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湘南の配点

湘南の配点は算数国語が100点満点、理科社会が50点満点。合計300点満点。

で、理科は25問弱なので、1問が2点配点。社会は約40問あるので、1問1点配点。理科社会で50点×2=100点満点で、正直あまり差がつくかな、という印象を持っています。

一方算数は、小問だけで見るとおよそ20問なので、1問が5点平均。

国語は【1】が5問 【2】が小問8問、【3】が小問が11問。【4】が作文。【1】と【4】を10点として、【2】を40点 【3】を40点とすると、小問1問の配点は約4点。

となると配点が大きいのは算数、次いで国語の読解、あとはみなだいたい2点から1点。それを積み重ねれば当然、差は大きくなりますが、まず取りこぼしていけないのは算数と国語の読解ということになるのです。

中でも算数は大きい。算数の小問1つのミスは理科では2問ないし3問、社会にいたっては5問から6問に相当する。つまり算数ができれば合格しやすいという傾向の入試問題なのです。

だから、今のところは湘南に関しては算数に力を入れるべきでしょう。特に湘南はその傾向が明確な問題である、と言うことができます。

一般生の場合はとにかく【4】までノーミスで来て、今年の場合で言えば【5】と【6】で6問ありましたから最低3問。できれば4問。これでだいたい80点から85点ということです。でも【4】までにミスがあるだろうから80点に収まればよし、ということでしょうか。

特にミスを少なくすることと、応用力をじっくり鍛えることに力をいれていきましょう。

配点の違い

普通部は各教科100点満点の400点満点ですが、中等部と湘南は算数と国語が100点、理科社会が50点の300点満点、すなわち傾斜配点です。

で、傾斜配点というのは、やはり算数で決まる率が上がります。理科社会は結構問題数も多いのですが、よくよく考えてみると各問1点か2点。

しかし算数は1問5点以上はあるわけで、算数のミス1問を理社では5問できないと取り返せない。また中等部の理科社会はそんなに大きな差が開かないので、やはり算数で決まるところがある。これは湘南も同じです。

多くの塾は先生の配置の関係から、そこそこ理科も社会も授業があるわけですが、本当は算数は最低2倍の時間をかけないといけないものなのです。

しかも、湘南も5番6番が難しくなくなってくると、本当にミス1問が大きくなる。

したがってここからとにかく考えなければいけないのは「算数のミスを徹底的に減らす」ということなのです。

計算は絶対に合っている、ということになっていないといけないし、問題文の読み違いもやってはいけない。というのはわかっているのだが、それをやるのが子どものすること。

ですが、やはり無策ではいけないわけで、ここからとにかくていねいさを培っていくことが大事です。

たくさんの問題をこなすことばかりに目を向けてはいけません。たくさん解かなくてもいいから、とにかく正解率を上げる、ミスをしないということのために、具体的にどんなやり方をしていくか、工夫が必要なのです。

問題文に下線を引いたり、どこでもう一度問題を見直すか、など事細かな作戦を立てていくべきで、それはこの夏休みから練習していきましょう。

直前にやれば大丈夫、と思いがちですが、そんなことはありません。やはりこういうことは身につくまでに時間がかかるので、今から少しずつチェックのルーティンを入れていきましょう。

湘南の社会

湘南は理科も社会も試験時間が25分で50点満点です。

社会はオーソドックスなテーマとかけ離れる問題が出題されることも多い試験ですが、元となる知識がしっかりしているかどうかを確認しておくという意図もしっかり残っているので、典型的な社会の知識問題も合わせて出題されています。

したがって、まずは地理、歴史、公民についての知識を正確に覚えていきましょう。

特に良く出題されるテーマとしては

地理→地図の見方

歴史→明治以降の近代史

公民→憲法と基本的人権

があげられます。また現代社会の問題として湘南キャンパスの特質からインターネットに関する問題がたまに出てきています。

またここのところ現代社会の問題は頻出しています。時事問題のフォローばかりでなく、日ごろから小学生なりにニュースや新聞に気をつけていきましょう。

知識の細かさはそれほどでもないので、塾で提供している暗記用のテキストで充分です。夏休みぐらいからしっかり覚えていきながら、過去問の練習を続けていってください。

容積に関する問題

2022年慶應義塾湘南藤沢中等部の問題です。

図1のような、ふたのない1辺12 cm の立方体の容器が水平な床に置かれている。この立方体には、図1のように、高さ6cmと10 cm の仕切り板ア、イが、底面ABCDを3等分する位置にまっすぐ取り付けられている。仕切られた底面を○あ、○い、○うとし、仕切り板の厚さは考えないものとする。また、図2は面FBCGを正面にして見た図である。


(1)容器が空の状態で、○あの真上から水を毎秒48 cm3 ずつ入れたとき、容器の中の水がいっぱいになるのは何秒後ですか。
(2)容器が空の状態で、○うの真上から水を毎秒48 cm3 ずつ入れたとき、○あの部分の水面の高さが底から2cmになるのは何秒後ですか。
(3)容器を水でいっぱいに満たし、図3のように、辺ABを床につけたまま、静かに容器を45°かたむけて水をこぼし、もとにもどす動作を行った。この動作を行った後、容器に残っている水の量を求めなさい。

