慶應受験 戦略相談室」カテゴリーアーカイブ

塾に通わせながら慶應を目指すご家庭へ。
合否の構造を整理するための無料記事です。
具体的な学校別分析はWEB会員で扱っています。

「わからないまま進む」を減らす

塾の授業は、毎週どんどん先に進みます。

宿題も次々に出るので、ひとつの問題で立ち止まっている時間はなかなかありません。その結果、よくわからない問題があっても、とりあえず答えを写し、丸をつけて次へ進んでしまうことがあります。

しかし、この「わからないまま進む」が増えてくると、勉強時間をかけている割に、なかなかできるようにはなりません。

ただし、わからない問題をすべて解決しようとする必要もありません。

塾の教材には、基本問題から難しい応用問題まで、さまざまな問題が入っています。受験する学校によっては、そこまで難しい問題を解けなくてもよい場合があります。

大切なのは、わからない問題を全部なくすことではなく、放置してはいけない問題を見分けることです。

たとえば、計算の基本、割合、速さ、図形の基本的な考え方など、志望校で繰り返し出題される分野は、そのままにしてはいけません。

理科や社会でも、よく出る知識や、今後の学習の土台になる内容は、きちんと理解しておく必要があります。

一方で、複雑な条件が重なった難問や、志望校ではほとんど出ない問題まで、何時間もかけて理解しようとする必要はないでしょう。

まず、その問題は志望校の入試に必要なのか。次に、今後の学習の土台になる問題なのか。この二つを考えてください。

必要な問題であれば、答えを読んで終わりにせず、もう一度自分で解き直す。どこでわからなくなったのかを確かめ、次に同じような問題が出たときに、自分で進められる状態にしておくことが大切です。

逆に、今はできなくてもよい問題であれば、いったん先へ進んでもかまいません。

限られた時間の中で、すべてを理解しようとすると、本当に必要な勉強に時間を使えなくなります。

「わからない問題を残さない」のではなく、「わからないままにしてはいけない問題を残さない」。

その区別をつけることが、これからの受験勉強では大切です。

過去問は何年遡るべきか

過去問を始めるとき、「何年分やればよいのか」という質問をよく受けます。

基本的には、現在市販されている過去問題集に載っているものは、全部やってよいと思います。学校によって収録年数は違いますが、販売されている範囲であれば、まずはそこを一通り見ていくことが大事です。

ただし、過去問の使い方を「本番と同じ時間で解いて、点数を出すこと」だけだと考えると、年数を重ねる意味が少し薄くなります。過去問は、その学校がどのような出題をしているのか、どの分野を重視しているのか、どのくらいの処理力や知識を求めているのかを知るための材料です。

ですから、古い年度の問題であっても、十分に勉強になります。

社会は注意が必要

一方で、社会については少し注意が必要です。

特に統計資料や時事問題は、年度が古くなると、現在のデータや状況と合わなくなることがあります。人口、貿易、産業、農産物の順位、国際情勢などは変化しますから、古い問題をそのまま覚えてしまうと、かえって危ない場合があります。

社会の古い過去問を使う場合は、「この知識は今も同じか」「統計は変わっていないか」を確認しながら進める必要があります。時事問題についても、その年の出来事として見る分には意味がありますが、現在の入試にそのまま使えるとは限りません。

算数・国語・理科は古い問題も使える

一方、算数や国語、理科については、販売されているものより前の年度に遡っても、十分に練習になります。

算数で問われる条件整理、図形、速さ、割合、規則性などは、年度が古くなっても本質的な力は変わりません。むしろ、その学校らしい問題の作り方を知るには、古い年度まで見ていくことが有効です。

国語も同じです。文章の長さ、設問の聞き方、選択肢の作り方、記述の有無などは、その学校の出題姿勢を知る手がかりになります。もちろん文章そのものは年度ごとに違いますが、「何を読み取らせようとしているのか」という傾向は、続いていることが少なくありません。

理科についても、基本的な考え方や実験・観察の読み取りは、古い問題でも十分に役立ちます。知識問題で一部の表現や扱いに注意が必要な場合はありますが、問題を通して考える練習としては大いに意味があります。

