慶應湘南2022 作文の出題について

2022年慶應湘南の国語の問題です。例年湘南は最後に100字~150字程度の作文を課します。これまで進学館でもいろいろな題材を練習してきましたが、今年の問題は「なかなか」でした。
今年は社会の問題でも、小学生にいろいろな考えを求める問題が多かったのですが、これもその一例でしょう。

ただ、覚えるだけではなく、自分で考えて、自分で表現する、というところが求められてきているようです。

以下、問題です。解答例は出しておりません。

次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

 2021年オリンピックーパラリンピック東京大会で、日本のソフトボールチームは金メダルを獲得しました。そこで興味深い一戦があったのを覚えている人はいるでしょうか。それは《勝っても負けても結果に影響のない試合》です。
 ソフトボールの決勝・3位決定戦進出ルールは、《参加全6か国で予選リーグをおこない、その上位2チームが決勝戦に進出し、3位と4位のチームが3位決定戦に進出する》というものでした。では、何
か起きたのか説明するために、日本チームの結果を見てみましょう。

  予選リーグ第1戦  日本 8対1 オーストラリア
  予選リーグ第2戦  日本 3対2 メキシコ
  予選リーグ第3戦  日本 5対0 イタリア
  予選リーグ第4戦  日本 1対0 カナダ
  予選リーグ第5戦  日本 1対2 アメリカ
  決勝        日本 2対0 アメリカ

 この通り、ソフトボールチームは全勝優勝したわけではありませんでした。実は、第4戦終了時点て決勝に進出するのは全勝同士の日本とアメリカだと決定していました。つまり、予選リーグの第5戦は、偶然決勝と同じ顔合わせでありながら、試合が始まる前からくどちらの国が勝っても負けてもその後の対戦相手に変化がない試合》となったのです。(3位決定戦はメキシコ対カナダでした。)
 いずれにせよ、日米両国にとって肝心なのは決勝を全力で勝つことだけなのです。「第5戦」を取ったアメリカにも優勝のチャンスはもちろんありました。しかし勝ち続けるのは難しいことです。実際アメリカは6連勝できませんでした。
 こう考えると、事後あまり顧みられることの多くなかった「第5戦」ほど、どう心がけたらよいか絞りにくく、複雑な試合もありませんでした。
 このコントロールしにくい「第5戦」はどう戦うのが正解なのでしょうか。

問 あなたがもしもこの「第5戦」日本チームの監督と同じ立場に置かれたら、この試合にどのような方針で臨みますか。また、その方針を試合前の選手に何と伝えますか。一四〇字以内で述べなさい。

  ※ 原稿用紙の使い方に従って書くこと。ただし、一マス目から書き始め、改段落はしないこと。