慶應の理科の問題は、出題がかなり工夫されています。
以下は平成20年、普通部の問題。
図1のように、正方形の折り紙を使って紙飛行機を作りました。
1.室内でこの紙飛行機を手で飛ばすと、飛び方は図2の(A)のようになりました。(B)のように紙飛行機を飛ばすには、クリップを胴体部分のどこにつけるとよいですか。図3の(ア)~(ウ)から1つ選び、記号で答えなさい。
2.1.でつけたクリップは、(B)のように飛ぶ紙飛行機にとってどのような力になりますか。次の(カ)~(ケ)から1つ選び、記号で答えなさい。
カ)上に引く力 (キ)下に引く力 (ク)前に引く力 (ケ)後ろに引く力
3.図1の紙飛行機の翼を図4のように折って、図2の(B)のように飛ぶ位置にクリップをつけました。折らなかったときに比べて、飛び方はどのようになりますか。次の(サ)~(セ)から1つ選び、記号で答えなさい。
(サ)上がる (シ)飛ばない (ス)曲がる (セ)変わらない
これは何のテーマか?といえば、やはり物体の運動になるのでしょうが、しかし、まあ、それだけでは解決しない部分もあるでしょう。しかし、実際に紙飛行機を飛ばした経験があり、多少、これまでも理科を勉強してくれば、まあ、見当はつくだろうな、とは思います。
つまり、ここで普通部は単純に理科の知識を持っている、というよりは、それをどう利用し、どうものを考えるのか、ということを試しているわけで、それがある意味「異質の問題」のように感じられる部分ではあるのです。
さて解説ですが、紙飛行機がAのように飛んだのは、機体を持ち上げようとする揚力の中心の位置が前の方にあって、それがすぐ上昇して落ちるという形になったのだから、飛行機の重心を前に持って来ればよい、と考えれば、クリップは前につければよいということになるでしょう。
(1)(答え)ア
これはクリップが当然下向きの力であるからです。
(2)(答え)キ
さて翼を折ってたてているので、そこに空気があたり、折られていない翼とは違う力かかります。したがって曲がる。まあ、これは経験的に知っている子どもたちの方が多いでしょう。
(3)(答え)ス
この年はカレーライスの出題があった年で、かなり出題に工夫がみられていたと思います。
子どもが遊ぶことは、勉強と相反することではなく、そこからまたいろいろな発見や経験があるわけで、そういうことに気を使ってほしいというメッセージが込められているように感じられる出題でした。
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