普通部の理科は多くあたっておきたい

特に慶應普通部の理科については、できるだけ多くの問題にあたっておきたいところです。

普通部の理科は、生物分野のテーマが繰り返し出てくることがあります。植物、動物、人体、季節と生物の関係など、単に知識を覚えるだけでなく、観察したことをどう考えるか、身近な自然をどう見ているかが問われます。

こうした問題は、一年分だけ解いてもなかなかつかみにくいものです。複数年度にわたって見ていくことで、「普通部はこういう見方を大事にしているのだな」ということが少しずつわかってきます。

だからこそ、普通部を志望する場合は、理科、とくに生物分野については、なるべく多くの過去問に触れておくことが大切です。

年数よりも、何を学ぶか

過去問は、何年分やったかだけで安心してはいけません。

大事なのは、その過去問から何を学んだかです。間違えた問題を直すだけでなく、「この学校は何を聞いてくるのか」「自分はどこでつまずきやすいのか」「どの分野をもう一度勉強し直すべきか」を見つけることに意味があります。

販売されている過去問は、まず全部やる。そのうえで、算数・国語・理科については、必要に応じてさらに古い年度まで遡る。社会は、統計や時事問題に注意しながら使う。

このように考えていけば、過去問は単なる点数確認ではなく、志望校に近づくための大事な教材になります。

国語の知識対策を始めよう

慶應中等部、慶應湘南藤沢を受ける場合、国語の知識対策は避けて通れません。

漢字はもちろん、ことわざ、慣用句、四字熟語、同音異義語、同訓異字、敬語、文法など、言葉に関する知識は毎年のように問われます。読解問題に比べると、一問一問の配点はそれほど大きくないように見えるかもしれません。しかし、ここで失点が重なると、合格点に届かなくなる可能性があります。

特に中等部や湘南は、国語の知識問題を「まあ何とかなるだろう」と後回しにしてしまうと危険です。読解や作文の練習に目が向きやすい分、知識の勉強はどうしても手がつきにくい。けれども、知識は短期間で一気に仕上がるものではありません。

慶應進学館では、国語の知識対策として、四谷大塚の『四科のまとめ 国語』を推薦しています。よく整理された問題集で、入試に必要な言葉の知識を確認していくには使いやすい教材です。

ただし、問題はその量です。

実際に手に取ってみるとわかりますが、かなり厚い問題集です。漢字や語句、文法などを一通りやろうとすると、思った以上に時間がかかります。入試直前になってから「そろそろやろう」と思っても、なかなか間に合いません。

知識の勉強は、まとめて長時間やるよりも、毎日少しずつ積み重ねる方が効果的です。たとえば、1日2ページでも、毎日続ければかなりの量になります。逆に、週に1回だけまとめてやろうとすると、覚えたことが定着しにくく、結局また最初からやり直すことになりがちです。

大事なのは、早めに始めることです。

最初から完璧を目指す必要はありません。まずは一通り進めて、できないところに印をつける。次に、その印のついた問題をもう一度やる。さらに間違えたものをカードやノートにまとめる。そうやって、少しずつ「知らない言葉」を減らしていけばよいのです。

言葉の知識は、国語だけでなく、社会や理科の問題文を正確に読む力にもつながります。語彙が増えれば、文章の意味をつかむスピードも上がります。つまり、知識対策は単なる暗記ではなく、入試全体の土台を作る勉強でもあるのです。

中等部、湘南を中心に考えるなら、国語の知識対策は必須です。

そして、これはギリギリになってからでは間に合いません。

そろそろ『四科のまとめ 国語』を使って、毎日の学習の中に言葉の知識を組み込んでいきましょう。入試直前にあわてるのではなく、今から少しずつ積み重ねておくことが、最後の得点力につながります。

湘南の国語、長い物語文をどう読むか

湘南の国語でよく聞くのが、「物語文が長くて間に合わない」という声です。

湘南は作文がありますから、まず作文を先に仕上げるという子が多いでしょう。そうなると、その後に長い物語文を読み、設問を処理していくことになります。

ここで大事なのは、ただ速く読む練習をすることではありません。

速く読むことだけを意識すると、場面の変化や人物の気持ちを取り違えやすくなります。特に物語文では、何となく筋は追えていても、設問で問われる心情の変化をつかみ損ねることがあります。

