月別アーカイブ: 2012年4月

スケジュール管理

中学受験でも高校受験でも、やはりすべきことを書き出し、優先順位をつけるというやり方はどうしても必要になります。

特に高校受験は、「まめさ」が必要で、まめでない子には手帳なりメモなりを使って、自分の行動の計画を立てさせていかないとうまくいきません。

慶應の高校受験を考えると、明らかに公立高校の受験とは問題のレベルが違うので、その分、塾の勉強が中心になります。学校の勉強で、慶應の問題は解けない。しかし、学校の勉強で公立の問題は全部とはいわないが、解ける問題が多い。だから、その分余分な勉強をしないといけない。だからといって、学校の勉強をないがしろにはできない。当然慶應以外の学校も受けるわけだし、公立の受験も考えるでしょう。

そうなると内申点も考えておかないといけない。これは期末試験の成績だけではとれません。普段からの提出物、授業態度、ということがかかわってくる。宿題を忘れたら減点になるかもしれないし、学校の委員会活動だって大事だ。

忙しいんです。

良くまじめな子には高校受験を勧めるのですが、それはこういうことが器用にできることが必要だからです。

中3の女子に宿題を出そうとしたら、手帳を取り出され、
「先生、その次の日にしてください。」
と言われました。

「はい?」
「今週末は部活の試合があり、月曜日に学校で提出物がひとつあるので、火曜日なら間に合わせられます。」

ちょっとビジネスマン風でしょ?

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成績の波が大きい子
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スケッチ

普通部の対策授業が始まると、まず最初にやらせたのがスケッチでした。

たんぽぽの花のスケッチ、カイコのスケッチ、稲の花のスケッチ。

まずは、お手本を置いて、それを写すことから始めます。ところが、この段階でなかなかひどい。

線の引き方も危ういし、大きさや形の描写はもう悲惨、という子もいます。

「どうして、めしべとおしべでめしべの方が大きいんだ?」

と指摘すると、

「あ、そうか」

という子もいる。そういうところに注意が行かない。写す、という作業は簡単なようで、そうではないのです。

私は良くホワイトボードに問題を書いて、子どもたちにノートに写させていました。これを時間の無駄と思う方がいらっしゃるかもしれないが、実はそうではありません。

ものを写す、ということはいろいろなところに注意を及ぼして、観察する力を養う。もちろん、きれいに写そうとしないとそうなりませんが、それでも書くという経験を積み重ねるから、だんだんにうまくなっていく。

4年生に立方体を書かせるとまずゆがみます。これは平行であるべき辺が平行になっていないからおきるわけですが、それもそういうものだ、と教えてみると、すぐに書けるようになる。

だから何事も練習です。

写すことができるようになったら、次は何も見ずに書く練習をします。

一度書いたことがあるはずだが、これがまたてんでまとまらなくなるから、不思議です。しかし、これも練習で変わってきます。

今年も普通部では「カイコの触覚を書け」という問題が出ました。

そろそろ、勉強に取り入れておくとよいかもしれませんね。

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何がプラスされれば、この問題はできたのか
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ことばの問題

慶應中等部では、さまざまなことばの問題が出題されます。

2011年の問題。

次のア~ケのことばを 1 慣用句 2 日本のことわざ 3 故事成語 に分類し、番号で答えなさい。ただし、同じ番号を何回使ってもよい。

ア 塞翁が馬
イ 馬の耳に念仏
ウ 青は藍より出でて藍より青し
エ 匙を投げる
オ 肩で風を切る
カ 飼い犬に手を噛まれる
キ 猿も木から落ちる
ク 馬耳東風
ケ 牛にひかれて善光寺参り

こういう言葉の問題は、最近他の中学ではあまり見かけなくなりましたが、中等部では比較的よく出題される範囲でしょう。

最近、クイズ番組で、難しい漢字が出たり、ことばの問題が出ていたりしますが、似たような問題かもしれません。さて、故事成語とことわざ、慣用句の違いはやはり明確にしておく必要があるでしょう。この問題は、ただ意味がわかればいいということではなく、そのできた背景について聞いているので、なかなかおもしろい問題だろうと思います。

例えば塞翁が馬は故事成語で、これは昔あった話から、生まれたことばですね。良いと思ったことが、悪い結果になることもあれば、悪いと思ったことが良い結果になることもある、ということでしょう。逆に慣用句とは、表現として使われるようになったことばで、この問題の場合は匙を投げる、肩で風を切るがそれに当たります。ことわざは鋭い風刺や教訓・知識が含まれた表現ですから、慣用句の違いはその意味する風刺や教訓があるかどうかということになってくるでしょう。

