中学受験について」カテゴリーアーカイブ

スーパーへ行こう

普通部の社会の問題では「絶対に塾では教えない問題」が出ることがあります。

慶太君は家の手伝いでスーパーマーケットによく買い物に行きます。果物売り場に行くと、さまざまな種類の果物がたくさん並べられています。そこで日本で売られている果物について調べてみました。これについて、あとの問いに答えなさい。ここでいう果物は,多年生の樹木になるものです。

1.次のア~エは一般的なスーパーマーケットにおける果物の販売の仕方について説明したものです。最も内容の正しいものを選んで記号で答えなさい。
 ア.会計をするレジの近くに配列されていることが多い。
 イ.野菜と一緒に、入口に近い場所に配列されていることが多い。
 ウ.野菜と同じように、ほぼ同じ種類の商品が一年中販売されている。
 エ.売り場の中で、価格の安い商品から順番に並べられていることが多い。

で解答は? と考えるまえにでかけてみてください。

スーパーマーケットによって違うでしょ?と思ったら、複数見てみるのも大事かもしれません。2つ見て、共通する項目は何か?というのも観察力を上げるのには役立ちます。

休みの日にこういう経験をするのも良いかもしれません。

2023 慶應湘南 理科

今年の湘南の理科は大問4題の出題でした。

大問4題。
1 昆虫に関する問題 小問5題 記述なし 
2 太陽に関する問題 小問5題 記述なし 
3 温暖化に関する問題 小問6題 記述1題(皮膚が黒いと体温を保つことができる理由) 
4 ペーパークロマトグラフィーに関する小問5題 記述1題。(ペンのインクのにおいがしばらくすると確認できなくなる理由)
小問数 全21題
25分 50点。

今年はそれほど難しいと思われる出題がありませんでした。

基本的な知識がしっかりしていればしっかり答えられた問題が多く、割といろいろな学校でも見られた出題が多かったのではないかと思います。したがってその分ミスが心配されたでしょう。

ペーパークロマトグラフィーは過去慶應義塾中等部で出題されたことがあり、それを解いていた受験生は比較的気が楽だったかもしれません。

ここのところ、湘南の理科はそれほど難しくない、という年が続いています。

ただ、そのままで大丈夫か、ということに関して言えば、そうでもない。まずはしっかり基礎を固めた上で、過去問の演習を続けていきましょう。

たまに時事問題などで、これは難しいと思う問題が出題されることはあるので、新聞、ニュースなどにも気をつけておきましょう。

着眼点を広げる工夫

普通部の問題には絶対に習わない、という範囲があります。

例えば塩の値段だったり、洗剤の種類だったり、排水口の形だったり、御中の書き方だったり・・・。

こういうことは生活の中で何を見ているか、ということにかかっている。例えばカレーライスの作り方だって、単に食べるだけではなく、どうやって作るんだろうという関心がないと答えられないでしょう。

動物や植物は、ある意味いろいろなところで見かけるのだけれど、それに対する関心がどれだけあるか、でその後の行動が違ってくる。

あの家の庭に咲いていたあの花は何だろう、とか。

あの鳥は何でああいう歩き方をするのだろう、とか。

そういう関心を持っていろいろ見ていると、スーパーマーケットの商品の配置まで関心が出てくるかもしれない。(以前にそういう問題が出たわけですが・・・)

勉強ばかりでなくそういう関心が持てるように、いろいろな話をしてあげると良いと思います。

「お母さんと一緒にスーパーマーケットに買い物に行ったことがある?」と聞くと、「ない!」と元気よく答えてくれる子どもたちが少なくありません。

塾に行って勉強してくれれば、と思いがちですが、やはりそこを狙ってこられている分、着眼点を広げる工夫が必要です。

2023 慶應湘南 国語

2023年の湘南の国語は大問4題でした。

1 かなづかいに関する問10題
2 説明文
藤岡換太郎「海はどうしてできたのか 壮大なスケールの地球進化史」小問10題
記述1問  文中漢字書き取り5問
本文A4上下2段 2ページ
3 物語文(乾ルカ 「願いながら 祈りながら」より)小問8題 記述3題 30字2題、20字1題 本文A4上下2段 7ぺージ 本文は昨年減って3ページだったが、今年は例年通りに戻りました。問題は本文の内容がしっかり読み取れていれば、それほど難しくはなかったと思われます。
4 テーマ作文

「甘いモノって、誘惑は強い割にだいたい体に悪いじやないですか。肥満とか生活習慣病にも繋がるし。だから、国なり県なりで税金をかけて、値段を上げていけば自然と国民・県民の健康が増進されるって
思うんですよ。子供の身体の生育に必要な部分もあるでしょうから、料理に使う砂糖とかは例外として、生活習慣病の人の食生活をある程度追い駆けてみて、どう見てもいけないなあと思うような品目だけでいいんですよ。課税しましょう。」

 問 あなたはこの人と対話をしています。この人の意見に百六十字以内で反論しなさい。

全体として大きく傾向は変わらず、読解2問の出題も変わりませんでした。物語文の長さが例年通りになったので、作文のテーマは割とシンプルに。ディベートを想定した問題で、最初に「反論」と決まっているところが大事なポイント。本人の意見を聞くのだが、必ず反論をしなければならないところが難しかったかもしれません。160字は例年通りの長さで、それほど難しくはありませんでした。

全体として大きく傾向は変わらず、読解2問の出題も変わりませんでしたが、読解する文章の長さはなかなかのものです。ある程度の練習で本文を読まず問題から先にやる工夫をすると、全部ではないができる問題もあるので時間が短縮できる可能性もあるでしょうが、いたずらに小手先の対応をしてしまうと失敗する可能性もあるので、ここはしっかり読む練習を積み重ねていくことが大切だと思います。