大事なのは、長い文章を「全部同じ重さで読まない」ことです。

物語文では、出来事がいくつも続きます。しかし、すべての出来事が同じように重要なわけではありません。入試で問われやすいのは、場面が変わったところ、人物の言葉や態度が変わったところ、そして気持ちが動いたところです。

したがって、読むときには「何が起きたか」と「気持ちがどう変わったか」を分けて考えるようにします。

たとえば、ただ「友だちと話した」と読むのではなく、その会話の前後で主人公の気持ちが変わったのかを見ます。あるいは、同じ人物への見方が変わったのか、自分の考えに迷いが生まれたのか、そこを意識するのです。

長い物語文で時間がかかる子は、本文を読みながらすべてを覚えようとすることがあります。しかし、それはあまり現実的ではありません。大切なのは、後で設問を解くときに本文のどこへ戻ればよいか、手がかりを残しておくことです。

そのためには、ただ線を引くだけでなく、本文の余白に短いメモを入れるようにします。

たとえば、場面が変わったところには「場所変わる」、人物の言葉や態度が変わったところには「反発」「迷い」「気づく」などと書いておく。主人公の気持ちが動いたところには、「不安」「納得」「相手を理解」など、一語でよいので残しておくのです。

メモは長く書く必要はありません。むしろ長く書こうとすると時間がかかります。大事なのは、設問に入ったときに「あの場面はここだった」と戻れるようにすることです。

湘南の物語文は長いので、何も残さずに読み進めると、設問のたびに本文を探し直すことになります。これでは時間が足りなくなります。読みながら小さなメモを残しておけば、長い文章の中でも流れを見失いにくくなります。

練習のときには、本文を読み終えた後に、場面ごとの流れを一言で確認してみるとよいでしょう。

「最初は反発している」
「途中で相手の事情に気づく」
「最後に自分の考えが変わる」

この程度で十分です。細かな要約を書く必要はありません。むしろ短くまとめることで、文章全体の流れをつかめているかがわかります。

湘南の物語文で大切なのは、長い文章に圧倒されないことです。

文章が長いからといって、最初から最後まで細部を全部抱え込もうとすると、設問に入ったときにかえって混乱します。場面の区切りをつかみ、心情の変化を短いメモで残し、必要なところへ戻れるようにしておく。その読み方を身につけることが対策になります。

湘南の国語は、作文だけでなく、長い物語文への対応も大きな課題です。

だからこそ、早い時期から、長い文章を読む練習を単なる読書で終わらせず、「場面」「心情」「戻る場所」を意識した読み方に変えていく必要があります。

普通部の算数記述対策

慶應普通部の算数対策で、早い時期から意識しておきたいことがあります。

それは、答えだけを出す練習では足りない、ということです。

普通部の算数は、全問について式や考え方を書かなければなりません。多くの塾のテストのように、答えだけを出して、正解なら得点になるという形式とは大きく違います。

もちろん、答えが合っていることは大事です。しかし普通部では、そこに至るまでの筋道が見えるかどうかも重要になります。どの条件を使ったのか、どの式で考えたのか、途中で何を求めたのか。そうした流れを、答案の中にきちんと残す必要があります。

ところが、普段の塾のテストでは、そこまで書く習慣がついていない子も少なくありません。図に数字を書き込み、頭の中で計算し、答えだけを書いて終わる。通常のテストではそれで点が取れてしまうこともあります。

しかし、そのまま普通部の過去問に入ると、解き方はわかっているのに答案としてまとまらない、ということが起こります。途中式が足りない。何を求めたのかわからない。説明の順番が飛んでいる。そうなると、本人は「解けたつもり」でも、入試の答案としては弱くなってしまいます。

だからこそ、普通部を志望する場合は、早くから「式を書く」「考え方を残す」練習を始める必要があります。難しい問題をたくさん解くことよりも、まずは標準的な問題を、答案としてきちんと書けるようにすることが大切です。

