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標識に関する問題

社会の問題は、地理、歴史、公民、という分野分けをついしてしまいがちですが、現代の社会、という分野が存在します。時事問題もこの分野に含まれると思いますが、塾ではなかなか取り扱わない問題を出したい普通部らしい問題がありました。

2016年普通部の問題です。


次の文を読んで下の問いに答えなさい。
慶太君たちは先生と一緒に街を歩きながら、気づいたことを話し合いました。
慶太君は、①救急車の車体の前側に書いてある文字に興味を持ちました。これは、車を運転している人が( 1 )ときに、緊急車両がそばに近づいているとすぐにわかるようにするための工夫だそうです。
 慶子さんは、いろいろなかたちの交差点があることに気づきました。
2014年に新しい標識であらわされるようになった交差点があるとのことでした。
 慶二君は、③緑色と白色で描かれた標識を見つけました。これらは( 2 )に対しての避難場所をあらわしていて、2005年にできたものであると、先生は教えてくれました。

1.下線部①は右のようになっていました。( 1 )に当てはまる状況を15字以内で書きなさい。

20160607k001

 2.下線部②で、新しくできたのは右のAの標識です。この交差点について述べた次のア~オの文のうち、内容の正しいものを一つ選んで記号で答えなさい。

20160607k002

ア.つねに交差点の中心に警察官が立ち、交通整理をしている。
イ.環境に配慮した運転をすることが義務づけられている。
ウ.信号機がなく、交差点内を時計回りに走行する。
エ.一度に交差点に入ることができる車は3台までである。
オ.駅前にあり、自由に車を停めて乗り降りしてよい。
3.下線部③は右のBの標識です。 ( 2 )に当てはまることばを書きなさい。

20160607k003


【解説と解答】
(1)バックミラーで見たときに、救急車だとわかるようにしています。
(答え)バックミラーで後ろを見た

(2)信号機がない交差点。一定の方向に回るため、信号機が必要ありません。
(答え)ウ

(3)津波です。
(答え)津波

知らなくてもある程度考えればできそうではありますが、(2)は一時ニュースになっていたことがあり、それを見た子はわかるかもしれません。
冷静に考えるべき問題でしょう。


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本番はやり直すわけにはいかない


5年生の教室から
計算練習



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慶應の記述対策

普通部と中等部だけの時代はあまり、記述に対する対策をすることはありませんでした。

普通部は確かにそれでも数問記述は出ていたものの、あまり長くはなく、むしろ短文で答えるような問題だったから記述といえるようなものではないし、中等部はただひたすら選択式、みたいなところはあったのです。

しかし、湘南がスタートして、湘南に記述問題が出るにつれ、普通部や中等部でも若干記述の問題が出題されるようになりました。

ただ、全体とすればそれほど問題数が多いわけでもなく、また長い文章を書くという問題でもないので、対策にそれほど時間がかかるとは思いません。

過去問をやってみて、特にやりにくさを感じなければ、記述対策はあまり考えなくてもいいでしょう。

ただし・・・

湘南の作文だけは、対策する必要があります。こればかりは、別に正解があるわけではないので、ちゃんと書けばそれなりに点数がもらえるわけだから、きちんと書けるようにした方が良いに決まっています。

で作文の練習というのは、なかなか塾でもやりにくい。だから、家庭で少しずつ作文を書く練習をすると良いのです。だいぶ過去問はたまってきたので、まずそれをしっかりやり、機会があればまた別の課題も作って練習してみてください。


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作業をする問題の増加


5年生の教室から
式を最後まで書ききる



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傾斜配点

普通部は各教科100点満点の400点満点ですが、中等部と湘南は算数と国語が100点、理科社会が50点の300点満点、すなわち傾斜配点です。

で、傾斜配点というのは、やはり算数で決まる率が上がります。理科社会は結構問題数も多いのですが、よくよく考えてみると各問1点か2点。

しかし算数は1問5点以上はあるわけで、算数のミス1問を理社では5問できないと取り返せない。また中等部の理科社会はそんなに大きな差が開かないので、やはり算数で決まるところがある。これは湘南も同じです。