意味をとらえると同時に、この3つの違いを明確にしておきましょう。

(答え)
ア 3 イ 2 ウ 3 エ 1 オ 1 カ 2 キ 2 ク 3 ケ 2

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数の性質の問題
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静かな子
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獣身をなす

幼稚舎の受験が残念で、今度は中学受験で慶應を狙おう、と思っておられるご家庭もあろうかと思います。

やはり失敗すると、今度は成功したい、だから、早くから塾を始めたり、勉強を進めているかもしれないが、あまり早くから気合をいれない方が良いと私は思います。

なにせまだ6年間ある。そんなに、早くから気合を入れて、やれ成績だ、偏差値だと気にしていたら、親も子どもも持ちません。中学受験は4年生から始めれば十分間に合います。だから、むしろ、この6年間の小学生生活でどういう子に育てるか、ということをしっかり考えた方が良いと思います。

福澤諭吉は

まず獣身をなして後人心を養え

と言っていました。これが幼稚舎の考えでもありますが、獣身をなす、とは健康な体をつくるということです。「おなかがすいたら元気よく食べる」「一生懸命走る」そういうことがまずできなければ、人として活躍できない。だからまず獣身を養わないといけないのであって、それは幼稚舎に行かずとも同じことです。

小学校に入ればスポーツがやれる。体を鍛えるチャンスはいくらでもあります。またお子さんと旅行に行ったり、同じ趣味を楽しんだりすることもできる。

まずは「健康に、元気に育っている」ということを考えないといけない。

私は、長男の幼稚舎受験を断念した後、剣道とサッカーに時間を費やしました。剣道は、完全に親の志向。子どもはサッカーがしたかったのですが、「サッカーもやっていいが、剣道もやろう」とこれはやらせました。

先日、長男と話したところでいえば、

「まあ、剣道はね、性に合わなかったんだ。でもね、型は好きだったよ。」

と言ってました。

型というのは、剣を振る動作を美しく、きっちりやるということで、本人に言わせると

「非常にきれいなもの」

だったそうです。だから続けたのだといっていました。小学生はずっと小さかったですが、その先もサッカー、テニスと運動が続いたので、今は背も伸びて、体もしっかりしました。

まず、ここが大事なのです。

塾は4年生から探せば十分。あわてて九九を覚えさせる必要もありません。やるときにやればいい。それよりもまず「獣身をなす」ことに力を入れられると良いと思います。

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勉強の動機は夢を作ることから
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国語の授業のむずかしさ
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6年算数重要問題精選ノート(田中貴)

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自由作文と条件作文

慶應湘南の国語の問題には、100字作文が最後につきます。

平成21年の問題でこんなのがありました。

「アイスクリームがおいしいと感じられるのはなぜでしょうか。その理由を、クリームと比較しながら考えて、百字以内で書きなさい。答える際には、同じ理由でよさを感じさせる別のものを挙げながら、あなたの考えを補強すること。」

条件がいくつかついているので、整理してみましょう。

主題:アイスクリームはなぜおいしいと感じられるか
条件1:クリームと比較して、アイスクリームがおいしい理由
条件2:指摘した理由でおいしいと感じるものを例示する

ということです。

なぜ、こう書いたかといえば、これは自由作文といいながら「条件作文」になっているから。つまり、条件が抜け落ちていると得点になりません

ということは、まず趣旨を決めないといけない。作文を書かせると、すぐに書き始める子がほとんどであるが、条件作文を書く場合は、やはりメモからスタートするべきでしょう。

一体何を書くのか。

この問題の場合、まずクリームと比較する、ということからスタートします。

クリームとアイスクリームの違い。 冷たさ、舌触りということが考えられるでしょうが、まあ、多くの子どもたちがたぶん冷たさを選んだでしょう。

アイスクリームはクリームに比べて、冷たいからおいしいと感じる。

これが第一の条件です。

そうすると、次に考えなければいけないのは、それと同じような例。冷たいからおいしいもの。

夏、暑ければお茶は冷たい方がおいしい。あるいはジュースもそうかもしれない。そばも冷たいのが夏はおいしい。

では何を書くか? お茶にしよう、ということでお茶を例示することにします。

とここまでは、考えてメモする。メモは 

1 冷たい 2 お茶

ぐらいで十分です。で、ここから書き始める。

何を書くかは決まっているから、比較的スムーズに進むでしょう。

「何を書くか、まずメモする」

は条件作文では、やった方が良い手法でしょう。

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第27回 ズル
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