慶應内の志望順位

昔、普通部と中等部だけだったころ、男子はどちらかにしか合格しませんでした。普通部か中等部、どちらかに振り分けられて重複合格というのがなかったのですが、現在は、湘南もあり、男子だと3校、女子でも2校、重複合格することが可能です。

ある男の子が慶應普通部と慶應湘南に合格しました。家は明らかに湘南に近いので、私はてっきり湘南に進学するのだろうなと思っていたのですが、いざ、手続きになった段階で彼は普通部を選んだ。

「え、湘南の方が近いんじゃないの?普通部までどのくらいかかるっけ?」
「1時間半かな。」
「湘南は?」
「30分ぐらい。」
「なのに普通部?」
「はい。」
「そうか、女の子きらいなんだ。」
「違いますよ! 先生。」
「え、そうなの?じゃ、なぜ?」
と聞いてみると、しばらくもじもじしていたが、
「あの、労作展やってみたい。」
と返事が返ってきました。
「なるほどねえ。じゃ、高校は?」
「それは湘南にするかもしれない。」
湘南に進むと高校は湘南しか行けませんが、普通部、中等部は慶應諸学校のすべての高校を選ぶことができます。
「なるほど。いいんじゃない。がんばって。」
と声をかけました。

私なんかからすると、同じ慶應だから、どこへ行っても同じ、とつい思いがちなのですが、結構、子どもたちはこだわりがあるようで、これも勉強するエンジンになっているようです。

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新刊「子どもを慶應義塾諸学校に入れる」(田中貴)