慶應義塾中等部の算数の答案を直していると、難しい問題よりも、本人が「できた」と思っていた問題で点を落としていることがあります。
分数を最後まで約分していなかった。
途中で求めた数字を、そのまま答えにしてしまった。
人数を聞かれているのに、別の数字を答えていた。
本人に聞くと、だいたい「ただのミス」と言います。
まあ、その通りではあるのですが、中等部の算数では、この「ただのミス」が結構大きい。
試験時間が短いからです。
一問落としたからといって、あとで難しい問題を解いて取り返せるとは限りません。
だから中等部算数では、難問を何題解けたかよりも、まず自分が解ける問題をきちんと得点にすることが大事です。
全部解こうと思って、一問に時間をかけすぎると、そのあとにある解ける問題まで手が届かなくなる。
一方で、急ぎすぎれば、途中式が雑になったり、数字を写し間違えたりする。
速ければいい、ということでもないし、慎重ならいい、ということでもありません。
限られた時間の中で、解ける問題を確実に取ることが必要です。
ですから、過去問を直すときは、不正解を全部同じに考えない方が良いでしょう。
「解き方はわかっていた」
「時間が足りなかった」
「今はまだ解き方がわからない」
だいたい、この三つに分けて考えます。
原因が違えば、当然、対処の仕方も違います。
ですから、答案を確認しながら、これは何が原因だったのかを子どもと話してみる。そして、次はどうするかを一緒に決めていくことが大事です。
計算の仕方を直した方が良いのか。
時間の使い方を変えた方が良いのか。
それとも、まだ勉強が足りない単元なのか。
そのあたりを一つずつ整理していけば良いのです。
中等部算数でまず減らしたいのは、難しい問題の失点ではありません。
「わかっていたのに落とした一問」です。
その一問がなぜ落ちたのかを確かめて、次の対処を決める。
それを繰り返していくことで、少しずつ得点は安定してきます。
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