今年はヨーロッパ危機がニュースになりましたが、ヨーロッパの地誌が実際に出題されるか?といえば、充分可能性があるでしょう。
福澤諭吉は1862年に幕府の遣欧使節団としてヨーロッパを旅しています。福翁自伝によると
「イギリスから迎い船のようにして来たオージンという軍艦で、その軍艦に乗って香港、シンガポールというようなインド洋の港々に立ち寄り、紅海に入って、スエズから上陸して蒸気車に乗って、エジプトのカイロ府に着いて二晩ばかり泊まり、それから地中海に出て、そこからまた船に乗ってフランスのマルセイル、ソコデ蒸気車に乗ってリオンに一泊、パリに着いて滞在およそ二十日、使節のことを終わり、パリを去ってイギリスに渡り、イギリスからオランダ、オランダからプロシヤの都ベルリンに行き、ベルリンからロシアのペートルスボルグ、それから再びパリに帰ってきて、フランスから船に乗って、ポルトガルに行き、ソレカラ地中海にはいって、元の通りの順路を経て帰ってきたその間の年月はおよそ一ヶ年、すなわり文久二年いっぱい、おし詰まってから日本に帰ってきました。」
とあります。で、この旅程を合わせて問題にしたのが平成22年の中等部の問題。
福澤諭吉は、1862(文久2)年に幕府の遣欧使節団の一月として、ヨーロッパを訪れました。その時の往路の大まかな行程は、地図中のア~コの順番です。この地図をみて、各問に答えなさい。
問1 地図中のコの都市名を選びなさい。
1 ロンドン 2 パリ
3 ローマ 4 サンフランシスコ
問2 使節団が通過した海洋の順番で正しいものを選びなさい。
1 東シナ海→南シナ海→紅海→インド洋→大西洋
2 東シナ海→南シナ海→インド洋→紅海→地中海
3 南シナ海→東シナ海→インド洋→紅海→地中海
4 南シナ海→東シナ海→紅海→インド洋→大西洋
問3 赤道の正しい位置を地図中の1-3の中から選びなさい。
問4 地図中に示した使節団の往路の行程は、約何kmだったと考えられますか。次の1-4の中から正しいものを選びなさい。なお、地球の一周は約4万kmです。
1 約5000km 2 約1万km 3 約2万km 4 約4万km
問5 福澤諭吉は、ヨーロッパ滞在中に見聞した各国の文化や制度などをくわしく手帳に書き記し、帰国後の1866(慶鷹2)年に、その内容を書物にして出版しました。それは次のうちどれですか。
1 西洋事情 2 戊戊夢物語 3 解体新書 4 風説書
(解答)
問1 コはパリです。
問2 東シナ海から南シナ海、インド洋、紅海、地中海というルートになるので2。 紅海は地図で位置を見ておいた方が良いでしょう。
問3 赤道は2。世界地図の問題で、赤道の位置を聞く問題は良く出題されます。
問4 往復の行程ですから片道がだいたい地球4分の1と考えると3の二万キロが答えになります。
問5 西洋事情で1。
と問題自体はそれほど難しいわけではありませんが、やはり地図は気を付けておいた方が良いでしょう。
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