速さの問題

速さも毎年出題される、非常に重要なテーマです。しかも、他のテーマに比べてみると、やはり複雑な手順を必要とする場合が少なくありません。

以下は2009年の湘南の6番。6番ですから、やはりそれなりに骨があります。


A町とB町を結ぶ1本の道があり、途中にC町がある。太郎君、次郎君、三郎君の3人はA町を同時に出発して、太郎君は自転車に乗ってA町とB町の間を2往復し、次郎君と三郎君は歩いてA町とC町の間を1往復する。

太郎君の速さは毎時20km、次郎君の速さは毎時5km、三郎君の速さは毎時4kmである。

次郎君と三郎君の「出会い」が初めて起こったのは、3人が出発してから100分後であった。

また、三郎君がC町に着くまでに、三郎君と太郎君の「出会い」は2回起こったが、その間に三郎君は2km歩いていた。

 ここで、「出会い」とは、「だれかとだれかがすれちがったり、だれかがだれかに追いついたりすること」とする。

(1)A町とC町の間の距離を求めなさい。

(2)A町とB町の間の距離を求めなさい。

(3)4回目の「出会い」が起こったのは、3人が出発してから何時間後ですか。


速さの問題は、題意をつかむことがまず大事です。

そのためにグラフを用いるのは、有効な方法でしょう。

題意をグラフにすると、以下の通りになります。

(1)次郎君と三郎君が100分で初めて出会ったのだから、

(5+4)×100/60÷2=7.5㎞ がAからCまでの距離になります。

(答え)7.5㎞

(2)三郎君が2㎞移動するのにかかる時間は

2÷4=1/2時間

その間に太郎君は20×1/2=10㎞移動する。

(10-2)÷2=4㎞

なので二人が最初に出会ったのはAから4㎞のところになります。

そこまで三郎君は4÷4=1時間かかるので、太郎君も1時間動いていますから20㎞移動している。そこから4㎞でABを一往復したことになるので

(20+4)÷2=12㎞ がAB間の距離になります。

(答え)12㎞

(3)4回目はグラフから太郎君と次郎君の出会いになります。

太郎君が1回目にAに戻るのは

24÷20=6/5時間

次郎君がCに着くのは

7.5÷5=3/2時間

その時までに太郎君は3/2-6/5=3/10時間動くので

20×3/10=6㎞ したがって二人の間は

7.5-6=1.5㎞になります。

1.5÷(5+20)=0.06時間

したがって3/2時間+0.06時間=1.56時間

(答え)1.56時間

この問題は速さとグラフの中では比較的解きやすい問題でしょう。上手にグラフを書きながら、題意をしっかりつかんで、確実に正答できる力を養ってください。

慶應進学オンラインより

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