【解説と解答】

(1)12×12×12÷48=36
(答え)36秒後
(2)○うの部分には4×12×10
○いの部分には4×12×6 ○あの部分には4×12×2入るから、
10+6+2=18秒
(答え)18秒
(3)

斜線部に水が残るので、この面積は12×12÷2+4×10-4×4=72+24=96
96×12=1152
(答え)1152cm3

湘南の理科

過去の問題を見ていると湘南の理科は知識をどう使うのか、ということに焦点を合わせていたと思うのです。

しかしここ数年はちょっと変わってきました。

今年の問題も4題で、物理、化学、生物、地学がきれいにそろっていたのですが、その問題が割とオーソドックスな感じになったのです。

ではこれまでのように、考える問題は出ないのか?といえば、そんなこともないように思えます。

慶應は大学付属校ですから、受験校のように大学受験に必要な物理や化学に対して早くから得意であることは必要ありません。

ただ今後起こりうる問題を自分で考え、その解決策や答えを導き出す力があるかどうかは必要だと考えており、そういう考え方が実際にできるかを入試で試していこうという意図は当然あるはずなのです。

したがって湘南の対策としては、オーソドックスな問題と自分で考える問題の両方を想定していく必要があるでしょう。

まずはしっかり基礎を勉強する。そして後は過去問をやっていけば良いのではないでしょうか。基礎の部分はどのみち勉強しなければいけないことだから、まずそこをしっかりやる。あとは過去の問題をしっかり練習していくと良いでしょう。考える問題はなかなか作りにくいので、ここのところ遠ざかっている、という印象が強いのですが、出ないと決まっているわけではないので、気をつけておきましょう。

湘南の国語

湘南の国語は長文読解が2題と漢字。そして作文です。

例年1問目が漢字になるわけですが、最近は漢字の書き取りにはなっていないところがあり、むしろことばの問題として捉えた方が良いでしょう。同音異義語、反対語など割と熟語の問題が多くなりました。

それ以外にも慣用表現、擬態語、擬音語なども出題されるので、ことばに関する知識はなるべく多くしていきましょう。それでもその場で思いつかない、ということはありますが、練習は続けて行きましょう。

長文読解は、物語文と説明文の読解で、これは多くの学校とパターンが同じです。記述の問題も若干出ますが、あまり長くはないし、本文の表現を書き抜く問題も多いので、これは類題がたくさんあります。

近年、物語文について採録する文章が大分長くなってきました。ある程度読む速度も必要だとは思いますので。練習を積んで行きましょう。

ここまでは、割とどの学校にも通用する対策になるわけですが、作文はあまり見受けられない出題となります。

毎年、いろいろなテーマで作文を書かされることになりますが、概ね百字程度です。

自分の考えをまとめて表現する、ということがメインのテーマで、その問題が多岐にわたります。ただ、ひとつだけが正解というわけではないので、どちらかといえば考えをしっかりまとめて表現できるか、ということに採点の基準がおかれています。

これは進学後、レポートが多くなるので。自分の考えをまとめる作業があまり得意でない子どもを見分ける必要があるから、ということのようです。したがって、過去問を中心に練習し、作文を書く機会を増やして行ってください。

良く天声人語などの要旨をまとめる練習をさせる塾がありますが、これは湘南が求めていることと違います。あくまで、自分の考えをまとめて相手にわかってもらうように文章にするということなので、テーマは何でもいいわけですから、なるべく書く機会を増やすのがよいでしょう。

速さに関する問題

2022年 慶應湘南藤沢中等部の問題です。

る。三田さんはA町を、藤沢さんはB町を同時に出発して、A町とB町の間を一往復した。
     三田さんの登る速さと下る速さの比は5:9
     藤沢さんの登る速さと下る速さの比は3:5
であり、登りも下りも藤沢さんの方が三田さんより毎分6m速いという。
(1)三田さんの下る速さは分速何mですか。
(2)2人が同時に出発して、最初に出会うのは何分後ですか。
(3)2人が最初に出会ってから、2回目に出会うまでに何分かかりますか。

【解説と解答】
(1)三田さんの下る速さを【9】とすると、藤沢さんの下る速さは【9】+6
一方三田さんの登る速さは【5】となるから、藤沢さんの登る速さは【5】+6
【9】+6:【5】+6=5:3から【25】+30=【27】+18
【2】=12 【1】=6mになるので、三田さんの下る速さは6×9=54
(答え)54m
(2)
藤沢さんが上り、三田さんが下るので、
3240÷(54+6×5+6)=3240÷90=36
(答え)36分後
(3)藤沢さんが上り終わるのは3240÷36=90分後
三田さんが下り終わるのは3240÷54=60分後
藤沢さんがおり始めるとき、三田さんは30分上っているので、
30×30=900m上っているから二人の間の距離は3240―900=2340m
2340÷(60+30)=26分後に2回目に出会うので、最初からは90+26=116分後になるので116-36=80分
(答え)80分

