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グラフを使いこなす

速さの問題にはいろいろな条件が課されます。

しかもそれが文章で表されることが多いので、実際にどの条件が何を意味しているのか、ピンと来ないことも多い。それ以上に使っていない、という場合もあるものです。

なので、そういうことを整理するためにもグラフは大いに使った方が良い。グラフが問題に提示させていなくとも、グラフを描くことで気がつく問題が案外多いのです。

そこで注目すべきポイントは次の2点。

1 同じ時間動いているところ

2 同じ距離動いているところ

これはグラフ上ではわりとすぐわかります。

縦を距離、横を時間と考えれば1は同じ横の長さで動いている場所はないか?ということだし、2は同じ縦の長さで動いている場所はないか?ということを探せば良いのです。

なので、面倒に思わず、今のうちは手早くグラフを描ける練習をしていくと良いでしょう。

グラフが使えるようになると、解ける問題の幅がどんどん広がっていきますから、グラフを描くのは遠回りでは決してないのです。まずはグラフを描く練習をしましょう。

2023 普通部 算数

普通部の出題は今年は8題でした。

本年の出題は9題。昨年も9題で、それ以前の10題の年に比べて問題レベルがやや上がってきた印象があありましたが、今年も1題減って、全体としてやや難しくなった印象がありました。

すべて記述式ですが、どこまで説明するか、という問題はあり、およそ1問5分で仕上げることを考えると、やはり過去問で練習を積み重ねていく必要があります。

似たような問題というのはやはり出ているので、普通部のレベルになれるという意味でも過去問の練習は早い方が良いと思います。

ただし、最初は別に時間を計る必要も無いし、1年分についてすべての問題をやる必要もありません。1問1問ていねいに解いていきながら、解き方を書いていく。きちんと式や説明を書いていく勉強が必要です。

ただ答えを出せばいいというやり方はせず、じっくり解いていってください。それが普通部の傾向になれる一番の方法です。

2023年出題テーマ
1 計算問題2題 2 条件を整理する問題 3 方陣算 4 立体図形 5 平面図形 
6 平面図形 7 速さ 8 場合の数 

定規、コンパス、分度器の持ち込みが求められていますが、今年は特に作図の問題はありませんでした。

理科の計算問題の扱い

算数で比と割合を習った後、理科は計算問題をテーマとしたカリキュラムが続いていると思います。

比と割合がわかっていないと、これらの問題はできないので、どうしても算数で習った後に集中します。そして、どんどん難しくなる。

力のつりあいにしても、電気にしても、水溶液にしてもなかなか難しくなる。

特に受験校の理科はそれぞれの学校でいろいろ特徴があります。

ただ、慶應の場合はそれほど計算問題が難しくない。

出ないわけではないが、基礎がしっかりできていれば大丈夫な問題がほとんどでしょう。

元より慶應義塾大学に全員が進むのが前提ですから、大学受験での力を求められていない。

むしろ自分で見て、自分で気づいて、自分で考える、というようなプロセスの問題が出題されます。

なので、あまり複雑な計算問題に手を付けなくても良いでしょう。

科目バランス

塾に通うと組み分けテストがあるし、各教科それぞれ先生が違うので、科目のバランスをついとりがちですが・・・。

しかし、今社会をがんばってもあまり意味がない。

というのは、また忘れてしまう。早くももう地理の復習に入った塾もあるでしょうが、しかし、今から覚えてもまだ半年以上も先の話。それまで本当に覚えてられるか?といえばそうではない。

しかも直前期に知識が入れば、点数がどんどん上がっていくところはあるので、それは組み分け対策ではなくて、入試対策としてやった方が良いのです。

それよりも今は算数と国語。特に算数が大事な時期です。

いったんはすべての範囲が終わっているところが多くなっているでしょうが、しっかり穴が空いている。

場合の数がだめ、速さがわからない、数の性質は言っている意味がわからない、などなど。

そういうことにひとつひとつ手をいれていき、できれば夏休み前に算数を一度完成に持って行ければ、秋の摸擬試験は本当に楽になります。そこでさらに知識の力が加われば偏差値はどんどん上がっていく。勢いがつけば多少足りなくても最後に合格ラインを突破することができる。

だから、今のうちは努めて算数をがんばることです。合格者平均点と不合格者平均が一番離れる科目だからこそ、そこを得点源にしていきましょう。