月別アーカイブ: 2013年4月

慶應普通部 学校別対策の考え方(3)

普通部の理科は30で100点満点。

大問は6題程度。今年は5問でした。

問1 トンボに関する問題
問2 電気
問3 台風と気象
問4 対照実験
問5 ものの温まり方

という出題でしたが、電気の出題は非常に久しぶりです。例年から考えると物理、化学系の問題よりは生物、地学系の問題が多いでしょう。中でも普通部の理科の特徴は生物です。

普通部の理科教育においてフィールドワークが重要視されていることから、これに関する出題が多くなっています。

今年のテーマはアカトンボ、オニヤンマ、ギンヤンマ、イトトンボ。

トンボの大きさや、冬越し、幼虫の図など例年通り、細かい知識が必要でした。今回は飼育法についての問題も2問ありましたが、やはりただ図鑑を見る、というだけでなく、飼育の経験は必要なのかもしれません。

スケッチを書かせる問題もあれば、開花の時期や成虫になる時期を答える場合もあります。他の学校よりはかなり細かい問題と言えるでしょう。ただ、この対策はなかなか難しいとも言えます。なかなか類題が多くはないので、過去問を中心に学習しますが、同じ問題が出ることはあまりないので、また新しい動物、植物を考えていかないといけないからです。したがってある程度対策はするにしても、ある程度捨てる度胸も必要でしょう。

今年で言えば、問4の問題は生物の対照実験でしたが、しかし生物に関する知識を要求されているのではないので、残りの問題である程度得点することも考えておかないといけないのです。

まずは全範囲にわたっての基礎を固めることでしょう。

あまり細かい知識を覚えることに時間を割かず、理科の基礎力を鍛えることにまず注力してください。過去問を見ると、どうしても細かいことをやろうと考えがちですが、実際に理科の基本的な考え方が身についていれば、いろいろと応用する範囲が出てくるのです。

カリキュラムが終わったら、自分が不得意だと思う、物理、化学の範囲を中心にまず勉強してください。それが終わったら、さっそく過去問をやってみましょう。

過去問をやると、どういう問題が出ているのかわかるでしょうが、だからといって慌てて細かい生物の知識を覚えようとはせず、過去問の中身を検討して内容を理解してください。そうすると、何を覚えなければいけないかが、絞り込めてきます。あまり突拍子もない動物や植物を考えても仕方がないのです。

あくまで充分に観察しうるようなものが対象です。これは過去問をやりこんでみると、わかってくると思います。

そのためにも、あまり今から細かい知識を覚えようとせず、穴のないように勉強をしていってください。

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正六角形の問題
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残った教材
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慶應普通部 学校別対策の考え方(2)

普通部の国語はここのところ、長文2題と漢字という形になってきています。

1問目が物語文の読解。 2問目が説明文・随筆で、物語の方が文章の採録が長い傾向にあります。今年は高樹のぶ子「マイマイ新子」からですが、A4上下段4ページ弱。長かったと思います。

出題形式としては書き抜き、選択が多く、字数の長い記述問題はあまり出題されません。今年は全部で十三問ありましたが、記述は二題だけでした。問十が十五字以内。問十一は小問が2題ありますが、解答用紙はそれぞれ一行ずつですので、あまり長く答える必要はありませんでした。

残り十一問のつち、選択問題は6問。書き抜きが4問。残り1問が一文を文中にあてはめる問題でしたが、選択問題は良い問題が並んでいました。文章が長いので、書きぬく言葉を見つけるのも大変ではなかったかと思います。また今年は主人公が女の子なので、普通部受験生にその気持ちがどこまで読み取れたか、ちょっと難しかったのではないかと思います。

例年物語文は採録された文章から主人公の置かれた環境や背景、登場人物の行動の理由、心情の変化などが問題として取り上げられており、単純にここにこう書いてある、ということだけでは済まない問題が少なくありません。特に選択肢は紛らわしいものが多いので、何を決め手にするかは悩むことが多いかもしれません。

一方、随筆や説明文は採録される文章が比較的コンパクトにまとまっています。また記述問題も少なく、今年は出題がありませんでした。選択問題と適語選択、書き抜きなどが中心ですが、今年は特に少なかったように思います。やはり前半の物語文の読解に比重があったように思われます。