近年作文のテーマが長くなり、また、作文自体も長くなってきたことから、かなりスピーディーに読め、また自分の考えをしっかりまとめる能力が求められており、ただの国語と訳が違う、という印象が強くなってきています。

一問一問を掘り下げる

過去問というと、つい試験時間を決めて練習したくなるものですが・・・。

しかし、この時期は、すべての問題にてをつけてもらいたいと思うのです。やはり出題傾向を研究し、一問一問納得して進んでもらいたい。

だから、同じ年度の問題を1回で解く、と考えないことです。

例えば今日は算数を2問解く。明日は国語を1問解く、というようなスタイルで進んだ方が良いでしょう。特に算数はどうやって解くのか、いくつか考え方があるでしょう。解説を読んでみても、いろいろなやり方が書いてある。

実際に答えにたどり着く方法はいくつかありますから、それをマスターすることがやはり大事な勉強になるのです。

またできなかった問題は次に必ずできるようにしておきたい。

なので、ていねいに勉強して、また別の日に解き直してみてください。そうやって一問一問納得して進めば、力は確実についていきます。

グラフを使いこなす

速さの問題にはいろいろな条件が課されます。

しかもそれが文章で表されることが多いので、実際にどの条件が何を意味しているのか、ピンと来ないことも多い。それ以上に使っていない、という場合もあるものです。

なので、そういうことを整理するためにもグラフは大いに使った方が良い。グラフが問題に提示させていなくとも、グラフを描くことで気がつく問題が案外多いのです。

そこで注目すべきポイントは次の2点。

1 同じ時間動いているところ

2 同じ距離動いているところ

これはグラフ上ではわりとすぐわかります。

縦を距離、横を時間と考えれば1は同じ横の長さで動いている場所はないか?ということだし、2は同じ縦の長さで動いている場所はないか?ということを探せば良いのです。

なので、面倒に思わず、今のうちは手早くグラフを描ける練習をしていくと良いでしょう。

グラフが使えるようになると、解ける問題の幅がどんどん広がっていきますから、グラフを描くのは遠回りでは決してないのです。まずはグラフを描く練習をしましょう。

2023 普通部 算数

普通部の出題は今年は8題でした。

本年の出題は9題。昨年も9題で、それ以前の10題の年に比べて問題レベルがやや上がってきた印象があありましたが、今年も1題減って、全体としてやや難しくなった印象がありました。

すべて記述式ですが、どこまで説明するか、という問題はあり、およそ1問5分で仕上げることを考えると、やはり過去問で練習を積み重ねていく必要があります。

似たような問題というのはやはり出ているので、普通部のレベルになれるという意味でも過去問の練習は早い方が良いと思います。

ただし、最初は別に時間を計る必要も無いし、1年分についてすべての問題をやる必要もありません。1問1問ていねいに解いていきながら、解き方を書いていく。きちんと式や説明を書いていく勉強が必要です。

ただ答えを出せばいいというやり方はせず、じっくり解いていってください。それが普通部の傾向になれる一番の方法です。

2023年出題テーマ
1 計算問題2題 2 条件を整理する問題 3 方陣算 4 立体図形 5 平面図形 
6 平面図形 7 速さ 8 場合の数 

定規、コンパス、分度器の持ち込みが求められていますが、今年は特に作図の問題はありませんでした。

理科の計算問題の扱い

算数で比と割合を習った後、理科は計算問題をテーマとしたカリキュラムが続いていると思います。

比と割合がわかっていないと、これらの問題はできないので、どうしても算数で習った後に集中します。そして、どんどん難しくなる。

力のつりあいにしても、電気にしても、水溶液にしてもなかなか難しくなる。

特に受験校の理科はそれぞれの学校でいろいろ特徴があります。

ただ、慶應の場合はそれほど計算問題が難しくない。

出ないわけではないが、基礎がしっかりできていれば大丈夫な問題がほとんどでしょう。

元より慶應義塾大学に全員が進むのが前提ですから、大学受験での力を求められていない。

むしろ自分で見て、自分で気づいて、自分で考える、というようなプロセスの問題が出題されます。

なので、あまり複雑な計算問題に手を付けなくても良いでしょう。

科目バランス

塾に通うと組み分けテストがあるし、各教科それぞれ先生が違うので、科目のバランスをついとりがちですが・・・。

しかし、今社会をがんばってもあまり意味がない。

というのは、また忘れてしまう。早くももう地理の復習に入った塾もあるでしょうが、しかし、今から覚えてもまだ半年以上も先の話。それまで本当に覚えてられるか?といえばそうではない。

しかも直前期に知識が入れば、点数がどんどん上がっていくところはあるので、それは組み分け対策ではなくて、入試対策としてやった方が良いのです。

それよりも今は算数と国語。特に算数が大事な時期です。

いったんはすべての範囲が終わっているところが多くなっているでしょうが、しっかり穴が空いている。

場合の数がだめ、速さがわからない、数の性質は言っている意味がわからない、などなど。

そういうことにひとつひとつ手をいれていき、できれば夏休み前に算数を一度完成に持って行ければ、秋の摸擬試験は本当に楽になります。そこでさらに知識の力が加われば偏差値はどんどん上がっていく。勢いがつけば多少足りなくても最後に合格ラインを突破することができる。

だから、今のうちは努めて算数をがんばることです。合格者平均点と不合格者平均が一番離れる科目だからこそ、そこを得点源にしていきましょう。