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学業以外にアピールすることは?

慶應義塾湘南藤沢中等部は、例年横浜初等部から約100名の生徒が入学してきます。

同じ小学校で6年間一緒に学び、生活した子どもたちが100名というのは、やはりそれなりに似ているというか、キャリア的に揃いやすい。

しかし、一方で中学受験生もキャリア的には揃いやすい。

例えば、ピアノが出来て、小学校の代表委員や議長団みたいなことをやっていて、スポーツもそれなりに、とか。

が、そう同じになってしまうと、湘南が考えていた多様性がそれぞれの生徒に及ぼす影響というのがどんどん矮小化されてしまうので、やはりここはキャラの強い子が欲しい、と思っているところは強いのです。

湘南を目指すなら、勉強と同時に、この組み立てが絶対に必要です。

しかも活動報告書に記載するのは4年生以降の活動です。今の多くの受験生は4年生以降塾で忙しくなり、習い事やその他の活動が低迷しやすい。

だからこそ、ウチはこれをアピールする、ということはしっかり考えておかないといけないことだし、また実践が必要です。

受験校か、付属校か

先日、栄光・聖光受験層のお話をしたのですが、「栄光・聖光」受験層は受験校希望だから、普通部は受けないのではないかという質問がありました。

確かに併願校のおすすめで見ると、栄光・聖光受験の2月1日校に出てくるのは、麻布、駒東、サレジオ、逗子開成という感じで並んでくるのですが、しかし、普通部も結構います。

栄光・聖光が残念で、たとえば浅野に合格したという場合でも、普通部に進学する生徒はいます。

この辺、やはり付属といっても大学による、という部分が大きいのではないかと思うのです。

またお住いの地域が神奈川であることが多いので、だとすると普通部は通いやすい。今年、相鉄が東横線に乗り入れたので、さらに便利になりました。

だから、こと慶應に関して言えば、受験校志望でも合格すると変わる可能性がある、ということです。

迷いたくないから最初から受けない、という層もいらっしゃいますし、それは家庭の判断ですが、やはり栄光・聖光志望者で普通部を併願する生徒はいます。

特に塾の指導が2月1日に偏る部分もあるからだとも思いますが…。逆に栄光・聖光を受ける生徒には慶應は受けさせない、という塾もあります。

普通部繰り上げ減少の理由

2023年は慶應義塾普通部の補欠繰り上がりが15名前後であったようです。

例年20名から30名前後はあると思われていた数字が減っており、これはやはり普通部の合格発表に起因していると思われます。

男子の慶應志望者の場合、地域的に普通部と中等部を重複受験する生徒が多いのですが、例年普通部の発表が2月3日で、中等部の一次試験日になってしまうので、両校を受験する受験生がほとんどでした。

しかし2023年は、普通部の合格発表が2月2日になり、普通部第一志望者は中等部を受験しなかったことになります。

普通部が発表した合格者は定員180名に対して195名。さらに15名の補欠繰り上げとして210名ですから、30名辞退があったと考えられますが、この辞退者はいったいどこに行ったのかといえば、栄光・聖光に流れたと考えられます。(栄光・聖光の合格者の重複率は、14.2%になります。)

2022年のデータで見ると、合格発表は205名、繰り上げは発表がありませんが、およそ25名と推定されており、ここから定員180名に対して50名の辞退があったと考えられます。

2021年のデータでは、合格発表は195名で、繰り上げがおよそ35名と考えられており、同様に50名の辞退が考えられるとすれば、2022年とほぼ同じ数字になります。

ここから考えると例年20名程度が、実は中等部(もしくは湘南)との重複合格であったと考えられます。

この20名分が原因と考えると、概ね今年の数字に合致します。

今年は中等部が20名定員を減らしており、多分幼稚舎から中等部に進学する数が増えていると推察されていますが、普通部が例年通りとすると、この重複部が消えて、中等部の20名減員を吸収している、とも考えられ、そうすると中等部は今年そう難しくなったわけではない、とも言えるかもしれません。

また、今年は結局普通部の合格者は210名になったわけで、例年の230名から20名減少していることになるから、そうすると各塾の合格実績の合計もおよそ20名減少することになります。

なので、2023年の普通部は難しかった!!という結論になります。

2024年、普通部が合格発表をいつにするのかは、今年の9月に発表されますので、そこでまた来年の数字について大まかな予想ができるでしょう。

(なお数字はあくまで、弊館の推定です。普通部から公式の発表があったのは定員ならびに合格者数だけです。)