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テストのやり直しのポイント

テストが帰ってくると、やはり偏差値とか順位とかが気になると思うのです。

しかし、一番大事なのは答案です。テストの間違い直し、というのはやっている子が多いと思うのですが、ただ解き直すだけでは効果が上がりません。

もちろんやらないよりはいいわけですが、しかし、どうせやるのなら、解き直して何を間違えたのか、何に気がつかなかったのか、ということをしっかり分析する。別に叱らなくてもいいのです。事実を明らかにして、それを記録しましょう。

例えば算数についていえば、単純にミスといってもいくつかあるでしょう。

1 計算間違い
2 問題の条件の見落とし
3 問題の条件の勘違い
4 解いている数の取り違え

などが挙げられると思うのですが、これがいったいどのくらいあったのかを記録するのです。そして記録したら、次に対策を考えます。こういうミスを少なくするために何をするか。

例えば計算間違いが20問中4問あったら、計算間違いの率は20%ですから、次回はこれを減らすという目標を立てる。そして、そのために何をやるかを決めて、また次にデータをとる。

そうすると、無事ミス率が減っているのであれば、これは大いに褒めてあげるべきでしょう。そうやっていくつかの目標を作って、それを達成するために何を実行し、その結果をまた記録する、というように細かく分けて考えていくのです。

そうすると、実に多くの点を早く改善できるようになります。偏差値や順位よりも、答案が語ってくれていることをしっかり記録して、そこから次の手を考えていきましょう。

慶應3校、どこに一番行きたいか?

同じ慶應ながら3校とも出題傾向は違います。

まず配点からして違いがある。

普通部は4教科100点満点の400点満点であるのに対して、中等部と湘南は算国100点、理社50点満点の300点満点。傾斜配点になっています。

したがって普通部はバランスが必要になり、中等部や湘南は算数で大きな差がつきやすい。

またその中等部と湘南でも問題構成はまったく違います。だからどこを第一志望にするかによって、対策の仕方はまったく違ってくるのです。

男子は3校受験できますが、しかし4日、5日を二次試験があり、また午後も1日は行きにくいですから、それなりに受験機会を確保するならば、どこかをやめるという選択もある。

女子は1日が空きますが、そもそも慶應の門戸は女子に対しては厳しいので、例えば御三家を受けたいということになると必然、いろいろな選択が出てくるでしょう。

少なくともそういうプランニングを早めに考えることで、対策はシンプルになってくるので、どこを第一志望とするのか、そろそろ絞り込んでいくと良いでしょう。

普通部で野球部に入って甲子園に行けますか?

今年の春の選抜高校野球に、5年ぶりに慶應義塾高校が出場します。

神奈川県大会というのは、強豪校が目白押しで、かつ参加校数が一番多い。東京は夏の甲子園は東と西に分かれて2校出場できますが、神奈川は1校だけ。

だから大変なのに、よく頑張ったと思います。

で、普通部出身でベンチ入りする選手もいるでしょう。

慶應義塾高校には推薦入試制度があり、例えばリトルリーグで実績を上げた選手を推薦で採ることができます。

ただ、それも成績が伴わないとだめなので、野球ができれば大丈夫、というわけにはいかない。

その分、普通部や中等部出身者にもちゃんとチャンスがあるので、野球でそれなりの素養や実績があれば、もちろん甲子園に行けるチャンスはあります。

これは他の強豪校とは大きく違う点。

他の強豪校の場合、一般枠で入学した生徒が硬式野球部に入れるところはあまりありません。それこそリトルリーグの出身者ばかり。ちゃんとスカウトがいて、全国を飛び回って高校に採る選手を決めていきます。その意味で、慶應義塾高校は他の強豪とは異質なところがあるので、大いに活躍を期待しています。

今年の湘南の作文をCHATGPTに聞いてみた。


「甘いモノって、誘惑は強い割にだいたい体に悪いじやないですか。肥満とか生活習慣病にも繋がるし。だから、国なり県なりで税金をかけて、値段を上げていけば自然と国民・県民の健康が増進されるって
思うんですよ。子供の身体の生育に必要な部分もあるでしょうから、料理に使う砂糖とかは例外として、生活習慣病の人の食生活をある程度追い駆けてみて、どう見てもいけないなあと思うような品目だけでいいんですよ。課税しましょう。」

 問 あなたはこの人と対話をしています。この人の意見に百六十字以内で反論しなさい。

CHATGPT
解答1
私は同意できますが、課税だけで健康増進にはならないかもしれません。また、一部の人々には負担がかかることもあります。代わりに健康的な食生活を促進するための教育や選択肢の提供、適切な栄養の提供など、多角的なアプローチが必要だと考えます。(116字)

ちょっと短いのでもう一度やってみると
解答2
私はこの人の意見には賛同しますが、値段の上げ方については一部異論があります。甘いものが健康に悪影響を与えることは確かですが、税金をかけて値段を上げることで生活習慣病の改善に必ずしも貢献するとは限りません。例えば、手間や費用がかかっている健康的な食品を購入することができない低所得者や、甘いものが慰めとなるストレスフルな生活を送っている人々にとって、税金が高くなっても改善にはつながりません。代わりに、健康的な食生活の普及促進や、ストレスの軽減手段の提供など、多角的なアプローチが必要だと思います。(248字)

システム的にはもうここまでは来ている、ということなのでしょうが、子どもたちの解答はどうだったでしょうか。

前半の学習内容の絞り方

新学年が始まると気ぜわしくなるでしょう。

塾に通っていればまず通塾日数が増える。拘束される時間が長くなる。家でやらなければいけない課題が増える。

なので、やることに追われてしまいがちです。しかし、慶應を狙うわけですから、これからの勉強はそのためのものでなければなりません。そこでまず1年間を大きくふたつの時期にわけ、夏休みまでとそれ以降にして毎年考えています。

前半の目標

1 算数と理科の計算問題を中心に、練習を進める。

2 国語の読解問題の練習を過去問を中心に行う。

前期は、まず算数と理科を中心に仕上げていくということですから、したがって勉強時間の半分を算数に、20%を国語に、20%を理科に、10%を社会に、というイメージが良いでしょう。

カリキュラムの復習にかかる時間をまずしっかり確保してください。カリキュラムを復習しないままにするのは非効率です。

その上で、国語の過去問を1週間に2題程度は必ず勉強するようにしましょう。

これは時間をかけてください。つまりたくさんの問題を解くよりも1問をていねいに解いていくという勉強の仕方が良いと思います。

続いて、算数ですが、これはテキストの復習をしっかり進めていけば良いと思います。

一番大事なのはやりきる量にしぼる、ということです。

あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ、といいながらひとつひとつがものになっていないと、やはり力は付いていきません。

理科は、計算問題を中心としたテーマを勉強してください。生物や地学などの知識系列はもう少しあとで勉強します。カリキュラムの学習を中心にすえて、なぜそうなるのか、をしっかり理解できるようにしましょう。あまり難しい計算問題は手を出さなくても良いです。実際にあまり難しい計算問題は慶應では出ません。その分、基礎力を身に付けておきましょう。

社会は、カリキュラムの復習をやりましょう。知識を覚えることにあまり時間をかけなくてかまいません。覚えるのは後半で良いですが、しっかりテキストは読み込んでください。

具体的に何をやるかを決める、ということはやらないことを決める、ということでもあります。

ですから前半の基本的なルールとしては

1 考える問題を中心にすえる

2 しっかりとした基礎力を創る

としてやる内容を絞り込んでください。