慶應進学館で現在、算数と国語の過去問動画を優先しているのも、このためです。特に普通部の算数は、問題の解き方だけでなく、どのように答案を組み立てるかを早い段階で見ておく意味があります。

過去問動画を見ることで、単に答えを確認するだけでなく、「ここで何を書くのか」「どの式を残すのか」「答案としてどこまで説明するのか」を学ぶことができます。

普通部の算数は、塾のテストの延長線上にそのままあるわけではありません。形式が違う以上、対策の仕方も変えなければなりません。

答えを出す力に加えて、解き方を見せる力をつける。

普通部を目指すなら、この練習をできるだけ早く始めておきたいところです。

慶應合格に必要なことを優先する

6年生の夏が近づくと、塾では学校別特訓の資格審査が意識されるようになります。一定の成績を取らなければ志望校別のクラスに入れない、という仕組みですから、子どもも親もどうしてもそこに気持ちを引っ張られます。

ただ、ここで一度考えておきたいのは、その勉強が本当に慶應合格に直結しているのか、という点です。

学校別特訓に入るための審査は、必ずしも慶應の入試に必要な範囲だけで判断されるわけではありません。難度の高い問題、他校向けの出題、あるいは慶應ではあまり問われない分野まで含めて、総合的な成績で見られることが多い。つまり、慶應を目指しているのに、慶應合格にはそれほど必要でないことまで追いかけさせられている場合があるのです。

夏休みの宿題も同じです。分厚い問題集が出されると、全部やらなければいけないように感じます。しかし、その中には慶應対策としては優先順位の低い問題もかなり含まれています。もちろん、力をつけるという意味では無駄ではありません。ただ、限られた時間の中で何を先にやるかを考えれば、すべてを同じ重さで扱う必要はないはずです。

塾のカリキュラムは、多くの学校に対応できるように作られています。だから、それ自体が悪いわけではありません。しかし、慶應を第一志望にするのであれば、どこかで家庭が「うちは何を優先するのか」を決めなければなりません。

塾の言う通りに全部こなしているうちに、過去問研究や出願書類、面接、普通部・中等部・湘南藤沢それぞれの出題傾向への対応が後回しになる。これは毎年起こります。そして気がついたときには、秋がかなり進んでいる、ということも少なくありません。

大事なのは、塾を否定することではありません。塾の授業や教材を使いながらも、慶應合格に必要なことを家庭の側で選び直すことです。全部をやるのではなく、必要なものを優先する。今の成績を上げるためだけでなく、最終的に慶應の入試で点を取るために、学習の組み立てを見直す必要があります。

ただ、これはご家庭だけで判断するのはなかなか難しいところがあります。何を削ってよく、何を残すべきか。普通部と中等部、湘南藤沢でどこまで対策を分けるべきか。今の塾の課題をどこまで続けるべきか。こうした判断には、やはり慶應入試を見てきた経験が必要です。

慶應進学館では、無料の学習相談を行っています。現在の学習状況や塾の課題、夏休み以降の進め方について、一度ご相談ください。

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なぜ慶應?

親の方は是非慶應、と思っているところはあるのですが、子供たちはまだそれほど、意識が高いわけではないでしょう。

例えば、早慶戦(慶早戦とわざわざ言い直すのが慶應ですが)、を見ていて、ああ、早稲田もいいじゃない、みたいに思っている子は間違いなくいると思うのです。

で、これはもちろん、最初からかっちりと決めておく必要はない。

ただ、できたら慶應がよいなあ、というものをそろそろ意識してもらう方がよいでしょう。

子どもたちの本音は「これで受験勉強しなくてすむ」が一番だとは思うものの、それはどこの大学付属にいっても同じだから、やはりそこからもう一歩学校に踏み込んだ意識は育てていかないといけないところはあるのです。

そういう意味でなんとなく、日吉や三田の町を歩いてみるのもよいかもしれないし、慶應の対外試合を野球以外に見に行ってもよいかもしれない。

9月になれば労作展もあるし、と先延ばしせず、すこしずつその意識を醸成していくことが合格への大事なステップです。

学校別対策に入れないかもしれないとき

夏休みの後半、あるいは9月から、各塾では学校別対策の授業が始まります。

慶應を志望しているご家庭にとっても、ここからがいよいよ本格的な学校別対策、という受け止め方になるでしょう。普通部、中等部、湘南藤沢。それぞれ出題の形も、試験時間も、合否の決まり方も違いますから、学校別の準備に入る意味は確かに大きいのです。

