慶應中等部 学校別対策の考え方(4)

試験時間は25分。満点50点。
例年出題は大問が5題から6題出題されます。例年は50題前後の小問が出題されることが多く、かなり忙しい試験になっています。

今年の出題は大問が7題。
小問数は24問程度。大問【6】と【7】は小問に分かれていませんでしたが、だいたい1問が2点程度の配点ということになります。

【1】と【2】が地理の問題。
【3】と【4】が歴史の問題。
【5】が裁判員制度。
【6】が国民の祝日。
【7】がオリンピック招致に関してイスタンブールとマドリードの国名を答える問題でした。

【6】の国民の祝日についてはこちらに解説しました。

中等部の解答用紙は左と右に分かれていて、左は記号式、右は記述式です。左側は誰でも採点できるような問題で、右側は教員が採点する解答欄になっています。

例年左側の解答欄が多かったのですが、今年は右側も書く量が多い問題となりました。

特に【2】で50字以内で書く記述問題が出題されていたのが目を引きましたが、全体としてはやはり記号、選択式の問題が圧倒的に多くなっています。

【1】は地理の段問ですが、基本的な問題でそれほど難しくはありません。
【2】は「まいまいず井戸」に関する問題。富士山の噴火で関東ローム層が形成されているため、多摩地域の北部や埼玉県西部ではローム層を斜めにすりばち状に掘り進み、その底で垂直に井戸を掘る、という2段階の掘り方をしなければ水源にあたりません。関東ローム層が崩れやすいために、垂直に掘り進むことが難しいからですが、それに関する説明が文章中に出てくるので、問題としてはそれほど難しくはなかったでしょう。

【3】は歴史の選択問題。知識のレベルは基本的な問題ばかりでした。
【4】は遺跡や文化に関する選択問題ですが、これもそれほど難しくはなかったでしょう。

【5】は裁判員制度。これも基本的な適語選択の問題になりました。

【6】と【7】は右側の解答欄を使って答えます。国民の祝日は、やはりうろ覚えのところがあったかもしれません。【7】の国名はすぐ書けた生徒が多かったのではないでしょうか。

全体としては簡明な問題が多く、やはり高得点の勝負になっただろうと思います。

中等部の社会は全般的に分量が多い年が多いのですが、今年はそれほどでもありませんでした。

対策としては、まずしっかり基礎的な知識を身に付けるということに尽きるでしょう。あまり細かい内容は出ませんが、歴史については並べ替え問題が出ますので、年号を含めしっかりと覚えていくことが必要です。

今年は地図の問題が出題されませんでしたが、地図は頻出事項ですから、地理や歴史の勉強をするときに地図帳を横に置いて、位置を確認しながら知識の精度を深めていってほしいと思います。

受験者が多いテストであるため、これまではほとんど記号式の試験でした。しかし、最近は地図に位置を示す記号を書き込んだり、記述で答えを書くなど、右側の解答欄を使う形式の問題も増えています。

ただ、多くの問題はまだ選択式なっています。時事問題や世界地理に関する出題もあり、範囲は広くなっているので、しっかりと基礎知識を覚えるところから始めましょう。

慶應ですから福澤諭吉に関する知識もしっかり覚えてください。

その上で過去問や他校の問題を解いて、さらに知識を深めていきますが、それほど細かい内容を問われることは少ない反面、資料を読み取ったり、今年の国民の祝日のような常識的な問題を出題することが最近増えてきています。

単に知識を覚えていれば何とかなる、というところから少し変わってきつつありますので、過去問をしっかりやりながら、出題傾向に慣れていってほしいと思います。

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