多くの塾は先生の配置の関係から、そこそこ理科も社会も授業があるわけですが、本当は算数は最低2倍の時間をかけないといけないものなのです。

しかも、湘南も5番6番が難しくなくなってくると、本当にミス1問が大きくなる。

したがってここからとにかく考えなければいけないのは「算数のミスを徹底的に減らす」ということなのです。

計算は絶対に合っている、ということになっていないといけないし、問題文の読み違いもやってはいけない。というのはわかっているのだが、それをやるのが子どものすること。

ですが、やはり無策ではいけないわけで、ここからとにかくていねいさを培っていくことが大事です。

たくさんの問題をこなすことばかりに目を向けてはいけません。たくさん解かなくてもいいから、とにかく正解率を上げる、ミスをしないということのために、具体的にどんなやり方をしていくか、工夫が必要なのです。

問題文に下線を引いたり、どこでもう一度問題を見直すか、など事細かな作戦を立てていくべきで、それはこの夏休みから練習していきましょう。

直前にやれば大丈夫、と思いがちですが、そんなことはありません。やはりこういうことは身につくまでに時間がかかるので、今から少しずつチェックのルーティンを入れていきましょう。


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容積に関する問題


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解答の清書



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使っていない条件はないか

算数の問題文を読んでいると、条件がいくつか出てきます。

特に速さなどは、文章が長く、実際に内容をつかむまでに時間がかかります。しかし、解いていきながら、どうしてもわからないときがあります。

ところが、そういうときに結構多いのが、「条件を使っていない」場合です。

すべての条件を使って、解けるという問題がほとんどなので、使っていない条件があれば、解けないに決まっています。

ところがそういうミスを犯す。

なぜかというとチェックしていないからです。

そこで、問題文に下線を引きます。

条件と思われるところには全部。そして記号をつけておきます。

そして解いていく。使ったらその条件を消す。あとからでもかまいません。

それで解けないときに、使っていない条件が見つかります。また使っていない条件がわかった時に、逆にヒントが見つかることが多いのです。

確認のために、これもぜひ日頃問題練習をするときから、身につけておくと良いでしょう。


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まだこれからという気持ちを持つ


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誰が見ても合っていると思う字を



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知識問題

中等部では国語の知識問題が良く出題されます。

中等部の場合は採点の観点からなるべくだれが採点をやっても同じになるような解答形式で組まれている。で、多くの場合、ことばや熟語の問題だったり、文学史や漢字だったりしていたわけです。

ところがここ数年、演劇の問題が出てくるようになった。さらに短歌や俳句についての問題も出題が増えました。

で、これに対する対策というのがなかなか難しい。

基本的な短歌や俳句のルールを学ぶのはそれほど難しくはないが、そんな簡単な問題が出るわけでもありません。

また演劇に関して言えば最早ちょっと対策のしようがないところはある。もちろん歌舞伎などは見に行ってもいいが、それだからといって具体的な対策になるとは限らない。

で、あまり細かなことに気を使わないことだと思います。

例えば中等部の漢字も難しい時は本当に難しい。その場合、できる子も多くないのだから、そこはあまり心配しない。

細かい知識はやろうと思えばいくらでも増えてしまう。だから時間がいくらあっても足りなくなります。

そういうところはあまり気にしない。思い切って切り捨ててしまっていいでしょう。みんなができるようなことはちゃんとできる、というのが一番重要なことですから、あまり細かな知識に振り回されないようにしましょう。


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第275回 個別指導のわな


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子どもにやってもらう



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急がせない

普通部にしても、中等部にしても算数の問題数は多いので、やはり問題を解くスピードはある程度必要になります。

しかしながら、急いで解くということは、ミスにつながる。

問題を読み飛ばす。計算間違いをする。急いでろくなことはないのです。

ところが過去問をやっていて、最後までたどり着かないと、どうしても「急いで」という言い方になってしまうもの。

これは慎んだ方が良いでしょう。

急がせる、というよりは正確に解く、ということの方が重要です。急いで解いて間違いだらけになっては意味がない。

塾の模擬試験は一般的に、差をつけるために問題をたくさん出します。私はあんなに忙しい入試はないと思いますが、しかし、そういう問題を出されると、やはり子どもは急ぐというかあわてる。

あわてるとやはりミスの率は上がるものです。

「君にとっては6番までが問題だと思って解いてくれる?」

と子どもたちには言います。

最後の2問までたどり着かなくとも、やった問題が正解であれば、必ず合格します。

スピードよりも正解率を気にしてください。


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記述問題対策


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高校で再挑戦する

慶應は小学校、中学校、高校、大学と4回入るタイミングがあります。

で、そのうち中学校と高校、どちらが入りやすいでしょうか?

