湘南の国語でよく聞くのが、「物語文が長くて間に合わない」という声です。
湘南は作文がありますから、まず作文を先に仕上げるという子が多いでしょう。そうなると、その後に長い物語文を読み、設問を処理していくことになります。
ここで大事なのは、ただ速く読む練習をすることではありません。
速く読むことだけを意識すると、場面の変化や人物の気持ちを取り違えやすくなります。特に物語文では、何となく筋は追えていても、設問で問われる心情の変化をつかみ損ねることがあります。
大事なのは、長い文章を「全部同じ重さで読まない」ことです。
物語文では、出来事がいくつも続きます。しかし、すべての出来事が同じように重要なわけではありません。入試で問われやすいのは、場面が変わったところ、人物の言葉や態度が変わったところ、そして気持ちが動いたところです。
したがって、読むときには「何が起きたか」と「気持ちがどう変わったか」を分けて考えるようにします。
たとえば、ただ「友だちと話した」と読むのではなく、その会話の前後で主人公の気持ちが変わったのかを見ます。あるいは、同じ人物への見方が変わったのか、自分の考えに迷いが生まれたのか、そこを意識するのです。
長い物語文で時間がかかる子は、本文を読みながらすべてを覚えようとすることがあります。しかし、それはあまり現実的ではありません。大切なのは、後で設問を解くときに本文のどこへ戻ればよいか、手がかりを残しておくことです。
そのためには、ただ線を引くだけでなく、本文の余白に短いメモを入れるようにします。
たとえば、場面が変わったところには「場所変わる」、人物の言葉や態度が変わったところには「反発」「迷い」「気づく」などと書いておく。主人公の気持ちが動いたところには、「不安」「納得」「相手を理解」など、一語でよいので残しておくのです。
メモは長く書く必要はありません。むしろ長く書こうとすると時間がかかります。大事なのは、設問に入ったときに「あの場面はここだった」と戻れるようにすることです。
湘南の物語文は長いので、何も残さずに読み進めると、設問のたびに本文を探し直すことになります。これでは時間が足りなくなります。読みながら小さなメモを残しておけば、長い文章の中でも流れを見失いにくくなります。
練習のときには、本文を読み終えた後に、場面ごとの流れを一言で確認してみるとよいでしょう。
「最初は反発している」
「途中で相手の事情に気づく」
「最後に自分の考えが変わる」
この程度で十分です。細かな要約を書く必要はありません。むしろ短くまとめることで、文章全体の流れをつかめているかがわかります。
湘南の物語文で大切なのは、長い文章に圧倒されないことです。
文章が長いからといって、最初から最後まで細部を全部抱え込もうとすると、設問に入ったときにかえって混乱します。場面の区切りをつかみ、心情の変化を短いメモで残し、必要なところへ戻れるようにしておく。その読み方を身につけることが対策になります。
湘南の国語は、作文だけでなく、長い物語文への対応も大きな課題です。
だからこそ、早い時期から、長い文章を読む練習を単なる読書で終わらせず、「場面」「心情」「戻る場所」を意識した読み方に変えていく必要があります。
