旅行の問題

慶應義塾の地図の問題は旅行と関係しているものが、比較的多く出題されます。

以下は平成20年の普通部の問題。今回は車での家族旅行です。


次の文を読んで、下の地図を見ながら、下の問いに答えなさい。

 名古屋市に住む真一君は、家族と車で観光したり、風景を観察したりしながら、新潟市の祖父の家に遊びに行きました。
 Aでは、(あ)川の遊覧船に乗りました。川の両岸には変わった形の岩が見えます。この川は長野県に源があり、伊勢湾に注ぎます。

 次にBの馬龍という場所に立ち寄りました。ここは江戸時代に中山道の宿場町として発達したところです。道の両側に江戸時代に作られた家々が続いており、タイムスリップしたようでした。①今までよく残っていたな、と真一君は思いました。

 Bを過ぎてからは、谷沿いの道を進みました。山々がせまり川のまわりの平地はせまく、畑や水田はあまりありません。お父さんは、Cの地域は②江戸時代には御三家の一つが治めていたことや当時の人々の生活の様子を説明してくれました。
                              
 Dの③本平洋と日本海の分水界を越えると、川の流れの向きが反対になりました。新しく見えた川は、他の川と合流をくり返して、長野市を通り、下流では(い)川と名づけられて日本海に注ぎます。

 Eは松本です。④ここに近づくときにいくつも工場が見えました。何の工場か、お父さんと予想してみました。松本市内では、松本城を見学しました。天守閣に登って西を見ると、晴れていたので(う)山脈の山々が見えました。1日目は近くの温泉で一泊しました。

 Fではりんご畑が広がっていました。しばらく行くと、水田が広がっているところもあります。さらに行くと、またりんご畑が集まっていました。⑤どうしてはっきり分かれているのだろうか、とお母さんやお父さんと話してみました。

 Gの付近では新幹線が見えました。東京との間を結んでい(え)新幹線です。昨年はこの新幹線に乗って、新潟まで来たことを思い出しました。

  2日目の夕方、ようやく新潟市に着きました。ここは2007年4月に(お)市と共に政令指定都市になりました。

1.文中の(あ)~(お)に当てはまることばを書きなさい。

2.下線部①について、ここでは、保存運動が起きる前から昔の宿場町がよく残っていました。その理由を書きなさい。

3.下線部②について、その理由として正しいものを、次のア~エから一つ選んで記号で答えな
 さい。
 ア.小判などの原料となる金を産出する鉱山があったから。
 イ.作物の生産量が少なく、他の藩が所有することをいやがったから。
 ウ.江戸幕府を開いた人物が神様として祭られている神社があるから。
 エ.ヒノキやアスナロなどを供給する産地として重要だったから。

4.県内に下線部③がある県を、次のア~カからすべて選んで記号で答えなさい。瀬戸内海は太平洋側とします。分水界とは、降った雨がどちらに流れるかの境界のことを言います。

 ア.福島県  イ.奈良県  ウ.兵庫県
 エ.広島県  オ.茨城県  カ.神奈川県

5.下線部④の工場として、正しくないものはどれか、次のア~オから二つ選んで記号で答えなさい。
 ア.砂糖を作る工場     イ.時計を作る工場
 ウ.自動車の組み立て工場  エ.プリンターを作る工場
 オ.半導体部品を作る工場

6.下線部⑤について、土地利用がはっきり分かれている理由として最もふさわしいものを、次のア~エから一つ選んで記号で答えなさい。
 ア.国や地方自治体の指導で、土地利用を決めたから。
 イ.もともとは果樹園だったが、用水路のできた周辺が水田となったから。
 ウ.周囲の地形によって、日照時間に差があるから。
 エ.水はけが良い、悪いによって土地利用が分かれたから。


いざ、こうやって旅行の形で視点が地図上で動いてくると、単に暗記した知識だけでは答えられない、ということになってくるでしょう。
実際に木曽川、信濃川、という川は当然、知識として覚えるわけですが、南から行くとどう見える、東から見るとどうなる、というようなことをイメージするためには、やはり地図といっしょに勉強しなければならない、ということを痛感させられます。

1のおは時事問題ですから、できなくても仕方がないところですが、こういうところに時事問題が挟まれてきますので、政令指定都市などは十分注意が必要です。

3木曽ヒノキは天然の三大美林のひとつですが、これは尾張藩が自分たちの資源として保護、利用してきました。

4分水界とは、雨が降って北側の海に流れるか、南側の海に流れるかの分かれ目です。ここでは福島県、兵庫県、広島県があてはまります。

5松本周辺は精密工業の地域ですから、砂糖と自動車はあてはまりません。

6長野盆地は千曲川が流れているため、平地は水田として利用しますが、水はけのよい扇状地は果樹園としてりんごの生産が中心になります。

もし旅行をする機会があれば、お子さんに地図を持ってもらいながら、親子でいろいろな話をするのも、良い体験になるでしょう。

(答え)
1 あ 木曽 い 信濃 う 飛騨 え 上越 お 浜松
2 馬籠は山間部にあったため、開発を免れていたから
3 エ
4 ア、ウ、エ
5 ア、ウ
6 エ
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