まず定員。女子は中等部が約50名。湘南が約60名。合計110名。慶應女子高校の定員は約100名であまり変わらない。そして偏差値的にもやはり両方ともトップランクでしょう。だから厳しさはあまり変わりません。

男子の方は普通部が180名、中等部が140名、湘南が60名で合計380名。 高校は慶應義塾高校が約370名、慶應志木高校が約230名合計600名。そう、男子は高校の定員がかなり大きくなるのです。

ただし、湘南は一貫校になるので、東京、神奈川、千葉、埼玉からは受験できません。(全国枠ならびに帰国枠はあります。)さらに慶應ニューヨーク学院も募集はあるわけですが、まあ、これは特殊な試験なので別枠に考えておきましょう。

男子に関して言えば、やはり定員が多い分高校の方が入りやすいとは言えるでしょう。だから、中学を受けて、だめなら高校、という考え方も大いにありだと思うのです。

中学からまず挑戦して、それでダメなら、他の学校を考えずもう一度挑戦してみても良いかもしれません。


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突然ペースが落ちるのが普通


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できた!



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歯止め

慶應は中学から留年があります。

進級の推薦に漏れると中学1年から留年する。同じ学年をまた1学年やり直すことになります。

慶應の場合、同じ学年は2回しかやれないので、次の年は必ず上がらないといけませんから、下の学年に落ちてさらにそのプレッシャーにも耐えないといけない。

普通にやっていれば特に問題はないが、本人が勉強しなければやはり進級はしないものです。

大学受験がないからのんびりしている、と思われるかもしれないが、案外これがしっかり歯止めになっている。

勉強はしないと上がっていけない、というプレッシャーは実は受験校よりも相当しんどいものがあるのです。


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ちょっと寝る、の効用



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我が子に合うか

往々にして、親自身が慶應だったので、我が子も慶應に、という方は少なくありません。しかし最初から慶應に決めてしまう、ということは多少なりとも先先を限定してしまうことになる。

例えば理系を選ぶ、ということになると、医学部、理工学部、薬学部の3つしかない。逆に考えれば、医学部でも薬学部でなければ理工学部しかなくなるわけで、大学受験をした方がそれなりに可能性を自分で広げられる部分があります。

一方、大学受験がないということは、時間に余裕はできる。ということはクラブ活動をしっかりやれないと学校生活は楽しくない。別にうまくなくてもいいが、それなりに部活を楽しめる、という部分はこれは受験校に比して大きい部分があります。

そういったいろいろな要素が我が子に合うか、という点をよく考えていないといけない。

自分が出で良かったから子どもにも合うと自動的に考えてはいけないのです。我が子であっても個性は違うし、どういう可能性が伸ばせるかを多少見極めた上で考えた方が良いと思うのです。

子どもの可能性が伸びる学校であれば、それが一番なのですから。


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一行問題で気をつけること

例えばこんな問題がよく出題されます。

A君が5歩で行く距離をB君は3歩で行きます。
またA君が3歩行く間に、B君は2歩歩きます。
二人の速さの比を求めなさい。

という場合、歩幅の比がA:B=3:5 動きの比がA:B=3:2ですから、速さの比はA:B=9:10になります。

しかし、問題の条件がA君の歩幅はB君の3分の2です。という条件に変われは今度は歩幅の比は2:3になるので二人の速さの比は同じになります。

で大事なことはひっくり返してかける、という認識ではなく、歩幅の比と動きの比をかけて速さの比にする、という基本です。

歩幅が1秒間に何歩動くか、が速さなわけで、それをしっかり認識すればミスは減るわけですが、つい距離とでたらひっくり返す、みたいな覚え方をしていると、間違えてしまうことになるのです。

算数の一行問題は何回も同じような形で出てくる分、ああ、ここはこうして、みたいなパターン行動が生まれて、間違えるケースが多いのです。
別に速くなくてもいいので、よく問題を読んで、何を聞かれているのか、問題を解く本質は何なのかを明確にして解いていってください。

決して解法を丸暗記してはいけません。


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ドジノートの作り方


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