3問目は漢字。
決して難しくはありませんが、他校でも良く出る問題というわけではありません。漢字の問題集は比較的細かいレベルまで勉強をしておいた方が良いでしょう。

読解としてはやはり、物語文に比重がありますので、まずここを過去問を中心に練習していく必要があるでしょう。

ある程度、読解力がついてきたら、説明文に行き、さらに文学史や漢字に、と対策を進めていけばよいので、夏休み前は物語文の読解練習に力をいれてください。

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食塩水の濃度
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ミスは出るもの
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慶應普通部 学校別対策の考え方(1)

慶應普通部は2月1日の試験だけで合否が決定されます。

午前中、4教科の試験を行い、昼食の後に体育実技と面接。面接は5人1組で行われ、総合点で合否を決めます。

とはいっても真面目にみんな体育実技と面接はやりますから、それほど差がつくわけではありません。したがってやはり午前中の4教科の試験の点数でほぼ決まるといっても過言ではないでしょう。

普通部は4教科、それぞれ100点満点の400点満点ですが、試験時間は算数と国語が40分。理科、社会が30分。合計時間は140分ですから、中等部や湘南と同じですが、配点がまったく違います。

4教科均等ということになりますから、科目的に穴がない受験生が有利で、ある程度バランスがとれている必要があります。

まず算数についてお話しましょう。

算数はすべて記述式になります。 答案用紙は横がA3と同じ幅。長さはA3よりも長く変形の用紙になっています。真ん中で左右2つに分かれ、それぞれ式や説明を書いて、答えを解答欄に記入する形です。

例年だいたい8~9問程度が出題されますが、1問1問はそれほど複雑ではありません。ただ、かといってそれほどやさしくもない。

したがって40分で7割以上をとろうと思うと、なかなか大変でしょう。

2013年の出題は合計9題でした。

1 計算問題2題
2 図形の折り返し 面積比の問題
3 数の性質 素因数分解と公倍数
4 速さ
5 場合の数
6 割合
7 やりとりに関する問題
8 平面図形 正六角形の分割と組み合わせ
9 作図問題 (立体に関する問題)

内容を見ておかわりの通り、ほぼ重要な範囲はすべて出題されています。1問目に計算問題が2題出題された後は、いろいろな範囲から出題されていますので、あまり不得意な分野を作らないようにしていかなければなりません。

また最初の方がやさしいとは限らず、6番以降に取りやすい問題があったりするので、最初から解いていく方法が良いとは限りません。

全体を見回しながら、解けそうな問題から順に解いていくやり方をマスターしてください。

記述については、説明といいながらも、それほど1問のスペースが大きいわけではありません。したがって式を書いて、出た数字が何かをメモするように書いていけば良いでしょう。言葉をたくさん書いていくスペースはあまりないといって良いでしょう。

これについては、過去問を練習するときに、実際の用紙を想定して考えておくと良いと思います。過去問集にはサイズが載っていますので、その通り拡大した用紙で練習してください。

普通部では、定規、分度器、コンパスを持参します。作図の問題はなかなか出題されませんでしたが、今年9番で出題がありました。ただ、グラフを描くなどに使う場合もあり、今後も作業問題は出題される可能性が高いので、普段からこれらの道具を使い慣れておく必要はあるでしょう。

8割とれていると、まず間違いなく大丈夫と言えますが、それ未満であれば他教科との兼ね合いになり、6割を割り込むとかなり厳しくなります。

少なくとも7割は確実に得点できる力を養っていかなければなりません。そのためには正確さが必要になります。問題にはミスを引き出すような要素が結構多く含まれていますので、そこにひっかからないように答えていかなければなりません。

御三家のような難しい問題を解く練習はあまり必要ではありませんが、すべての問題が決してやさしい問題ではないので、やはり過去問を勉強して、そのレベルを知った上で、同程度の問題の練習を積み重ねていくと良いでしょう。

もうひとつ重要なことは、あまり不得意なテーマを作らないようにすることです。得意ではないな、と思う分野があれば、早めに集中して克服していきましょう。それを残しておくと、あとで大きな穴につながってしまうことがあるので、注意してください。