慶應湘南の算数

湘南は3校の中で算数の問題が一番少なくなります。

おおむね大問6題。最初の2題は一行問題や計算が小問に分かれている場合が多く、3番と4番は標準的な応用問題。5番、6番が発展した問題と位置づけることができます。

湘南の場合、帰国子女も同じ問題を解くので、あまりに難しい問題ばかりを並べると差がつかなくなる。一方でやさしい問題ばかりを並べると一般生の差がつかなくなる。

ということでこういう構成になってきたのではないかと思っています。

帰国の生徒の場合はだから4番までをまず正確に解くことを考えさせます。5番、6番は前半の1問、ないし2問が解ければよし、と考える。

一方、一般の場合は4番まではノーミスでいってほしい。5番、6番が半分はできて合格ラインかな、というイメージを持っています。

したがって帰国か一般かで対策は多少違います。

帰国生の場合は4番までがひとつの目標だから、あまり難しい問題はやらない。むしろ一行問題や基本問題を徹底的にやり、そこから中堅の男子受験校ぐらいの問題が解けるように練習します。

一方、一般の場合は4番まではとにかく正確にノーミスでこなければいけないから、その部分は帰国と同じですが、さらに発展して応用レベルの問題まで練習をする必要があります。

で、夏休みまでは特にこの難しい問題の対策を考える。逆の順番をイメージされるかもしれませんが、難しい問題を考えるためには時間が必要なのです。そして、難しい問題を解くためには当然、基本がわかっていないといけないわけで、難しい問題をじっくり考える、ということは基本も確認できる。ただ、時間がかかる分だけなるべく早めに練習をしたいのです。

そして後半はむしろミスなく、確実に解く練習をしていく。さらに言えば、自分ができる問題を見分けて、時間内になるべく多くの点数をとるというような練習をします。

だから夏休みまでは、難しい問題に挑戦してください。といっても、全部の問題ができるわけではないでしょう。1問15分考えてだめなら、そこで解説を読んで、解き方を理解することです。なぜ、こうなるのか?解説を読み解いてください。そしてできればもう一度自分で答えを出してみる。

「なるほど、こう解くのか。」とわかれば一問終了です。

一問をここまで終わるのに結構時間がかかりますが、これは絶対にかけてください。たくさんの問題を解いてもこの時間が少なければ力はつきません。本人がどのくらい納得いったかが、大事なのであって、解いた問題数が多ければ良いというものではありません。あわてずにじっくり取り組んでください。

平面図形に関する問題

2022年慶應湘南藤沢中等部の問題です。

次の図は、たて24 cm、 横32 cm、 対角線の長さが40cmの長方形ABCDである。また、BDを直径とする半円を図のようにかくと点Cは半円上にある。このとき、次の問いに答えなさい。ただし、円周率は3.14とする。
(1)かげのついた部分の周りの長さを求めなさい。
(2)かげのついた部分の面積を求めなさい。
(3)長方形ABCDをBDを折り目として折り返したとき、頂点Cの移る点をE、BEとADの交点をFとする。このとき、三角形BDFの面積を求めなさい。

【解説と解答】

(1)40×3.14÷2+24+32=62.8+56=118.8
(答え)118.8cm
(2)20×20×3.14÷2-24×32÷2
=628-384=244
(答え)244cm2
(3)三角形ABFと三角形EFDは合同の直角三角形です。
三角形FBDはFB=FDの二等辺三角形になるので、FからBDに垂線を下した線とBDの交点をOとするとBO=ODとなり、三角形BFOは直角三角形。
ここで角FBOと角DBCが等しいので、三角形FBOと三角形BDCが相似。
BO=20cmからFO=20×24/32=15cmになるので、
三角形FBD=40×15÷2=300
(答え)300cm2

規則性に関する問題

2022年 慶應湘南藤沢中等部の問題です。

右の図のように数のかかれた白いカードと黒いカードが並べてある。

(1)10段目の左から4番目のカードの数を求めなさい。
(2)15段目のすべての白いカードの数の和を求めなさい。
(3)ある段の白いカードの数の和と,黒いカードの数の和を比べたら,その
  差が61であった。そのような段は何段目と何段目ですか。

【解説と解答】
(1)9段目の一番左は37、10段目は37+9=46ですから、左から4番目は
46+3=49です。
(答え)49
(2)15段目の一番左は、(1+14)×14÷2=105 105+1=106です。
奇数段目は最初が白ですから
106、108、110…と進んでいき、(15+1)÷2=8個並びますから、
106+2×(8-1)=120までです。
(106+120)×8÷2=226×4=904
(答え)904
(3)奇数段は最初が白ですから、白が必ず1個多くなります。
偶数段は最初が黑で、白と黒が同じですが、白が必ず1ずつ増えます。
したがって偶数段は61×2=122段目
奇数段の差を調べてみると、
1、5、13、25、となるので、次は41、次が61ですから、11段目。
(答え)11段目と122段目