ただ、問題は、希望すれば必ずその講座に入れるとは限らない、ということです。

塾によっては、学校別対策の講座に成績の基準があります。一定のクラスにいないと受講できない。あるいは、模擬試験や組み分けの結果によって受講資格が決まる。そうなると、今の段階で「このままだと学校別対策に入れないかもしれない」と感じているご家庭もあるでしょう。

では、その時点で志望校をあきらめるべきなのでしょうか。

もちろん、現実を見ないわけにはいきません。合格可能性を無視して、何でもかんでも受ければ良い、という話ではありません。

しかし、学校別対策の講座に入れないかもしれないからといって、すぐに志望校を全部あきらめる必要はありません。

学校別講座に入ることと、学校別対策をすることは違う

ここは一度、整理しておいた方が良いでしょう。

塾の学校別対策講座に入ることと、その学校に向けた対策をすることは、同じではありません。

もちろん、講座に入れれば便利です。同じ学校を目指す子どもたちが集まり、その学校の出題に合わせた演習があり、先生からの指示もあります。そこに意味がないわけではありません。

しかし、講座に入れなければ何もできない、というわけでもありません。

過去問はあります。出題傾向は調べられます。どの教科で点を取るべきか、どこで無理をしないか、どの順番で仕上げていくかは、家庭でも十分に考えることができます。

むしろ、学校別講座に入れないかもしれないという状況で、塾の組み分けだけに固執する方が危ない場合があります。

組み分けに固執しすぎない

学校別対策に入るために、何とか次の組み分けでクラスを上げたい。そう考えるのは自然です。

ただ、そのために今の勉強がすべて組み分け対策になってしまうと、入試本番に向けた準備が遅れます。

組み分けは塾のカリキュラムに沿ったテストです。一方、入試は学校ごとの試験です。慶應3校でも、普通部と中等部と湘南藤沢では、求められる力の出方が違います。

だから、組み分けで上のクラスに入ることだけを目標にしてしまうと、本来見なければいけない学校別の課題が後回しになります。

もちろん、基本学力を上げることは必要です。クラスを上げる努力も無駄ではありません。ただ、それだけを追いかけているうちに、夏が終わり、9月になり、過去問を見たときに「思っていた問題と違う」となるのは避けたいところです。

狙うなら、やり方を変える

学校別対策に入れないかもしれない。

そのときに大事なのは、あきらめるかどうかをすぐ決めることではなく、やり方を変えることです。

たとえば、慶應3校を全部同じように残すのは難しいかもしれません。男子であれば3校受験の可能性はありますが、日程的にも、準備量としても、かなり負担が大きくなります。

そうであれば、全部を同じ重さで追いかけるのではなく、まず1校を残す。ここだけはしっかり準備する、という学校を決める。

そのうえで、過去問を早めに見て、どの教科で勝負するのかを考える。算数と国語でどこまで安定させるのか。理科や社会でどこを取り、どこを深追いしないのか。面接や出願書類の準備をいつから始めるのか。

こうしたことを、塾のペースとは別に組み立てていく必要があります。

全部をやろうとしない

成績的に余裕がないときほど、あれもこれもやらなければ、と思いがちです。

しかし、実際には、全部をやろうとすると全部が中途半端になります。

塾の宿題を全部やる。組み分け対策もやる。学校別対策もやる。過去問もやる。理社の暗記もやる。これを全部同じ重さで抱えれば、子どもは疲れますし、結局、何が本当に合格に近づく勉強なのかが見えなくなります。

