今年の湘南の理科で、こんな問題が出ました。
国際宇宙ステーション(ISS)には、さまざまな国の乗組員が滞在し、いろいろな実験と観測をしています。以下の問いに答えなさい。
(問1)宇宙に物や人を運ぶためにロケットを使います。ロケットの打ち上げには2種類の物質を燃料として使います。あてはまる物質を次の中から2つ選び、解答らんの番号を○で囲みなさい。
1 水素 2 窒素 3 二酸化炭素 4 酸素 5 ヘリウム
さて、この問題。当然、ロケット燃料の話は、塾のテキストには載っていないでしょう。(多分。)時事問題としてISSをとらえるとしても、ロケット燃料まで知識を増やしているはずがない。
ということは、この問題はやはり考えなければいけない、ということになるのです。
ロケットですから、かなり重力に逆らって飛ばなければいけないので推力は必要です。そこで燃料を燃焼室で燃やしてそこで発生するガスを勢いよく吹き出して推力を得るわけですが、飛行機の場合は空気がまわりにあるので、それを吸い込んで酸素を得て燃焼させることができます。しかしロケットの場合は、酸素はなくなってくるので、酸素は持っていかないといけない、と考えるとひとつの燃料は酸素だと導き出すことができるでしょう。
そうすると酸素と化合して燃やすことのできる気体、がもうひとつの燃料ということになります。二酸化炭素や窒素は燃えないので、残りはヘリウムと水素。
ヘリウムは燃えない、という知識は中学受験生にはないかもしれません。ただ、ヘリウムは風船に入るものであるから、簡単に火がついてはいけない、と考えられれば消すことができるかもしれません。
自分が知っているありとあらゆることをめぐらしてみる、という意味ではこの問題はやはり思考力を問う問題と考えた方が良いでしょう。関心を広げることは大事ですが、いろいろ覚えなければいけないことが増えても困りものですから。
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