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知識のテキスト
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ロケット燃料

今年の湘南の理科で、こんな問題が出ました。


国際宇宙ステーション(ISS)には、さまざまな国の乗組員が滞在し、いろいろな実験と観測をしています。以下の問いに答えなさい。

(問1)宇宙に物や人を運ぶためにロケットを使います。ロケットの打ち上げには2種類の物質を燃料として使います。あてはまる物質を次の中から2つ選び、解答らんの番号を○で囲みなさい。

1 水素 2 窒素 3 二酸化炭素  4 酸素  5 ヘリウム


さて、この問題。当然、ロケット燃料の話は、塾のテキストには載っていないでしょう。(多分。)時事問題としてISSをとらえるとしても、ロケット燃料まで知識を増やしているはずがない。

ということは、この問題はやはり考えなければいけない、ということになるのです。

ロケットですから、かなり重力に逆らって飛ばなければいけないので推力は必要です。そこで燃料を燃焼室で燃やしてそこで発生するガスを勢いよく吹き出して推力を得るわけですが、飛行機の場合は空気がまわりにあるので、それを吸い込んで酸素を得て燃焼させることができます。しかしロケットの場合は、酸素はなくなってくるので、酸素は持っていかないといけない、と考えるとひとつの燃料は酸素だと導き出すことができるでしょう。

そうすると酸素と化合して燃やすことのできる気体、がもうひとつの燃料ということになります。二酸化炭素や窒素は燃えないので、残りはヘリウムと水素。

ヘリウムは燃えない、という知識は中学受験生にはないかもしれません。ただ、ヘリウムは風船に入るものであるから、簡単に火がついてはいけない、と考えられれば消すことができるかもしれません。

自分が知っているありとあらゆることをめぐらしてみる、という意味ではこの問題はやはり思考力を問う問題と考えた方が良いでしょう。関心を広げることは大事ですが、いろいろ覚えなければいけないことが増えても困りものですから。

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第77回 一貫校の進学指導体制
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1学期に向けて

春期講習が続いていますが、これもあと数日で終了。

やはり時間が経つのは早い。あっという間に新年度が始まって2カ月になってしまいました。あと10か月。

これから空白の3か月といわれる時期に入ります。6年の1学期は、まだカリキュラムが残っている塾が多いので、それを学習しているうちに毎週の勉強がパターン化して、メリハリがつかない状況になることです。

つまり、何となく勉強はしているが、成績はあまり伸びていかないし、学校別の対策をするわけでもないので、何となく過ぎてしまう。しかし、同じ勉強の仕方をこれまでもある程度してきているわけですから、この3か月で画期的に成績が良くなるということはあまりないかもしれない。したがって、何かを変えなければいけない時期に来ているのです。

何を変えるか?と言えば、一番はやはり志望校を意識した勉強をすること。

つまり、組み分けテストやカリキュラムテストに対する勉強ばかりでなく、志望校に出そうな内容を少しずつ加えていくことです。夏休みから過去問に入る塾が多くなりましたが、それでも早い方。塾によっては秋後半まで手を付けさせないところもありますが、やはり子どもの動機を考えると、学校を意識した勉強にだんだん切り替えていった方が良いでしょう。

慶應について言えば、例えば中等部や湘南の前半の算数を練習してみるとか、あるいは読解問題をやってみるとか、そういう工夫をされると良いのです。

過去問を力試しにとっておこう、という考えもあるかもしれませんが、力試しは模擬試験があるので、むしろ過去問は勉強の題材として使いこんでいった方が子どもたちもやる気が出てくる。

できないものばかりをやっても仕方がないが、できるものは今から手を付けていった方が良いでしょう。そういう意味で1学期の勉強をそろそろ計画してみてください。

ただし3か月ペースで考える。

毎週、同じことの繰り返しにならないように気を付けてください。例えば5月は湘南の国語を解いてみる、とか。6月は中等部の理科の化学の範囲をやってみる、とか。

そういうテーマ別の勉強を加えていくと、目先も変わるし、子どもたちの意識も次第に受験モードに入っていけるでしょう。

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武蔵中学 学校紹介開催
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