塾普通部の問題です。

下の図のような四角形ABCDで、頂点Dを通り辺ABに平行な直線と辺BCとの交点をEとします。点FはAE とBDの交点です。AB=AD=AE=BF=CDであるとき、あといの角度をそれぞれ求めなさい。

【解答と解説】

(1)図のように考えると、
∠BAF=∠AFB=△ ∠ABF=○とすれば、△と○は図のようになります。
△AFDにおいて外角から、△が○2個分であることがわかるので、
180°=○5つ分になるから
180÷5=36°
△=72°です。
△ABEも二等辺三角形になるので、(180−72)÷2=54

(答え)54°

(2)AD=DCなので、DからBCに直交する線を引き、Dを中心に半径DCの円との交点をGとします。AD=DGなので、∠DGE=○また 
∠ADH=108°だから、∠EDHも○です。

したがって三角形EGDは二等辺三角形になり、DHとBCが直交しているので、DHはDCの半分になるから、三角形DHCは正三角形の半分で、∠CDH=60°
したがって○いは∠CDH+○=96°

(答え)96°

2024年 慶應義塾中等部 算数5

2つの貯水槽A,Bにはそれぞれ水が320 L、 710 L 入っています。これから、2つの貯水槽からそれぞれ一定の割合で、常に水を排出していきます。また、それぞれの貯水槽には、貯水槽内の水量が200 L になると6時間続けて水が補給されますが、貯水槽A,Bに毎時補給される水量は等しいものとします。[図1]は現在の時刻からの経過時間と、各貯水槽内の貯水量の関係を表したものです。このとき、次の□に適当な数を入れなさい。

(1) 貯水槽A,Bに水が補給されているとき、それぞれに毎時□Lの水が補給されます。
(2)貯水槽Bにはじめて水が補給されるのは、現在の時刻からア時間イ分後です。
(3)貯水槽A、Bの貯水量が2回目に等しくなるのは現在の時刻からア(イ/ウ)時間後です。

【解説と解答】

(1)グラフからAは320Lから200Lになるまで3時間ですから、1時間に40L出ています。
その後6時間で1100-200=900Lまで戻っていますが、出ているのは40×6=240Lなので合計1140Lが入っているから、
1140÷6=190L

(答え)190L
(2)Bも補給される量 は190Lで、6時間かけて600L戻っているので6時間で出た水の量は190×6−600=540Lですから1時間あたり90Lの水が出ます。 したがってBに初めて水が補給されるのは
(710-200)÷90=52/3時間=5時間40分後
(答え)5時間40分後

(3)Aは毎時40L出て、190L入ります。
これから9時間後に1100Lになり、そこから毎時40Lずつ出ていきます。
一方Bは毎時90L出て、190L入ります。
これから5時間40分後に水が入り、11時間40分後に800Lになった後、(800-200)÷90=6時間40分後ですから、
11時間40分+6時間40分=18時間20分後に水が入り始めます。

このときAは9時間20分水が出ていますので、40×9&1/3=1120/3L水が出ているので、1100-1120/3=2180/3L 残っているので、Bとの差は2180/3-200=1580/3Lです。
この差が1時間あたり100+40=140Lで縮まるので、1580/3÷140=3&16/21
18&1/3+3&16/21=22&2/21

(答え)22&2/21時間