慶應の問題は偏差値に比べて、やさしい、と言われます。
そう簡単ではないと思う部分もあるのですが、しかし、そういう一面はあるかもしれません。
慶應3校は完全付属校です。選抜試験で定員の一部が確実に進学できない、というようなことはない。進級さえできれば、学部の振り分けはあるものの、全員が基本的に慶應義塾大学に進学できます。
だから大学受験は必要ないし、別に医学部進学に力が入っているわけでもない。
むしろ慶應文化の担い手として、それぞれが自分の可能性を義塾の場で大いに広げてもらうことに一義があります。
それに必要なのはむしろ基礎学力であり、読む、書く、考えるということがしっかりしていることが大事。
技術的なことを学ぶのは中学、高校、大学とあるので、適正な時期に学べば良いから、その土台だけしっかり創ってもらいたい、とそう考えているのです。
だから、いたずらに難しい問題を解けるよりは、しっかりとテーマに対して興味を持ち、ていねいに考えられ、自分の意見を表明できることが必要なのです。そこに視点を持っていかないと、本来慶應が求める人材像と変わってくるところがあります。
進学塾はいろいろな学校に対応するし、進学校は大学受験の結果を求められる分、その素養がある子を採りたいと思うからそういう出題になるかもしれませんが、慶應はそうではない。
だからまずしっかりと過去問を見て、何が求められているのかをつかんでもらいたいと思います。