慶應中等部 学校別対策の考え方(2)

試験時間45分 満点100点。

そのうち2題が長文読解で、残りが知識問題や自作問題になります。

自作問題というのは、ここのところ増えてきたもので、自分で俳句を書いたり、手紙文を条件に合わせて自作するものです。

これまでどうしても、記号式の問題が多かったので、このような問題を出題することによって受験生の評価を多様化する狙いがあるのでしょう。

文章読解については物語文と説明文2題というパターンが多いのですが、年度によっては一問のみで後はすべて知識問題になるときもあります。

2013年の問題は【1】が説明文。言葉の力についての説明文です。出典は問題文には掲載されていません。
小問は11問。多くは選択の問題になっています。

選択問題の内容は慣用句の意味、表記の間違い、語句の意味、接続語、四字熟語、のように内容文の読解とは別に知識を問う問題が半分近くありました。また内容に関する問題はすべて選択肢の問題となっています。

問題の難度としてはそれほど難しいものではなりませんが、言葉はかなり詳しく知っていることが必要でした。

例えば「名は体を表す」などの表現がすぐ出てくる語彙力が必要とされています。

【2】も御伽草子に関する説明文。

小問は6問。
問1は接続詞の選択、問2は熟語の意味、問3は設問中に出てくる短歌の区切れ。問四は短歌の中の「上の空」に関する解釈。
問5は文中の表現の解釈、問6は文を適切な文中の場所に入れる問題、となっています。

これはここのところ、非常に傾向として明確になってきている特徴で、文中の読解よりもことばの問題に比重がかかっていると言えるでしょう。

【3】は小問が2題。問1が表現の誤りを指摘する問題。問2が文学作品に関する問題。ただし作品名を答えるのではなく、登場人物を答えるということで、難しさを感じた受験生も少なくなかったかもしれません。

【4】は前句付。自作問題。
問題の詳細はこちらから

【5】は漢字書き取り。
書き取り20題は他校ではあまり見られない分量。中等部の漢字の書き取りはかなり難しい部類ですが、今年はそれほどでもなかったかもしれません。

中等部の国語はとにかく言葉、俳句、文学史、など他校にはあまり見られない、知識の問題が多い。その分、かなり語彙が豊富である子には有利であり、この語彙はやはり読書によって培われるべきもの、という考えが根底にはあります。

この傾向は長年続いているので、来年変わります、というようなものではありません。したがって、まずは語彙力をつける、ということで多くの文章を読む機会を増やしてください。暗記テキストは後半がんばればいいが、あまり暗記テキストに乗らないようなものを出題しようという狙いが明確にあります。

したがって、知識の暗記はもちろん練習するが、それ以上に国語の読解練習をしながら、語彙を増やしていくということが必要でしょう。

また漢字、熟語、ことわざ、外来語など幅広く知識が出題されています。また近年川柳、俳句、短歌、歌舞伎、文学作品に関する知識も求められるようになってきているので、これらに対する関心を深めて、過去問を中心に練習してください。

特に短歌、俳句、川柳の問題はここのところ大変増えているので注意が必要でしょう。

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