だからこそ、優先順位を決める必要があります。

まだ塾に通うのであれば、塾の勉強を全部捨てる必要はありません。ただし、塾の課題をすべて同じようにこなすのではなく、志望校に必要なものを中心に残す。

そのうえで、学校別に必要な準備を少しずつ入れていく。

この切り替えができるかどうかが、夏以降の大きな分かれ目になります。

あきらめる前に、戦略を変える

学校別対策に入れないかもしれない、という状況は、確かに不安です。

しかし、それは必ずしも志望校をあきらめる合図ではありません。

むしろ、これまで通りのやり方では難しい、という合図です。

塾のクラスを上げることだけにこだわるのではなく、志望校に合わせて勉強の組み方を変える。全部を残すのではなく、残す学校を決める。過去問や出題傾向を見て、何を優先するかを決める。

本当に狙うのであれば、ここでやり方を変えた方が良いのです。

学校別講座に入れないかもしれないから、もう無理だ、と考える必要はありません。

ただし、今までと同じように塾の流れだけに乗っていても、状況はあまり変わらないでしょう。

あきらめる前に、まず戦略を変える。

この時期に一度、家庭でその話をしておくことが大切です。

慶應進学館では、無料の学習相談を行っていますので、こちらもご利用ください。

夏の戦略

夏休みは、受験勉強の大きな山場です。

ただ、ここで考えておきたいのは、「夏に何時間勉強するか」だけではありません。むしろ大事なのは、夏をどう使い、秋からの学校別対策、過去問演習、そして出願準備につなげていくか、という全体の流れです。

9月になると、各校の募集要項が発表されます。慶應普通部、慶應中等部、慶應湘南藤沢、それぞれに出願時に必要な書類や準備があります。もちろん、正式な内容はその年の募集要項を確認しなければなりませんが、だからといって9月まで何も考えずに待っていてよい、ということではありません。

特に慶應の場合、出願書類は単なる事務手続きではありません。

普通部には出願理由に関する記述があります。中等部では保護者が書くもの、本人が書くものが出てきます。湘南藤沢では活動報告書が重要になります。いずれも、短時間で形だけ整えればよい、という性質のものではありません。

もちろん、書類だけで合否が決まるわけではありません。しかし、面接の資料になったり、子どものこれまでの歩みを伝える材料になったりします。だからこそ、秋になってから慌てるのではなく、今のうちから「何を書くことになりそうか」「どんな材料を整理しておくべきか」を考えておく必要があります。

夏休みは、勉強だけでなく整理の時期でもある

夏休みというと、どうしても塾の講習や宿題に追われがちです。毎日の予定が詰まり、気がつくと「こなす」だけで終わってしまうことも少なくありません。

しかし、慶應を目指すのであれば、この時期に一度立ち止まって、秋以降の準備を整理しておくことが大切です。

例えば、過去問はいつから始めるのか。普通部、中等部、湘南藤沢のどこを中心にするのか。併願校とのバランスをどう取るのか。理科や社会の知識をどこまで夏に固めるのか。算数は得点源にするのか、それとも大きな失点を防ぐことを優先するのか。

こうしたことは、9月になってから一気に決めようとすると、どうしても後手に回ります。

夏の間に、現在の学力、志望順位、課題、出願書類の準備状況を一度整理しておく。そうすることで、秋からの動きがかなり変わってきます。

出願書類は「材料集め」から始める

出願書類の準備で大事なのは、いきなり文章を書き始めないことです。

まずは材料を集めることです。

子どもが小学校生活でどのようなことに取り組んできたのか。家庭ではどのような経験を重ねてきたのか。習い事、学校行事、係活動、委員会、読書、研究、スポーツ、音楽、地域活動など、思い出せるものを一度書き出してみる。

湘南藤沢の活動報告書を考える場合も、急に立派な活動を作ろうとする必要はありません。むしろ、その子が実際に続けてきたこと、考えてきたこと、そこから何を得たのかを整理する方が大事です。

普通部や中等部についても同じです。なぜその学校を志望するのか、子どもにどのような環境が合っているのか、家庭として何を大切にしてきたのか。こうしたことは、日ごろから考えていないと、なかなか言葉になりません。

だからこそ、夏前の今から少しずつ整理しておく意味があります。

秋は思っている以上に忙しい

9月以降は、過去問演習が本格化します。模擬試験も増えます。塾の学校別対策も始まり、成績の上下に気持ちが左右される時期にもなります。

その中で募集要項を確認し、出願書類を整え、写真を用意し、面接の準備も考える。さらに併願校の出願日程も確認しなければなりません。

つまり秋は、勉強だけに集中できる時期ではありません。

だから、夏休みの前から、ある程度の見通しを持っておくことが必要なのです。正式な募集要項は9月に確認する。その前段階として、昨年までの資料を見て、必要になりそうな準備を洗い出しておく。それだけでも、秋の負担はかなり軽くなります。

夏の戦略は、秋を楽にするためにある

夏休みに何をするかは、秋以降の戦い方を決めます。

ただ問題をたくさん解く。講習を全部受ける。宿題を終わらせる。それだけでは、戦略とは言えません。

どの教科をどこまで仕上げるのか。過去問に入る前に何を確認するのか。出願書類に必要な材料をどう整理するのか。9月以降、何に時間を使えるようにしておくのか。

そこまで考えて初めて、夏の勉強に意味が出てきます。

慶應3校の受験は、学力試験だけでなく、出願書類、面接、そして学校ごとの特徴を踏まえた準備が必要になります。秋になってから慌てるのではなく、今のうちから少しずつ全体像を描いておきましょう。

夏の戦略とは、夏休みをどう乗り切るかだけではありません。

秋から入試本番まで、家庭が落ち着いて動くための準備なのです。

活動報告書は「材料集め」が先

湘南藤沢を考えているご家庭は、活動報告書の準備を少し早めに意識しておいた方が良いでしょう。

活動報告書というと、出願が近づいてから書くもの、と思われがちです。しかし、実際には直前になってから考え始めると、なかなか材料が出てこないことがあります。

もちろん、何か特別な実績がなければいけない、という話ではありません。

むしろ大事なのは、子どもがこれまで何に取り組み、そこで何を考え、どのように成長してきたのかを、家庭の中で一度整理しておくことです。

習い事、学校での係活動、委員会、スポーツ、音楽、読書、自由研究、地域活動など、材料になり得るものはいろいろあります。ただ、それらを単に並べるだけでは、活動報告書としては少し弱い。

「何をしたか」だけでなく、「なぜ続けたのか」「どんな工夫をしたのか」「そこから何を学んだのか」というところまで考えておく必要があります。

ところが、これを出願直前に親子で話し合おうとすると、どうしても時間に追われます。過去問もありますし、模試の結果も気になります。塾の課題も残っているでしょう。そういう時期に、落ち着いて子どものこれまでを振り返るのは、なかなか難しいものです。

だからこそ、今のうちから少しずつ材料を集めておく。

たとえば、子どもが長く続けていることについて、「最初はどうだったか」「途中で大変だったことは何か」「今は何ができるようになったか」をメモしておくだけでも違います。

また、親が良いと思っていることと、子ども自身が大事だと思っていることが違う場合もあります。親から見ると大きな実績ではなくても、本人にとっては大切な経験だった、ということも少なくありません。

活動報告書は、親が子どもをよく見せるためだけの書類ではありません。子ども自身が、これまでの経験をどう受け止めているかを整理する機会でもあります。

湘南藤沢は、学力試験だけでなく、その子がどのような経験をしてきたか、どのような関心を持っているかにも目を向ける学校です。だから、活動報告書も単なる付属書類と考えない方が良いでしょう。

今から何か新しい実績を無理に作る必要はありません。

むしろ、これまでやってきたことを丁寧に見直すこと。そして、これから夏にかけて、子どもが自分なりに取り組めることを少し意識しておくことです。

活動報告書の準備は、作文の練習とは少し違います。材料がなければ書けませんし、材料があっても整理されていなければ伝わりません。

秋になってから慌てるより、今のうちに親子で少しずつ話しておく。その積み重ねが、出願時期になって大きな差になります。

慶應進学館WEB会員では、湘南藤沢の活動報告書についても、過去の内容を踏まえながら準備のポイントを整理しています。出願が近づいてから考えるのではなく、早い段階から材料を集め、方向性を確認しておくことが大切です。

湘南藤沢を志望するのであれば、学力の準備と並行して、子どもの経験をどう伝えるかという準備も、そろそろ始めておきたいところです。